ウソの上にウソを重ねる弁護団に
「弁護士として恥ずかしくないのか」と
テレビで御馴染みの大沢弁護士が叫んだ。
光市母子殺人事件の被告人尋問の話である。
確か橋元弁護士も同じようなことを言っていた。
本事件に限って言えば「嘘つきは泥棒より恥」という言葉があってもおかしくは無い。
「どらえもんが何とかしてくれる」
「魔界転生」
「母胎回帰」
「死者復活の儀式」
と言った奇妙キテレツな弁解を聞いたとき、滅多に使ったことの無い言葉が思わず口をついて出そうになった。
「うっそー!」
被告人の証言がウソというより、安田弁護士が真顔でこの証言を説明している事実に「うっそー!」と思ったのだ。
「嘘も方便」というが、この場合の弁護団のウソに同意する人は少ないだろう。
だがウソはウソでもヤンキースの松井選手がついた小さなウソには心が洗われる。
あのいかつい顔をした松井ゴジラにこのような優しい“心ばえ”があったとは。
“心遣い”と書きたいとこを“心ばえ”という言葉で松井を賛辞した。
日本人の忘れかけた言葉と文化だ。
こんなコラムを書く筆者に脱帽。
北国新聞コラム 2007年6月29日
ヤンキースの松井秀喜選手の調子がおかしい。ついこの間まで快音を連発し、「夏場に強い男」と、評論家が口をそろえていたはずなのに
野球を熟知する評論家でも読み切れないのが、一流選手の心と体ということだろうか。天気予報なら「外れ」は失点となるが、それをとがめられないのが、この種の評論家や解説者。かえって、なぜ外れたかを講釈して済ますこともできる。不思議な職業である
もう時効だろうから、と小紙の松井番記者が明かした、ちょっといい話。スランプに悩む松井選手が愛用のバットを代えて当たりを取り戻した。「代えましたね」と、聞いたところ、「いいや」という返事
後になって、小さなうそを認め、「打てないのをバットのせいにしたくなかったんだ」。自分のために心血を注いでバットを作る職人のことも思いやっての「いいや」だった、とも打ち明けた
代えたバットに加え、そんな心ばえがあったからこそ実現したスランプ脱出だった。評論家や解説者のおしゃべりからは分からない野球の楽しさである。こんないい話が生まれるのなら、たまにはスランプに悩むゴジラ君がいてもいい。
【蛇足】心ばえ(日本人が忘れつつあるもの)
心葉(こころば)のこと。http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/co-2002-12-8-2-3.htm
要するに「心葉」というのは、自分が大切にしたいと思っている相
手に対し、その気持ちを伝えるための添えもの なのではないか
しら? というのが、とりあえずの結論です。
現在でも、大切な人に贈り物をする時は、中身に気を配るだけで
なく、ラッピングにも心をこめますが、そういう贈り主のセンスを示
すものとして、この「心葉」は使われていたように思われます。