人気blogランキングへ クリックお願いします
郵便制度悪用事件で大阪地検特捜部は15日午前、東京・霞が関の厚生労働省と、同省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)=虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕=の埼玉県和光市の自宅マンションを家宅捜索した。同省への捜索は2度目。同事件では、民主党議員の名前も浮上しており、民主党は「第2の西松事件に発展するのでは」と警戒している。
村木容疑者は、同省障害保健福祉部企画課長だった2004年6月、障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)が、割引制度の適用条件を満たしていないのに、部下の同課係長、上村勉容疑者(39)に企画課長の公印を押した虚偽の証明書を作成させた疑いが持たれている。
捜査関係者によると、村木容疑者の上司だった当時の障害保健福祉部長(57)は、虚偽の証明書発行について、任意聴取に「04年2月ごろ、国会議員から電話で頼まれた」と証言しており、特捜部は「政治案件」として組織的に便宜が図られていたとみて経緯を調べる。
特捜部はまた、「凛の会」代表の倉沢邦夫(73)=郵便法違反罪で起訴=、同会発起人の河野克史(68)両容疑者を同容疑で再逮捕した。
関係者によると、上村容疑者はこれまでの調べに証明書の偽造を認めたうえで、「村木容疑者に手渡した」といい、虚偽の証明書を郵便事業会社(日本郵便)に提出した倉沢容疑者も「村木容疑者から証明書を受け取った」と供述している。
村木容疑者は「全く知らない」と否認しているという。
倉沢容疑者は、かつて民主党の石井一副代表の私設秘書を務めていたうえ、白山会会長側は同党の牧義夫衆院議員側に24万円を献金していた。
このため、民主党幹部は「民主党議員が関係者として実名で報道されているのは知っている。常識的には、特捜部も総選挙前には(政界ルートに)動かないだろう。ただ、西松事件の前科がある。ここまで内閣支持率が下落すると、政権維持のために禁じ手に踏み込む可能性もゼロとはいえないかもしれない」と警戒している。
(ZAKZAK 2009/06/15)
◇
ネットの普及で、ニュース報道では新聞も「旧聞」になりつつあるが、昨日の新聞休刊日でますますその感を深くするのが「厚労局長逮捕」のニュース。
今朝の沖縄タイムスはこれを一面と、社会面で取り上げているが、いかにもタイムスらしいのは社会面記事。
関係者の話として、この手の事件で贈収賄事件に発展するのだが、金のにおいどころか「理想の上司」「女性キャリアのかがみ」とし、「利得がないままの立件はどうか。キャリアの人生を終わらせていいのか」「上司らの意向を汲んだもので積極性はない」との検察内部の少数意見を紹介している。
全国各紙にも村木容疑者のことを、「仕事も出来るし人柄もよい」とか「働く女性の希望の星」といった情緒的報道をして、局長逮捕が不当であるかのような印象操作をしている新聞もある。
だが容疑事実は、福祉を食い物にする政・官・業の「腐食の構図」に加担したということである。
安倍元首相は「鳩の乱」を称して「正義と悪の問題ではない」といったが、村木容疑者のやったことこそ「正義と悪の問題」である。
被告の人柄や、仕事振りを問題にすべきではないはずだ。
人間の評価には必ず両面があるもので、高知大学という比較的マイナーな地方大学卒で、キャリア官僚の中でも次官を狙うようなエリートコースを勝ち抜いてくるには、人柄や仕事が出来るだけでは困難だろう。
当然、村木容疑者の「仕事が出来る」の裏には別の隠されたが顔があった。
<都内の障害者団体の男性理事は「仕事熱心だが、手段を選ばないところがあった」と明かす。この団体は法案に一貫して反対していたが、同課が与党への説明用に作ったチラシでは「賛成団体」にされていたという。男性は「村木さんからは『名前を載せる』としか説明されなかった。偽造とは言えないが、だまし討ちだ」と憤り、「普段は柔和だが怖い一面もあった」と話す。
村木容疑者の夫は同じ厚労省のキャリア官僚で、省内では「出世頭の夫を“利用”して自分も出世した世渡り上手」との評もある。また、「高知ではかなりの有名人」(関係者)で、選挙が近づくたび、名前が浮上し、出馬を要請されこともあったという。>⇒「手段選ばない」「世渡り上手」…女局長“裏の顔”
◇
>倉沢容疑者は、かつて民主党の石井一副代表の私設秘書を務めていたうえ、白山会会長側は同党の牧義夫衆院議員側に24万円を献金していた。
現役の局長が逮捕になったのだから、当然疑惑の渦中にいる議員は、任意ででも事情聴取すべきとは再三述べてきた。
これらの「ネット世論」に対して民主党側は次のような予防線を張っているが・・・。
「民主党議員が関係者として実名で報道されているのは知っている。常識的には、特捜部も総選挙前には(政界ルートに)動かないだろう。ただ、西松事件の前科がある。ここまで内閣支持率が下落すると、政権維持のために禁じ手に踏み込む可能性もゼロとはいえないかもしれない」(民主党幹部)
何度もくり返すが、疑惑があれば事情聴取するのは検察の仕事。
これを政局云々で引き延ばしたら、それこそ「国策捜査」そのものではないのか。
禁じ手?
検察の通常業務である事情聴取を、いったい誰が禁じ手だというのか。
疑惑の解明に捜査を進めていたら、倉沢容疑者から上村元厚労省係長、そして遂に現役の官僚にまでたどり着いた。 その捜査の過程で民主党議員の名前が出てきたら、検察としては疑惑の解明のためには議員の事情聴取をするのが当然だろう。
これを禁じ手とか国策捜査と呼ぶ方が、何か脛にキズがあるからではないか。
後ろめたい気持ちがなければ、いつでも事情聴取に応じて身の潔白を証明すればよいではないか。
民主党の狼狽ぶりは、脛にキズありの証左ではないのか。
それにしてもマスコミは腰が引けているね。