狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

NHK特番の感想 【重要付記】あり!

2009-06-23 21:00:00 | ★集団自決

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文末に【付記あり】

6月22日放映のNHK、「“集団自決”戦後64年の告白~沖縄 渡嘉敷島から」を途中からしか観てなかったので、コメントを避けていたが知人の録画したのを見せてもらった。

予想通りとはいえ、過去に何度も登場した金城重栄、重明兄弟の手垢のついた「証言」を繰りかえしただけの陳腐かつ安易なな番組構成にコメンの必要もないと思ったのだが・・・。

保存記録として感想を記しておく。

全編を通じて、昨年年8月29日放映の≪九州沖縄スペシャル“集団自決”~沖縄渡嘉敷島 兄弟の告白~≫の焼き直し番組で、唯一の変化は、兄の重栄氏が認知症になりかけて、現在は一人渡嘉敷を離れて那覇で入院生活を送っていること。

証言の主役は兄・重栄氏であったが、認知症で記憶を失いかけた重栄氏に、NHK担当者が無理やり用意した証言を言わそうとしているという印象を避けられなかった。

同じ年の2月1日19時30分に放映されたNHK「渡嘉敷島の集団自決」も、金城重栄、重明兄弟が証言者として登場している。

実はNHKが渡嘉敷島の集団自決特集の為取材を始めた頃、渡嘉敷出身の知人から次のような連絡が入っていた。

<NHK取材班は渡嘉敷島在住でで軍命があったと証言するのは、金城重栄氏と吉川嘉勝氏と数人の取り巻きしかいないが、また金城兄弟ではないだろうね>と。

予想は的中し、重栄氏が口にしていない文言も、ナレーションで勝手に「補作」していたし、戦陣訓の文章を画面にアップで映して「生きて虜囚の云々」の部分に光を当てて、アナウンサーが朗読し「これが重栄さんにとっての軍命だった」とナレーションを入れた。

何のことはない。 これでは認知症の老人をNHKスタッフが取り囲んで予定した証言を言わそうとしているのが画面からミエミエではないか。 

それも上手くいかないので、戦陣訓の文言を画面に映し、「これが彼にとっての軍命だった」とは、NHKもとんだ猿芝居演出したものだ。

 

参考までに昨年6月放映ののNHK番組を見た感想引用するとこうなっている。

<同番組を見た感想ですが、特に目新しい証言はなかったが、

次の2点は、既知の事実とはいえ、天下のNHKが放映したということで重要な意味を持つ。

①父親殺害の告白

これまで金城重明氏は「親兄弟」という表現で母親と弟、妹を殺害したことは繰り返し告白してきたが、父親のことは逃避行中はぐれてしまい、どこかで不明死したと述べていた。

それが雑誌『WILL』増刊号でジャーナリストの鴨野守氏が、父親も殺害した事実をレポートしたため、隠せないと思ったのか今回の番組では父親殺しもカミングアウトした。

数ある集団自決の証言では、一家の主が年寄りや女子供を殺害したという例はあるが、壮年と思われる父親をその子供が殺害したという例は未だないし、少なくとも筆者は知らない。

金城兄弟が、「親兄弟を手にかけた」といいながら、長いこと「父親殺し」を隠していた理由は一体なんだったのか。

勿論、番組ではこれには触れていない。

更に兄弟は、自分の親弟妹だけではなく、他の村人も数多く殺害している。

②金城重明氏は島で毎年行われる戦没者慰霊祭には一度も参加したことはなく、
島に住む兄の重栄氏は慰霊祭の日を避けて一人でそっと参拝していた

これも知る人ぞ知る事実ではあったが、今回NHKが本人たちに取材した結果、確実な情報となった。

この事実から、二人が渡嘉敷島では村八分状態であることがわかる。

遺族としては、敵である米軍の攻撃で死んだのなら諦めもつくが、同じ村の兄弟に自分の肉親が殺害され、しかも加害者が揃って生きている事実には耐えられないのであろう。

村人の突き刺さるような怨嗟の視線を背に受けると、金城兄弟としては、何が何でも「軍の命令だった」と言い続けなければ、戦後生きてはおれなかった。

すくなくとも、6人家族のうち、兄弟二人で、残りの四人を皆殺しにしたのなら、計算上は四人分の「援護金」が遺族である兄弟二人に支給されていることになる。(未確認)

自分の手で殺害した父母弟妹の「遺族援護金」を金城兄弟が受けているとしたら・・・・・・・・、

どんなことがあっても、軍に責任転嫁しなければ生きてはいけなかったのだ。

 
                    ◇
 
金城兄弟の「軍命あり論」は裁判でも否定されているので、ここでは詳しく述べないが、その破綻した「軍命あり論」を繰り返し放映しなければならないほど、軍命あり論派は追い詰められてきたのかと感じるような中身の無い番組だった・・・これが番組を見ての偽らざる感想である。
 
【付記】
 
渡嘉敷出身の知人から「NHK特番」を観た感想をいただきましたので、紹介します。
 
数少ない「軍命あり派」のなかでも出たがり屋といわれる元教師の吉川嘉勝氏が画面に出なかったのが不思議なようです。
 
やはり、早い時期に現地聞き取り調査をした星雅彦氏の告発が影響したのであろうか。
 
太字強調は引用者。
 
兄弟の周りにいる殺された人たちの親族、あるいは殺されかけた人たちが、あえて口からださなかったこと「惻隠の情」を加害者の側が無視して、呪縛から逃避し自己を正当化するためマスコミに登場(利用)したことは、地域においては受け入れられないと思います。
那覇で暮らす弟の方は創り上げた環境の中で生活できるからまだ良い方で、
島で暮らす兄の方は自己主張すればするほど、地域の人たちから離れていくことになると思います。

NHKはかなり前から2週間に1度程度は来島していたようですが、何をしていたのでしょうか?
あれだけ力を入れてあの程度の内容では、逆に驚きです。証言で登場した方達もでたがりで理由ありの人だけで、「あの人だったら言うだろう」と思います。
それにしても、吉川弟が画面に出なかったこと、あれだけの取材で彼らに都合の良い新しい証言が一つとして無かったことは、やはり命令なんて聞いた人はいなかったことの究極の
証明だと思います。

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沖縄戦「集団自決」の謎と真実
秦 郁彦
PHP研究所

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続・軍官民共生共死の大嘘!ドラマ「刑事一代」を観て

2009-06-23 07:25:56 | ★集団自決

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実在の名物刑事平塚八兵衛を描いたテレビドラマ「刑事一代」を二日に渡って観た。 主演の渡辺謙の入魂の演技もさることながら、実際に起きた事件の捜査過程を再現したドラマに、小説ドラマにはない無い迫力を感じた。

ドラマは、幾つかの有名な事件と平塚刑事との関わりをドキュメンタリータッチで追っていくが、特に「吉展ちゃん誘拐事件」の犯人小原保の鉄壁とも思われていたアリバイを崩し自白に追い込んでいく様子は、作りものの刑事ドラマには無い感動さえ覚えた。

犯人小原のアリバイを証言する人々はいずれも純朴な田舎の年寄りがほとんどで、自分の記憶を頼りに証言しており、故意にウソをついた証言者は一人もいなかった。

「オジー、オバーはウソつかない」という神話はこのドラマにもあったのだが・・・。

前任の刑事は同じ証言で、犯人小原のアリバイを認めた結論を出していた。

平塚刑事が周囲の、「時間の無駄だからやめろ」という声を尻目に再度アリバイ調査をし、証言者の記憶のほころびから、遂に犯人の鉄壁のアリバイ(非存在証明)を突き崩す。 

そして犯人にはこれを伏せたまま、一方のアリバイ(存在証明)を犯人との雑談の中の不用意な一言かから立証する。

そして犯人を自白に追い込んでいく様子は、刑事役渡辺と犯人役萩原の息も詰まる名演技も相まって、圧巻であった。

ウソをつく気のない善意の第三者の証言でも、聞き取り調査した者の資質の差により、結論が斯くも異なるものだと改めて感じ入った。

沖縄戦の証言で「オジーオバーはウソつかない」という迷文句はさておいても、最近の「金武町米軍流弾事件」の調査で、県警と米軍では事件発生日に丸一日の差異があった。

米軍は、「証言が間違い」だと主張していたが、その後は県警もマスコミも沈黙したままで、アリバイ証言を現場検証する様子はない。

そして「米軍に理解した貰った」という奇妙な形の政治決着でウヤムヤになったようだ。

先に発表した県警の「事件発生日」に、真っ向から異論を唱えたのは米軍側だったので、米軍の調査団には平塚刑事のような敏腕刑事がいたのだろうか。

                   ◇

 

 第32軍司令官牛島満中将は昭和19年、沖縄に着任した時、「軍官民の共生共死を命じた」というウソは沖縄の新聞では歴史の事実として当たり前のように語られる。

だが、これが真っ赤なウソであることは前回述べた。

二つの地方紙が口裏を合わせ、元琉球大学教授で国会議員まで勤めたて元県知事までもが、このようなウソを連日大合唱すれば、ウソも「通説」となる。

そのウソの「通説」が「集団自決訴訟」の一審、二審判決に大きな影響を与えたわけだから、「軍官民共生共死」プロパガンダ活動は一応の成果をあげたことになる。

■軍命あり派の最後の砦■

集団自決訴訟の一審、二審とも原告敗訴で『沖縄ノート』の出版差し止めには失敗したが「両隊長が集団自決を命令したあるいは強制した」という汚名はそそがれ、両隊長の名誉回復は事実上成功した。

そこで被告側が取った手段は「両隊長の命令の有無は問題ではない」そして「軍のタテの構造に仕組まれた命令」というすり替え論である。

隊長命令の有無は問題ではないと言いながら、集団自決の責任を軍に被せるためのキーワードが,「軍官民共生共死」である。

隊長命令を立証できなかった被告側は「悪逆非道」の日本軍を追及する最後の砦が「軍官民共生共死」のスローガンである。

一人歩きを始めたこのウソは、沖縄のマスコミを飛び出して田嶋陽子氏のような無知な女の口を通じて全国にばら撒かれる。
 
今年の二月に放映された「やしきたかじんそこまでやって委員会」に出演していた田嶋陽子氏が、
 
「集団自決は軍の命令」の根拠として「軍官民共生共死」を大声で連発していた。
 
ゲスト出演していた小牧薫・大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会事務局長が田嶋氏の「軍官民共生共死」の連発に、わが意を得たりとばかり、次のような発言をした。
 
・・・・田嶋さんが『軍官民共生共死の一体化』を言ったが、それは昭和19年7月に牛島満中将が沖縄守備軍第32軍司令官として着任した時に打ち出した。軍人も公務員も民間人も生きるも死ぬもいっしょだ、最後まで戦って死ぬんだという方針を徹底させた。そしてその前にサイパンの居留民について、玉砕する前に、陸軍では2万4000人の始末をどうするかという議論をしてる。玉砕してもらいたいという話も出るが、しかし軍隊が命令して『死ね』というのは難しい。だから自害してくれればいいが、最後は敵の手に落ちても仕方ないということを、陥落前に陸軍参謀本部では話してる。全体としては戦時訓や『軍官民共生共死』の方針があって、沖縄守備軍は沖縄県民を守ろうとして行ったのではなく、戦争を長引かせようとして行った。その軍隊の司令官から座間味と渡嘉敷の守備隊長に向けて命令が出される。隊長は直接住民に命令を出すのではなく、村の兵事主任、座間味では助役であり防衛隊長になった宮里盛秀さん、その人を通じて住民に伝えられる」(2009年2月15日放送「やしきたかじんそこまでやって委員会」での小牧氏の発言)
 
決戦を前にした司令官の訓示を、住民の自決命令に摩り替える小牧氏の「軍命論」は数多い軍命論の中でも極めて珍しい幼稚な議論である。 
 
おそらく小牧氏は、田嶋女史の繰り返し叫ぶ「軍官民共生共死 」論に引き込まれて自爆したのだろうか。
 
すかさず勝谷氏が、司令官の命令の伝達経路、つまりどのように軍命が住民に伝わったかをツッコンダ。
 
司令官が住民に繰り返し「共生共死」を住民に染みこませことが自決命令という主張は、小牧氏の勝手な推測であり、
 
命令が住民に達するまでの伝達経路の曖昧さは、これまで多くの研究者が解明できなかった重要なポイントである。
 
小牧氏は「司令官⇒島の隊長⇒兵事主任(村役場の助役)と軍命は伝わった」と苦し紛れに答えたが、
 
人間の生命に関わる自決命令が村の助役の口から間接的に住民に伝わるというのも不自然だし、助役の軍命もすべては伝聞と類推であり、小牧氏も認めるとおり軍命を下した宮里盛秀氏も死亡しているので直接軍命を聞いた者は皆無である。
 
勝谷氏が、牛島司令官から村の助役に自決命令が伝わったという小牧氏の詭弁に、勝手な推測だとツッコミを入れたのはアッパレだった。
  
小牧氏が答えられずにオタオタしたが、 元々沖縄サヨクが捏造した「自決命令」なので説明できるはずはない。
 
更に勝谷氏は「『沖縄ノート』は戦後最悪の本だ」と批判し、司会の辛抱氏が「じゃあ小牧さんは『沖縄ノート』についてはどうお考えですか?」と質問した。
 
すると小牧氏は「内容については一定の批判があります」。
 
「売れない評論家」が崇め奉る大江健三郎氏の問題の書『沖縄ノート』を、
 
肝心の「大江・岩波裁判」の被告支援事務局長が、批判したのである。
 
この意外な展開には、驚く前に吹きだしてしまった。
 
                    *

「隊長命令」というウソを通説に仕立て上げた手段の一つにスローガンがある。

例えば「沖縄戦の教訓は、日本軍が住民を守らないことだ」とか。

あらゆる機会を捉えてこの呪文のような合言葉を唱えてきた。

こんなとこでも⇒沖縄戦の記憶=「軍隊は住民を守らない」という教訓

米軍が上陸作戦を始める前年の1944年。

日本軍は本土、台湾、そして本島北部へ住民を疎開する計画を実行した。住民が戦火に戦火に巻き込まれないように。

それが軍の意図とは逆に上手くいかなかった。

色んな要素が絡み合った。

住民の一部に疎開や避難を卑怯者だとする煽るものがいた。

事前行動の苦手な県民性も疎開の足を引っぱった。

それが悲劇を生んだ。

これが事実であり、その結果予定したほど住民を守れなかったのだ。

その辺の事情は当日記でも再三述べてきた。

ウソの「通説」 軍隊は住民を守らない

破綻したウソの通説を最後の砦として死守する必死の努力は、既に一昨年の沖縄タイムス記事にも垣間見れることが出来る。

沖縄タイムス(07年4月30日朝刊総合1面)

攻勢かける戦争肯定派
否定されかねない「軍隊は住民守らず」

 < 「今回の『集団自決』の軍関与削除は、戦争肯定派が攻勢をかけ、昨年まで認められていた『集団自決』をひっくり返し、事実と違うと言い始めるなど極めて強行だ」と批判する。

 このような事態の中、今後沖縄戦はどのように学ばれるべきなのか。「沖縄戦を十五年戦争の中に位置づけて理解しないと、これまでの日本軍の加害を消そうとする教科書攻撃の流れの中で、問題の本質を理解するのが難しい」

 その上で日本軍「慰安婦」、戦後補償の在り方など加害責任、特にこれまで欠けていた天皇制の問題を含め学ぶ方法を確立する必要があると、強調する。

 また、沖縄戦記述の危機は「集団自決」にとどまらないと指摘する。「今後、日本軍による『住民の壕追い出し』『住民殺害』否定の動きが出てくるだろう。自由主義史観研究会ら歴史修正主義者は『集団自決』裁判の結果を待たずとも今検定で、自らの主張で教科書を覆い尽くすことができた」

 「沖縄戦の『軍隊は住民を守らない』という教訓、そして二度と戦争を起こさないという願いも否定されかねない」と警鐘を鳴らす。(編集委員・謝花直美)>

                    ◇

ウソで塗り絡めた虚偽のダムは、今年に入って真実という水圧に耐えかね、そしてダム決壊の恐怖に脅えて悲鳴を上げ始めた。

軍命あり派の最後の砦「軍官民共生共死」は既に決壊した。

そして『軍隊は住民を守らない』というスローガンを守ることも不可能な状況にある。

                                       

毎年この時期になると「平和教育」と称して「悪いのは日本軍のせい」といった呪詛がくり返される。

ウエイン・W・ダイアーという心理学者はこういった.

「過去のせい、誰かのせい」を捨てたときから、 
   
           人生は好転する。

【追記】

例年この時期の新聞は同じような「残虐な日本兵」の特集なのだが、試しに昨年の記事を見たら、この有様。

新聞の発狂だね。

女装の少年、日本軍の狂気を訴える

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沖縄戦「集団自決」の謎と真実
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