旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

小池「希望」のかく乱で、争点のぼけた総選挙

2017-10-14 14:33:47 | 政治経済



 総選挙の序盤情勢が出そろった。結果は自民党の大勝に終わりそうだ。
 今回の選挙は、そもそも大儀なき自己都合解散によるもので、そのことも含めて安倍自公政権の是非を問う選挙になるはずであった。即ち、安保法制や9条を含む憲法改定、格差拡大の経済政策などが争点になると思われていた。そしてそれは、安倍自公政権と維新の会などの補完勢力と、民進・共産・自由・社民の野党4党と各市民連合の統一戦線との間で争われると期待していた。
 ところが突如現れた小池百合子氏率いる「希望の党」に民意が動き、人気を落とした自民党を離れた票は「希望」に行くかに見えた。加えて支持率の上がらない民進党の面々は大挙してこの党に希望を託した。ところが、首班候補は決まらず政策も明確さを欠き、よくよく見れば自民党と大差ない。小池新党に希望を見出しえなかった国民の熱意は急速に冷め、「他にいないから」と自民党支持に後戻りしたようだ。
 そもそも小池百合子という人物は、自民党の元国防大臣などで、憲法に対しては、9条に「自衛隊を書き込む」どころか戦力不保持の9条2項を削除しようという立場とも思われる。自民党より右と言ってもいいかもしれない人物で、国民がそちらに行かず自民党で踏みとどまったのは、まだ賢明というべきかもしれない。
 小池騒動の最大の功績は、立憲民主党を生み出したことかもしれない。健全な国民は枝野党首の勇気も含めて広く支持が示しつつあり、今回総選挙の目玉とも言えそうだ。それに気づいた民進党の「希望」合流組などが、早くも選挙後に再び民進党に再結集しようとしているとも報道されているので、笑い話のようである。私は、立憲民主党が頑張って、むしろ自民党の中のリベラル派をも結集して、健全なリベラル勢力に成長することを期待している。
 ともあれ、小池「希望」騒動は自民党勢力を利するだけに終わったかに見える。野党と市民連合の統一戦線の分断を策し、政治を右傾化させる小池氏の策略であったかもしれない。この実態に気づき、国民が「立憲民主党・共産党・社民党、と市民連合」の側に1票を投じるようになるには、未だ時間を要するのだろうか?


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