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ネットを中心に全国時に広がったNHK糾弾のアラシは、8389人という前代未聞の膨大な人数集の団訴訟となった。
問題の番組報道以来、わずか二週間で全国の見も知らぬ有志が、ネットで集結し巨大な原告団を結成したのはまさにネットの力であった。
NHKはネット住民の持つ底力を完全に見誤った。
歪曲報道については、スネに傷をもつ新聞メデイアがどの時期にこれを報じるかが注目であったが、8000人を越える巨大訴訟という話題性のあるネタを夕刊紙が見逃すわけはなく「夕刊フジ」が早速報道し、全国紙では産経新聞が大々的に報じた。
昨日は、朝日、毎日の報道は見落としてエントリーしてしまい「追記1」、「追記2」と朝日、毎日の報道を後追いで付記する醜態を晒してしまった。
全国紙の報道は、当日記にとっては想定外の素早い動きであった。
特に産経新聞が大きく扱ったのはこの巨大訴訟が、ネット上の連絡で一気に盛り上がった点に注目し、記事のなかにもその点を強調した記事がある。
NHKもこれまでのように、視聴者を舐めきったような傲慢な姿勢で一方的歪曲番組を垂れ流すとネットが一気に集結し巨大なブーメランとなって襲ってくることに気がつくべきだろう。
産経の該当記事はこれ。
<今回の訴訟は8000人を超える大規模提訴となった。批判がこれほど広がった背景には、インターネットの発達がある。メールやメルマガなどさまざまなデータが瞬時に駆けめぐり、多くの国民が自らの考察や意見を自由に表明できる。
その多くがNHKに懐疑的だったり批判的な内容で、それらは次々と広がっていく。なかには粗暴な言葉遣いや中傷、邪推もあるが、共感できる指摘や豊かな学識に基づく適切な考察、核心をついた推理も少なくない。
これほど多くの視聴者が違和感を覚え、訴訟提起に至ったことは、さらに多くのサイレント・マジョリティがいることを意味する。NHKはそうしたことを肝に銘じ、公共放送としての番組作りがいかにあるべきかをあらためて問い直す必要があろう。(安藤慶太)【NHK提訴】責任見失う公共放送 2/2>
ネットに関してはかつて、2チャンネルを称して「便所の落書き」と侮蔑した有名ジャーナリストがいるが、産経が指摘するように「なかには粗暴な言葉遣いや中傷、邪推もあるが、共感できる指摘や豊かな学識に基づく適切な考察、核心をついた推理も少なくない」。
これはネットを軽く見ていると、とんでもないことになるという大手新聞の自戒の言葉と理解する。
ネット住民は夫々微力な個人だが、一旦ことあるとリンクやコピペと言う手段で瞬時に全国に広がり、今回のような巨大な力をもってNHKといった巨大組織にも立ち向かうことになる。
沖縄二紙は、捏造報道では人後に落ちないスネに傷を持つ身だが、共同配信なのでアリバイ記事は一応報じておこうと思ったのか、両紙とも可能な限りの最小のスペースで一字一句たがわぬ記事を書いた。
これが、新報記事だが、タイムスも見出しも含めて全文同じ。
NHK番組で8千人が提訴 台湾支配報道は「捏造」(2009.6.25) 戦前の台湾に対する日本の植民地支配を報じたNHKのドキュメンタリー番組は「事実を捏造し、放送法違反に当たる」として、歴史研究者や視聴者ら8389人が25日、NHKに1人当たり1万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。(琉球新報)
◇
沖縄二紙は依然としてネットの力を理解していないような扱いだが、ネットは沖縄二紙の想定以上の影響力を持ち始め、他の業界でもその勢いは無視できない状況にある。
メルマガ 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で宮崎正弘氏はネットの勢いについて次のようにコメントしている。
<通信販売がとうとうデパート、コンビニの販売額を抜いた。
昨年度ネットの売り上げは8兆円。ことしの予測は8兆5000億円(野村総研推計)。過去八年間でネット上での販売は20倍に飛躍した。書籍はネット通販で全体の一割、書店がつぎつぎと廃業しているのも当然の現象だろう。
同様に『ネット世論』のパワーが20倍になったのである。
冒頭NHKは、自らの歴史改竄を認めず、逃げ切る態勢だったが、ついに国民の怒りがネットの力を通じて爆発し、8400名の集団訴訟となった。世論が新聞、テレビからネットに移行している現実を象徴しているのではないのか。>
NHKに対して、何度でも言う!
ネットを甘く見ると身を滅ぼすぞ!
いや、早めに滅んだ方が日本のためだ!
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NHKのネットへの認識不足については次のコラムが参考になる。
夏野剛のネオ・ジャパネスク論
NHKの討論番組で驚いたネットに対する認識不足
NHKの討論番組「日本の、これから テレビの、これから」に出演した。メーンゲストは民放連の会長、NHKの副会長、糸井重里氏、ジャーナリストの嶌信彦さん、そして私の5人。さらに各民放のプロデューサーや放送作家、そして視聴者代表の方々が加わった生放送の討論番組で、3月21日土曜日の午後7時半から3時間というゴールデンタイムに放映された。
テレビの企画としてはとても意欲的なもので、この企画をNHKで通した方々に本当に敬意を表したい。いろいろ大変だったと思う。
■ゲストも視聴者も50代以上
番組は「視聴者代表 vs 番組制作者代表」という構図で進められたので、メーンゲストの5人が中心というわけではなかったのだが、視聴者、制作者、ゲストを問わず、私が思った以上に、50代以上の参加者がネットの基礎知識をもっていないことに愕然とした。
というか、単にインターネットを使ったことがない、というレベルだろうか。メーンゲストも私以外は糸井さんも含めて全員60歳以上、制作者の代表も半数は50歳以上。また、土曜のこの時間だと、番組の視聴者も7割ぐらいが50代以上だろうか。
別に年代と知識は連動しないのだが、発言内容をみると、ネットのことを知らない、あるいは使ったことがないことを露呈しており、かつ、分からないが故に嫌悪しているような響きのある発言すらもあった。
そういう人たちが多数派というなかでの討論なので、話が噛み合わないと言った方が正しいだろうか。番組の進行上も、ゴールデンタイムにNHKの討論番組を見る人たちにはネットの知識なぞないという前提なので、見ている人たちに合わせた発言レベルを歓迎する。
図らずもネット業界代表のような立場になってしまった私であるが、なにしろ生放送なので、機会を逃さないように発言するのが大変であった。
番組では、視聴者代表の意見を制作者にぶつけながら、制作者側の意見を聞き出していく手法がとられた。視聴者代表の意見には「番組の内容がくだらない」とか、「視聴率を気にしすぎる」「広告主に媚び過ぎだ」、あるいは「報道内容に偏りがある」といった感覚的な内容が多く、これらを制作者にぶつけて時間を使っていたのが少しもったいないと感じたが、それが大衆感覚なのだろうか。
もともと広告モデルである民放が広告主を気にするのは当たり前だろうし、教育的に価値ある番組ばかり作っていては放送設備の維持すらできないという単純な事実さえ理解できない人もいるらしい。というか多数のようであった。
3月21日に放送した番組「テレビの、これから」のホームページ |
■あまりの認識不足に悲しい気持ちに
本コラムでは、番組の本来の趣旨である「若者がテレビ離れし、ネットに流れているなか、テレビはこれからどうなるのか、どうすべきか」というテーマに関して、気になったことをまとめてみたい。
まず、多くの参加者が「テレビ=テレビ受像機と放送」という捉え方をしていたが、実際にはパソコンでもケータイでもテレビは見られる。人気番組はDVDにもなれば、映画として上映されるものもある。つまり「テレビ」とは箱としてのテレビなのか「番組」(あるいはコンテンツ)なのかが、人や発言によってバラバラであり、曖昧だった。
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また、ネットを使ったことがないと思われる人を中心に、「テレビ=マスメディア=良識ある報道、精度の高い情報」対「インターネット=個別メディア=無責任でいい加減な情報」という構図で話したがっていた。しかし、テレビ局だって新聞社だってインターネットを使っているわけで、テレビ対インターネットという構図はまったく的外れなのだが……。
メーンゲストですら「ネットにはいい加減な情報が……」というような発言をしていた。議論すべきなのはテレビがこれからどうネットを使うのかという点であって、ネットの中のいい加減な情報について語る場面ではない。ネットに対するあまりの認識不足に、正直悲しい気持ちになった。
■制作者の危機感も薄く
制作者の方々の現状への危機感が薄いように感じたが、ご覧になった方はどうであっただろうか。例えば、決まった時間にテレビを見るということが今後減っていくと答えたのは、制作者9人のうち、わずか1人。残りの8人は今後もタイムテーブルに合わせて視聴者が番組を見てくれると思っているようだった。
視聴者代表のどなたかが言っていたような「昔と比べてテレビ番組の質が下がっている」という話では決してない。単にテレビの他に面白いことがたくさん出てきているのだ。テレビしか娯楽がなかった時代ではないのだから、必然的に、決まった時間にしか見られない番組は敬遠される、というか相手にされなくなる。
絶対価値が変わっていなくても比較優位性が薄れているということに、テレビの制作者たちが感づいていないことは正直ショックであった。
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