旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年を振り返る … 政治経済

2016-12-20 13:40:34 | 政治経済

 

 今年も余すところ10日となった。毎年この時期になると、一年を振り返る記事となる。月並みであるが、年中行事として主要な出来事の項目ぐらいは掲げておこう。まずは政治経済…。
 国際政治は波乱にとんだ年であったのだろう。英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出、シリアなど中東の紛争と難民問題などなど。最後のプーチン・安部会談では、鳴り物入りで始まったが北方領土返還の糸口も見えず、それこそ鼠一匹出てこなかったが。
 米英二大国のハプニング事件は大方の予想を裏切るものであったが、底辺を流れる国民の閉塞感は、中東問題などとも共通する「格差と貧困の拡大」が生み出したもので、必然的な要因があったのであろう。
 資本主義社会は行き詰まりの様相を見せているが、その出口が見えない。社会主義・共産主義社会は、ソ連、中国、北朝鮮などが歩んだ独裁政治でその理念は大きく傷つけられたが、しかし、それに代わるものを誰も示し切れていない。資本主義は出口なき袋小路の中にいる。
 ただ、前述した米英二大国で新しい現象が起こっている。11月14日付「アメリカ大統領選挙(つづき)」で書いたように、同大統領選では、民主党予備選で社会主義者を名乗るバーニー・サンダース氏が善戦し多くの支持を集めた。イギリス労働党党首選では、同じく社会主義者を名乗る最左翼のジェレミー・コービン氏が勝利した。いずれも、民主的社会主義者と「民主的」を冠しているが、資本主義の旗手を自認する反共二大国にあって、社会主義者を名乗るのはタブーではなかったのか? 多くの国民は、資本主義の出口に社会主義という古典的王道を求め始めているのではないか? もちろん、暴力的変革・独裁の道ではなく、修正資本主義――議会を通じての民主的変革の道であるが。
 日本にあっては、安倍自公政権の強権政治ぶりが目につく一年であった。維新の会の協力もあり圧倒的数の力を誇り、やりたい放題という感じだ。安倍首相のもつ右翼思想を含め、戦前歩いた道を再び歩き始めるのではないかという危惧を表明する人は多い。しかし安倍政権の支持率は依然として高く、50%を超えている。戦争法の強行にしろ福祉切り捨て政策にせよ、一般国民には決してよくない政治だと思うが、支持は高い。これが最大の疑問だ。
 ただ、反面に野党四党と一般国民の統一戦線が組まれてきたことは、かつてないことだろう。しかも、共産党を含む共闘が国政レベルで組まれてきたことは、安倍強権政権に対するアンチテーゼとして必然的に生まれてきたのかもしれない。([注]日本共産党の現綱領の方針は、前述した「修正資本主義――議会を通じての民主的変革の道」と理解している)。これらの動きが、前述した欧米の動きと何か軌を一にするものがあるのかどうか、関心を持っている。本日付毎日新聞の世論調査によれば、中核となる民進党と共産党支持者の6割以上が「共闘に賛成」となっているので、ぜひとも前進させてほしいものだ。来年に向けた最大の関心事である。

 


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