狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

想像力欠如の芥川賞作家目取真氏が「うらそえ文藝」を批判

2009-09-01 06:19:01 | ★集団自決

沖縄戦「集団自決」の謎と真実
秦 郁彦
PHP研究所

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読者の涼太さんが、「異論は削除」で有名な「沖縄版・言論封殺魔」こと目取真俊氏へ反論を書いておられるので以下に引用します。

 2009-08-29  涼太  

目取真のブログ、読んできました。赤松さんの「命令を出していない。」とする手記をネタに、上原さんを非難し、返す刀で櫻井よしこさん、よしりんを非難しています。そんな事は上原さん、櫻井さん、よしりんも百も承知です。
赤松さんの発言は「命令は出していない。これには深い事情があるのでそれ以上は言えない。」です。
目取真は本当
に馬鹿だ。人間の心の機微が分かっていない。ここにたまに来る、罵倒しか出来ない人達が、応援するブログですから、しょうがないですが。沖縄の反日左翼団体のあまりに醜い抗議に、抵抗しつつも「援護法」には一切触れていません。そこには、赤松さんの渡嘉敷村に対する、思いやりを見ることが出来ます。反日左翼に抗議しつつも、最後まで渡嘉敷村民を守っています。
目取真は自分の発言が渡嘉敷村民を、苦しめていることに気が付かないのでしょうか
。》

この反論で必要かつ十分であり、これ以上は蛇足だとも思われるが、ブログ主も反論するとレスした手前、敢えてこれに屋上屋の説明を試みたい。
 
                      ◆

◆想像力欠如の芥川賞作家

左翼作家目取真俊氏が、「うらそえ文藝」の批判したブログはこれ。⇒元隊長たちの〈沈黙〉という嘘

表面上は「うらそいえ文藝」誌に掲載の上原正稔氏の発言を、サピオにおける小林よしのり氏や週刊新潮における櫻井よしこ氏の発言と同列にして批判しているが、

目取真氏の真意が、「うらそえ文藝」編集長星雅彦氏への言論封殺であることは、氏のこれまでの言動から容易に推測できるし、次の文章からみても明白である。

浦添市から財政支援を受けている文藝同人誌や、『SAPIO』『週刊新潮』という大手出版社が発行している雑誌で、平然と嘘を書き飛ばしているのだから、何というでたらめさだろうか。また、こういう明かな嘘をチェックもしないで載せる編集者や雑誌にも呆れる。》

編集長に圧力を加えたり、「市から財政援助云々」で出版そのものに圧力を加えるその手法は、元祖・「言論封殺魔」こと佐藤裕氏にそっくりであり、さすが「沖縄版・言論封殺魔」と感心させられる。

何よりも、零細出版物の財政事情を調べ上げて、出版そのものに圧力を加える手法は、異論を許さない氏の「言論封殺」体質が顕れ、いかにも卑劣である。

目取真氏の批判の要点はこうだ。

上原正稔氏は『うらそえ文藝』で次のような発言をしている。

〈上原 だからね、渡嘉敷村でも座間味村の人たちでも、実は赤松さんと梅澤さんには感謝しているわけですよ、というのは、彼らが黙っているお陰で、彼らを悪者にしたてあげているお陰で遺族年金がもらえているわけですから〉。

これに対し目取真氏は、同誌の上原氏の次の発言を矛盾だと言うのだ。

〈上原 一九七一年の『潮』に二〇〇人の証言(※1)が全部出てきますよ。その中に赤松さんの「自決命令は出していない」という手記もあります〉。

目取真氏は得意満面にこう批判する。

上原氏が言う『潮』一九七一年十一月号に載っている赤松氏の《私記》で赤松氏は、〈私は自決を命令していない〉という主張を行っている。それでどうして〈彼らが黙っている〉ことになるのだろうか。一方で〈彼らが黙っている〉と言い、もう一方で『潮』の赤松〈手記〉を持ち出す上原氏は、自分の発言の矛盾を自覚していないのだろうか。

また、もし上原氏が言うとおり元隊長たちが〈黙っているお陰で〉〈遺族年金〉がもらえているのなら、赤松元隊長が沈黙を破って「集団自決」の命令を否定した時点で、どうして渡嘉敷島の援護金は停止されなかったのか。上原氏はこのことをどう説明するのか。

そして最後に編集者に狙いを定め、こう決め付ける。

上原氏・小林氏・櫻井氏というそれなりに名を知られたドキュメンタリー作家・漫画家・評論家が、浦添市から財政支援を受けている文藝同人誌や、『SAPIO』『週刊新潮』という大手出版社が発行している雑誌で、平然と嘘を書き飛ばしているのだから、何というでたらめさだろうか。また、こういう明かな嘘をチェックもしないで載せる編集者や雑誌にも呆れる

上原氏の言葉尻を捉え、大上段の批判を展開しているが、これでは芥川賞作家の肩書きが泣いてしまうとんだ大見当違いである。

目取真氏の批判に対して、次の二行で反論は簡単に終結する。

赤松隊長が沈黙を守ったのは、「軍命の否定」ではなく、「援護金のため軍命を捏造した」ということである。

従って上原氏の発言にいささかの誤謬もない。

これだけでお終いでは、折角の芥川賞作家先生のご批判に対しては礼を失するので、少々しつこいと思われる解説を以下に加える。

現在、梅澤氏氏と赤松氏の実弟が、大江健三郎・岩波書店を相手どって名誉毀損の訴訟を上告中だが、その争点の核心が「自決命令の有無」であり、当然両隊長が「命令を否定している」ことは周知のことである。

だが、上原氏が言う「黙っていること」と「命令を否定していること」とは全く別の問題であることに、目取真氏は気がついていない。 

「黙っている」ことの意味は「命令していない」という単純な自己弁護を「黙っている」のではない。

涼太さんのご指摘のように、赤松氏の発言は「命令は出していない。これには深い事情があるのでそれ以上は言えない」ということであり、その事情、つまり「援護金のための軍命の濡れ衣」についての弁解を「黙っていた」のであり、上原氏の発言に微塵の齟齬もない。

目取真氏は、《赤松元隊長が沈黙を破って「集団自決」の命令を否定した時点で、どうして渡嘉敷島の援護金は停止されなかったのか。》と、まるで鬼の首を取ったように言うが、

「命令を否定したこと」と「黙っていたこと」が同じではないからこそ、援護金は停止されなかったとは、集団自決に関心のある人なら誰でも気がつくことだ。

これに気が付かないのは作家としての想像力に欠けるのではないか。

想像力欠如の作家先生のために、わかりやすく言えば、「黙っていた」こととは、「援護金のため軍命を捏造した」という秘密の暴露を行わなかったという意味である。

しつこく、さらに噛み砕いて説明を繰り返そう。

赤松氏が「黙っている」とは、厚生省援護課、村当局、そして赤松氏による「共同の秘密」を黙して語らず、墓場まで持ち込んだという意味なのだ。

1970年3月27の渡嘉敷村の慰霊祭の日、赤松元大尉は渡嘉敷島に渡るのを左翼団体に阻止されるが、部下達 は慰霊祭に参加し、地元の人々と手を取り合って往事を偲んだ。  

赤松隊の部下達が那覇から帰途につく前の晩、記者会見が開かれた。

その席で 赤松・元大尉の責任を問う記者たちに、赤松隊の部下の一人はこう言っ た。  

責任というが、もし本当のことを言ったらどうなるのか。 大変なことになるんですヨ。・・・いろいろな人に迷惑が かかるんだ。言えない。》(『沖縄戦 渡嘉敷島「集団自決」の真実』 38頁)

赤松元大尉が真相、つまり「援護金のため軍命を捏造したこと」を語らな かったのは、それによって援護を受け取った遺族たちに迷惑が かかるからだ。  

遺族たちのために、赤松大尉は、上原氏の言う「沈黙」を守って、戦後ずっと弁 明もせずに過ごし、遂には真実を墓場まで持ち込んだのだ。

上原正稔氏の『うらそえ文藝』での発言には、何の齟齬もない。

ネット上では、何も調べずに罵倒するだけのあきれ果てた芥川賞作家目取真俊氏 として夙(つと)にその名を知られる目取真氏だが、今回も調べてないのか、あるいは調べても理解できなのか、相も変わらず罵倒だけはご健在のようだ。

                    ◇

【おまけ】

援護金のための「軍命の捏造」については、石原昌家沖国大教授の検証があるので、その詳細については省略する。

政府が書き換え指導  援護法認定、「軍命」基準に

1970年3月27日付沖縄タイムスの赤松氏に対する悪意に満ちた記事については、既に「沖縄戦を歪曲した沖縄タイムスの大罪」で詳述してあり、結果的にこれが目取真氏への反論にもなっている。

同記事でも赤松氏はタイムス記者の執拗な質問の連発に対し、軍命は否定しているが、援護金のことは一切口にしていない。

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