マララさんがノルウェーでノーベル平和賞授賞式に臨んでいる。テレビに流れる、あの有名な国連演説を聞いて、改めてその偉大な生き方に感動した。
学校に通うという、子供としてあまりにも普通の行動を続けたゆえにテロの銃撃を受けた。「女は家事をやればいいので学校には行くな」というタリバンの命令に対し、毅然として通いつづけたスクールバスの中で射撃された。奇跡的に助かった少女は、「神は私に新たな人生を授けてくれた」と、屈することなく教育普及運動に立ち上がる。
何がそのような強い女性を育てたのか? お父さんの言葉が素晴らしい。
「私は何もしなかった。彼女の翼を取らなかっただけだ。翼を摘み取れば彼女は普通の女性になったかもしれないが、私はそのまま摘み取らなかった。私は何かをしたのではなく、何もしなかったのだ。」
自由に翼を伸ばしたマララさんは、国連で次のように演説した。
「One child, one teacher, one pen and one book can change the world.
Education is the only solution. Education First.
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、
それで世界を変えられます。
教育こそがただ一つの解決策です。
エデュケーション・ファースト(教育を第一に) 」
国連でスピーチする17歳の彼女は、凛々しく、美しかった。声ははっきりと、きれいで、全てに無駄なく説得力を持っていた。このようなスピーチを聞けるだけで、今年も生きてきた値打ちがあった。
2014.12.10付 日経新聞朝刊より