総選挙の結果、日本人はどんな道を選んだのか? 何を自公政権に託したのであろうか?
私は、不覚にも、立憲民主党が議席を減らすことなど想像もしていなかった。初めて本格的に組まれた野党共闘は、一挙に政権交代までは無理としても、一定の抑制を自公政権に与えるものと信じていた。
結果は、自公政権が実質的に勝利し、野党共闘の大敗北に終わった。当初30~50議席の減少が予想されていた自民党は15議席の減少にとどまり、絶対安定過半数(各委員会の委員長を独占したうえで過半数)の261議席を得た。反面、政権交代を叫んだ立憲民主党は14議席を減らし、枝野委員長は辞任に追い込まれた。共産党も少ない12議席をなお2議席減らし、第6党に陥落した。野党共闘の再建には、時間を要することになるであろう。
加えて気になることは、維新の会の議席増大(30議席増で41議席獲得)である。維新の会は完全な自民党の補完勢力であり、同時に議席を増やした公明党(3議席増の32議席)を加え、与党とその補完勢力は改憲議席の3分の2を遥かに超える。
国民は憲法改正の権限も与党勢力に与えたのであろうか? それよりも何よりも、モリ・カケ問題や公文書偽造、桜を見る会などの安倍・菅政権の罪をすべて許してしまったのだろうか?
国民が総選挙で国政に付託したもの、その内実、それを生み出した背景…、これらをじっくり分析する必要があろう。