地球の裏側リオデジャネイロから、毎日オリンピックの熱風が送られてj来る。いずれも感動に満ちたシーンが多いが、陸上男子400メートルリレーの銀メダル獲得のシーンには、感動を通り越して、まさに鳥肌の立つ思いで惹きつけられた。
陸上競技の短距離走種目で、メダルを取ること事態そもそも想像のできない事であったからだ。その壁はアメリカにあった。アメリカと言っても黒人の力であり、最近その壁をジャマイカが破っているが、いずれ同種の人種の争いに見えて、そこにに割って入るなど想像していなかった。
ところが、そのアメリカに勝ったのだ。わずか100分の2秒と言えどもアメリカに勝ったのだ。信じられない出来事が起こった、という思いで心が震えた。「日本だけには負けるな! メダルを取らせたくない」と敵意をあらわにしていたという中国も、アメリカに勝った日本を見て、「日本は本当に強かったのだ」と素直にシャッポを脱いだ、という記事が載っていた。それ程の衝撃的な内容を含む出来事であったと言えよう。
しかも、「一人ひとりでは勝てなかったが、チーム力では勝てるのだ」という選手たちの発言が、いかにも日本らしく、この日本人の特質を、同じ日本人として誇りに思う。このような感動の機会に、一つでも接することができたということは幸せなことだと思う。
2016年の暑い夏は終わろうとしている。ゲリラ豪雨が去った庭のマテバ椎の葉末で、ツクツクボウシが鳴いていた。