狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

靖国参拝を巡る台中の反応

2007-06-01 13:36:17 | 県知事選

李登輝氏の靖国参拝を巡る台中の異なる対応

                  台湾研究フォーラム会長 永山英樹
                  
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/


昨日来日した李登輝氏が靖国神社への参拝希望を表明したことは、台湾でも随分話題になっているが、現地のテレビニュースでの取り扱いは、各局とも比較的に落ち着いたもので、本土派の民視の場合は、やはり靖国神社に「兄が祀られている」と言うことで、昨日はアナウンサーが微笑みを浮かべながら報道していた。今日は統一派のTVBSも、李氏が「兄の印象はフィリピンへ出征する前に家族で記念撮影をした六十年前のときのまま」と語って嗚咽したことを取り上げ、李氏が「真情を吐露した」と報じた。つまり政治性を抜きにした「暖かみ」ある報道が目立つのだ。

台湾の外交部も「個人の信仰を尊重する」として、李氏批判、靖国神社批判をするようなことはしていない。

それに比べて中国はどうか。やはり中国人と台湾人とは違うなと思う。

それと言うのは今日、この国の外交部スポークスマンは、李登輝氏の参拝問題に関し、日本政府への「強烈な不満」を表明したのだ。つまり「李登輝の訪日の目的は台独分子の勢いづけと日中関係の破壊にある。それを日本政府は許してしまった」と言うわけだ。そして「一つの中国の原則を堅持し、台独分子とその勢力にいかなる活動の舞台も提供してはならない」と。それから「日本側が台湾問題と歴史問題を適切に処理することは、日中関係の健康的な発展の基本条件だ」とも。

いったい何を言いたいのかよくわからない発言である。日本の首相が参拝するなら「中国人民の感情を傷つける」とか「日本軍国主義の復活だ」などと罵ることはできても、今回は台湾人の参拝問題だから、適当なセリフが見つからないのだろう。

おそらく李氏の参拝で、日本人が自信を回復するのが怖いのに違いない。日本軍国主義と台湾独立派の「結託」をつねに非難しているように、中国にノーを言う日本と台湾の連携を、この国が極度に恐れていることだけは確かだ。安倍首相が「日本は自由な国だから、私人として当然、信仰の自由がある。(李氏)ご本人が判断されることだ」と、中国に一切配慮のない発言を見せたことにも、相当刺激されたことだろう。

李氏の参拝希望表明で、日本では相変わらず「中国の反発必至」との報道も見られたが、今回の「反発」の場合に限っては中国の勝手な政治的都合によるものだから、日本人としてはいちいち歴史の贖罪意識を持つ必要はなさそうだ。

もっとも台湾でも、反靖国で売名に走る高金素梅議員はもとより、国民党議員が大騒ぎだ。「李登輝は歴史の罪人」などと李氏を罵っているが、やはり彼らは「中国人」だなと思う。これに対して台湾団結連盟の議員からは「兄を参拝するのは当然の人情」との反論が出たが、これが「台湾人」の落ち着きであり、良識である。

ところでTVBSの報道によると、日本の外務省も李氏に対し、「敏感な問題だから、靖国神社に関する発言はしないで欲しい」と頼んでいるのだとか。

それではそう言う外務省は、いったい「何人」なのだ。(19.5.31)

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李前総統の靖国参拝 「私人の信仰の自由」と首相
 
 安倍晋三首相は30日夜、同日来日した台湾の李登輝前総統が靖国神社を参拝する意向を示したことについて、「李氏は私人として来日した。私人として当然、信仰の自由がある。本人が判断することだ」と指摘した。李氏の来日が日中関係に与える影響については「ないと思う」と述べ、明確に否定した。首相官邸で記者団に述べた。

 また、塩崎恭久官房長官は30日の記者会見で、李氏の来日について、「今回の訪日は家族の観光旅行と学術文化交流が目的と聞いている。わが国の台湾に対する立場は日中共同声明にある通りで、李氏の訪日によって何ら影響を受けるものではない」と述べた。

(産経新聞 2007/05/30 19:43)

                     ◇

>日本の外務省も李氏に対し、「敏感な問題だから、靖国神社に関する発言はしないで欲しい」と頼んでいるのだとか。

安倍首相の「李氏は私人として来日した。私人として当然、信仰の自由がある。本人が判断することだ」

との明確なる発言ににもかかわらず、

靖国について発言もするなと戯言をぬかす屈中外交官は即刻名前を挙げて首にすべきだ。

それに引き換え,当の李氏はまことに堂々としている。

30日午後、都内で記者団に対し

中国が靖国問題(の批判の矛先)をわたしに持ってくるのはおかしい。全然事情が違う」と中国の筋違いな言いがかりを指摘していた。(5月30日 共同)

 

 記者の質問に笑顔で答える台湾の李登輝前総統=30日午後、東京都江東区

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後藤新平と李登輝前総統

2007-06-01 08:33:55 | 県知事選
【産経抄】

 「世界があっと驚く駅を造れ」。大風呂敷のあだ名で知られる鉄道院総裁、後藤新平の号令のもとで、大正3(1914)年に東京駅は完成した。全長335メートル、赤レンガを積み上げた巨大建築を目の当たりにして、人々は度肝を抜かれたに違いない。

 ▼明治の後半まで丸の内界隈(かいわい)には、茫々(ぼうぼう)たる草むらが広がり、夜になると大の男も1人では怖くて歩けなかった。開業後の1日の平均乗降客も1万人足らずにすぎない。93年後のいまでは、利用客は90万人をこえ、手狭に思えるほど。後藤は今日の混雑を見通していたのだろうか。

 ▼設計にあたったのは、日本近代建築の祖といわれる辰野金吾だ。もっとも「辰野式ルネサンス」と呼ばれたデザインは古くさいと、専門家の評価は意外に低かった。にぎわいのある八重洲側には乗降口がなく、日本橋や京橋方面からは、遠回りしなければならない不便な造りでもあった。

 ▼関東大震災には耐えたものの、昭和20年5月の空襲で、3階部分と円形ドームを焼失した。戦後の混乱期では、2階建てにとんがり屋根という応急修理を施すことで精いっぱいだった。昭和30年ごろからは、何度も高層ビルへの改築計画が持ち上がる。

 ▼実現しなかったのは、規制の問題や資金不足もあったが、何より「東京のシンボルを残したい」という声が根強かったからだ。確かにガラスだらけで、似たり寄ったりのノッポビルが乱立するなか、ますます存在感を増している。

 ▼約500億円かけて、創建時の姿に復元する工事がついに始まった。5年先の完成を心待ちにしながら、平成という時代のことを思う。100年後に復元を望まれる建物と、その先見性をたたえられる政治家を生み出すことができるのだろうか、と。

(2007/06/01 05:01)

                     ◇

2007/05/31-18:11 時事通信

「奥の細道」の旅スタート=李・前台湾総統、芭蕉記念館を訪問
 日本に滞在している台湾の李登輝前総統は31日、曽文恵夫人らとともに東京都江東区の芭蕉記念館を訪問し、長年の念願だった「奥の細道」の旅をスタートさせた。
 李氏は6月1日に明治・大正時代の政治家、後藤新平の生誕150周年を記念して創設された「後藤新平賞」の授賞式に出席。翌2日から6日まで松尾芭蕉がたどった「奥の細道」ゆかりの東北地方を訪れる。
 記念館では山崎孝明江東区長らの案内で館内を見学。「深川に 芭蕉を慕い来 夏の夢」と自作の俳句を詠み、その後、芭蕉が居を構えた隅田川沿いの周辺を散策した。

                     ◇

 ◆【正論】国際教養大学理事長・学長 中嶋嶺雄 李登輝博士来日に期待する|正論|論説|Sankei WEB

(略)

 ≪講演「後藤新平と私」≫

 思えば、李氏の訪日を期待する動向や世論は、すでに長年のものであった。「アジア・オープン・フォーラム」においては、早くも1992年の京都会議でかなりの準備をし、内閣官房や外務当局にも理解を求め、東京を訪れないことを条件に、その実現が見通せたのだが、天皇皇后両陛下の訪中と時期が重なることによって実現しなかった。この間、李氏は3度にわたって訪米し、訪英・訪欧も続いたのだが、肝心の訪日は実現しなかった。2000年秋の「アジア・オープン・フォーラム」松本会議に際しても、今は亡き亀井正夫氏や武山泰雄氏ら同フォーラムメンバーの強い要望にもかかわらず実現せず、映像による参加にとどまった。昨年5月には、ほぼ今回と同じ日程で来日が予定されていたが、李氏が軽い肺炎で主治医から安静を命じられ、延期されたのであった。このような経緯ののちの今回の来日なのである。

 本年は台湾の治世に歴史的な貢献をなした後藤新平生誕150周年に当たり、「後藤新平賞」が設けられることになった。その第1回受賞者に李氏が選ばれたのである。巨大な事業に献身した後藤新平の業績に学ぶという意味で、台湾の近代化、とくに民主化に献身した李氏はまことにふさわしい人物である。李氏は6月1日の授賞式に出席し、「後藤新平と私」と題する受賞記念講演を行う予定であるが、その中身は李氏ならではの格調の高い後藤新平論になるであろう。(略)

 (2007/05/23 06:26)

                       ◇

 

2007/05/08-17:13 李登輝氏に「後藤新平賞」=本人が授賞式出席へ
 明治・大正時代の政治家、後藤新平の生誕150周年を記念して創設された「後藤新平賞」の第1回受賞者に8日、台湾の李登輝前総統(84)が選ばれた。評論家の粕谷一希氏や出版社社長の藤原良雄氏らでつくる「後藤新平の会」が発表した。李前総統は来月1日、東京都内での授賞式に出席し、講演を行う予定。
 同賞は、故後藤新平元内相が100年先を見通した政策により、人を育てながら地域や国家の発展に寄与したとして、同じような業績を残した国内外の人物を対象に授与。毎年1回表彰する。
 李氏は台北市長や総統などを歴任。「後藤の仕事と精神を継承し、台湾近代化の発展に貢献、台湾島民を代表する存在」として受賞が決まった。後藤氏は台湾総督府の民政長官時代に、上下水道などのインフラ整備を進めた。 (時事通信)

 

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