狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

安倍前首相の遺産とシーヌガレの福田首相

2008-05-14 16:39:52 | 県知事選

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 「相手の嫌がることはしない」を外交の信条とする福田首相は、

レンタル・パンダでシーヌガレて、腰砕け外交に終始した。

二年前の2006年、小泉元首相は靖国参拝を公言し、首相最後の参拝は8月15日に行い、日本が中国の属国ではないこと内外に示した。

結果的には「相手(中国)の嫌がることをしたわけだが、靖国参拝は日本人の心の問題であり、中国がとやかく言う方がおかしいとした小泉首相の毅然とした態度は、国民の圧倒的支持を得た。

つまり、小泉元首相は「相手の嫌がることをした」が、国民の圧倒的支持を得たのである。

8月15日の参拝直後、小泉首相は記者の問いに、次のように答えた。

(8月15日に参拝した理由を問われて)
 ≪15日だろうが、13日だろうが、4月だろうが、10月だろうが、1月だろうが、いつ行っても批判してるじゃないですか。いつ行っても同じです。

1つの問題で首脳会談を行えないのはいいのかどうか。

私は日中友好論者ですよ、今まで。話し合いをしてきましたよ。≫

更に首相官邸で改めて記者会見を持ち、中国が首脳会談を拒否していることに対して、次のように批判した。

≪日本の首相は民主的に選ばれている。 その日本の首相が日本国内の如何なる設備を参拝しようとも中・韓にとやかく言われる筋合いはない。

中・韓は日本の国連安保常任理事国入りに反対しているが、だからと言って私が両国の首脳と会うことを拒否したらどっちを批判しますか? 私は意見が違う国の首脳とでもいつでも会います。≫

 

 

胡・中国主席:歴代首相と朝食会 安倍氏「チベット」指摘
http://mainichi.jp/select/world/news/20080508dde00703005
8000c.html

 来日中の中国の胡錦濤国家主席は8日午前、東京都内のホテルで、中曽根康弘元首相ら首相経験者との朝食会に出席した。胡主席はあいさつで「中日関係は両国にとって最も重要な2国間関係の一つ」と強調したが、安倍晋三前首相は「チベットの人権状況を憂慮している。ダライ・ラマ14世側と中国政府の対話は評価するが、五輪を行うことでチベットの人権状況が改善されることが重要ではないか」と述べた。

 指摘に胡主席は特に答えなかったという。安倍氏は首相当時の06年10月に訪中し、両国の首脳往来の再開につながった。一方、靖国神社参拝を続け首脳往来が途絶えるきっかけになった小泉純一郎元首相はこの日の朝食会を欠席。安倍氏が「参加して苦言を呈する」手法をとったことで、小泉氏との違いが目立った。朝食会には中曽根、安倍氏のほか、海部俊樹、森喜朗元首相も出席した。

 その後胡主席は国会内で、河野洋平衆院議長、江田五月参院議長とそれぞれ会談。両氏ともチベット問題に直接言及しなかったが、河野氏は「中国国内の問題は中国の主権で合理的に処理すると思う」と間接的に解決を促した。江田氏も「中国にも国際社会の厳しい目があるが、五輪を成功させてほしい」と述べた。【須藤孝】

毎日新聞 2008年5月8日 東京夕刊

                     ◇

安倍晋三前首相は「チベットの人権状況を憂慮している。ダライ・ラマ14世側と中国政府の対話は評価するが、五輪を行うことでチベットの人権状況が改善されることが重要ではないか

>指摘に胡主席は特に答えなかったという。

安倍前首相の発言で会場の雰囲気が一変した。

その発言の要旨は次のようであった。

<戦略的互恵関係の構築に向け、相互訪問を途絶えさせない関係をつくっていくことが重要だ。国が違えば利益がぶつかることがあるが、お互いの安定的関係が両国に利益をもたらすのが戦略的互恵関係だ。問題があるからこそ、首脳が会わなければならない。

これは、冒頭に述べた小泉元首相の靖国参拝をめぐり中国側が首脳交流を 途絶えさせたことを暗に批判したもの

安倍前首相は、チベット問題に言及した後、会場には緊張感が走り、出席者はみな一様に黙り込んだ。 

他の首相経験者が揃っておべんちゃらを言う中で、「相手の嫌がるここと」に触れた安倍発言で、会場が凍りついたのだろう。

だが、安倍氏はこれにひるむことなく、さらにウイグル問題にも言及してこう続けた。


<これはチベットではなくウイグルの件だが、日本の東大に留学していたトフティ・テュニヤズさんが、研究のため 中国に一時帰国した際に逮捕され、11年が経過している。彼の奥さん、家族は日本にいる。無事釈放され、日本に帰ってくることを希望する。>JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

>、日本の東大に留学していたトフティ・テュニヤズさんが、研究のため 中国に一時帰国した際に逮捕され、11年が経過している。

日本のマスコミが報じないことを、安倍氏は敢て問いただした。

これには胡主席は調査すると答えたが、マスコミのフォロー記事を期待したい。

安倍ぇん首相の突込みを、KYで空気の読めないお坊ちゃま発言と批判するブログがあったが、

そんな空気なら読まずに凍らした方が効果はてきめんだ。

空気どころか、風ばかり読んでいた「風見鶏」よりよっぽどましだろう。

安倍前首相の正論に拍手を送りたい。

安倍氏の功績を「日中共同声明」はほとんど安倍内閣の遺産 より引用。

≪日中間でこれまでに取り交わされた合意文書をめぐっては、双方の国益と主張がぶつかり合い、激しい議論の応酬と駆け引きが繰り返されてきた。そうした中でつくられた今回の日中共同声明は、比較的に日本側の意向が反映されたものだと評価できる。ただ、それは福田康夫首相の成果というよりも、安倍政権の「遺産」という側面が大きい。

 「安倍内閣時代の一昨年10月と昨年4月の日中共同プレス発表で表明した立場を確認し、塗り固めた」

 外務省筋もこう文書の性格を解説する。共同プレス発表で示された日中関係の道筋を、中国の胡錦濤国家主席来日のタイミングでより拘束力の強い政治文書に格上げしたというわけだ。 そもそも、共同声明の題名に盛り込まれた「戦略的互恵関係」という言葉自体が、目指すべき両国関係のキーワードとして「互恵関係」を考えていた安倍晋三前首相と、それに「戦略的」と冠した外務省の合作だ。福田首相は就任当初、「安倍氏の政策イメージが残るこの言葉を使用することに抵抗を示した」(政府筋)というほどだ。≫

 

>安倍氏は首相当時の06年10月に訪中し、両国の首脳往来の再開につながった。

>一方、靖国神社参拝を続け首脳往来が途絶えるきっかけになった小泉純一郎元首相はこの日の朝食会を欠席。

>安倍氏が「参加して苦言を呈する」手法をとったことで、小泉氏との違いが目立った。

 

小泉氏は、首相の靖国参拝への中国の理不尽な干渉に毅然とした態度で「正論」を貫いたが、相手に非があるとはいえ、首脳会談中断という負の遺産を作った。

一方、安倍氏は「靖国を参拝するとも、しないとも言及せず」、首脳会談を復活させ小泉の「負の遺産」を精算した。

そして、安倍氏の「正の遺産」でシーヌガレて、腰砕けになった福田首相に成り代わって「相手が嫌がっても、言うべきことこと」を、ビシッといった。

「(両国に)問題があるからこそ、首脳が会わなければならない。」

これは小泉元首相⇒安倍前首相、と受け継がれたバトンのはずだが、福田首相はこのバトンを取り違えた。

「首脳が会ってもオベンチャラで済ます」といった有様だ。

ちなみに「シーヌガレル」とは、沖縄語で「腑抜けになる」を意味し、「精を抜かれる」という極めて直截な表現。

なるほど、精を抜かれては腰砕けもむべなるかな、である。

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