人類が、この年2020年を語り継ぐとしたら、それはコロナなどではなくはやぶさ2についてではないか? これほどロマンに富んだ話はない。
なにせ6年間、52億キロメートルの惑星リュウグウへの旅から還ってきたのだ。しかも約束の玉手箱を携えて。玉手箱の中から出てきた「リュウグウの砂」は、数十億年前の太陽系の起源を明かす貴重な資料と言われ、又その砂は「生命の起源を秘めた水」を含んでいると期待されている。
はやぶさ2は、その玉手箱を約束の時刻に約束の場所(オーストラリアの砂漠)に落として、振り向きもしないで、次のミッションに向けて飛び立った。11年後の到着を目差す次の惑星に向かったのだ。
こんな洒落た振る舞いが誰にできるだろう。
11年後、私は生きていないが、はやぶさにとっては日常茶飯事の数字かもしれない。とても人智の及ばぬところだ。
ところが、このはやぶさを動かしているのは日本の科学者たちだ。彼らはいったい、どんな生い立ちをし、どんなロマンに満ちた日常生活を送っているのだろうか?