旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

さびしい夏 … ②開かれない諸行事

2021-08-15 14:15:46 | 時局雑感



 前回、会いたい人に会えない淋しさを書いた。その原因の多くは、通常行われてきた習慣行事や例年行事がパッタリ行われなくなったことにによる。「人流」や「三密」を避けるコロナ対策によるものである。
 この傾向は何も夏に限らない。年中行事として行われてきたあらゆる祭りやイベント、諸会合や諸交流が全て消えようとしている。もちろん、コロナなんてやがては終わり、長期的に見ればこれらの伝統行事が失われることはないだろう。ところが、先の短い超高齢者(私は86歳4か月)にとってはかなり深刻な問題なのである。
 私が主宰する酒の会「純米酒を楽しむ会」は年2回の開催を計画してきたが昨年来開かれてない。先行きが見通せず準備の関係もあるので「当面無期延期」とした。参加者も高齢者が多く、ここに来ての無期延期は実質解散を意味する。多分、開かれることはないだろう。
 銀行時代の親しい仲間でつくる「心友会」は30年ぐらいの歴史を持つ文字通り“心の友”の会であるが、これも中止になって2年近くになる。コロナは心の友をも裂こうとするのだ。その他、高校、大学、銀行時代の仲間で作る同窓会がたくさんあり、これらが年間を綾なして多彩な絆を結んできた。少なくともここ一年、そのどれ一つも開かれていない。そして、その多くがこれを機に消えていくのではないかと思う。

 花火、盆踊り、海や山、旧友、… これらの集いを象徴する夏が過ぎてゆく
 何も開かれない、さびしい夏が過ぎてゆく

 
   2015年8月の東京湾華火


最新の画像もっと見る

コメントを投稿