前回の投稿で晩酌のつまみ(肴)に触れ、「俺は同じものばかり食っているのではないか?」と書いたが、この度、「全く別のものを食っている!」という充足感を感じることになった。
娘が伊豆の一泊旅行に出かけ、土産に「しず(エボ鯛の仲間)のひらき」、「生椎茸」、「イカの生干し」を買ってきた。焼きたてのこの三種は程よい塩味が施されてあり、調味料はふるさと臼杵から着いたばかりのカボスだけ。たっぷり搾りかけたカボスの風味と調和して秋の味覚を満喫した。肉厚な「しず」の豊かな味、椎茸の野趣、大好きなイカの新鮮な味……、これぞ山海の珍味、と個性豊かな三つの味を味わった。
酒も、今週は『奥の松』を飲んでいたが秋田の『まんさくの花』純米酒に代えた。これは秋田産美山錦を60%磨いて和かに仕上げた純米酒で、ひかえめだが豊かなコメの甘味で食の味を引き立てる。いろんな食にマッチする…、この柔らかさがこの酒の個性であり、純米酒の貴重な役割ともいえる。
同じもののようでもその内実は違う。それぞれ個性を主張しながらも、様々な仲介(酒やカボスの風味など)を得て調和する。世のむつかしさ、奥深さを感じながら秋の味覚を味わった。
しずのひらき
焼き椎茸
『黒牛』純米吟醸、『天の戸』純米大吟醸もあったが、『まんさくの花』純米酒を選ぶ
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