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会見で新施策知る、文科省幹部「あ然」…三役会議始動 (9月19日 14:53)
19日未明、文部科学省の中川正春、鈴木寛両副大臣と2人の政務官が就任記者会見に臨み、川端文科相とつくる「政務三役会議」の運営方法や新たな施策を公表した。副大臣による定例会見の実施、「中央教育審議会」をはじめとする各審議会の委員の見直し……。官僚抜きで決めた方針が次々に発表されると、その場にいた省幹部が、あっけに取られる姿も見られた。
18日深夜、東京・霞が関の文科省大臣室。川端文科相はこの日初登庁を終えた鈴木、中川両副大臣や、後藤斎、高井美穂の両政務官と記念撮影に臨んだ。見守っていた同省幹部らは撮影終了後、カメラマンとともに静かに部屋を後にした。
官僚のいない大臣室で行われたのは、民主党政権が「政務三役会議」と名付けた新設の会議。各省の大臣、副大臣、政務官が参加する省内の最高意思決定機関という位置づけで、今後、週に1回開かれる。当然、官僚は出席できない。
川端文科相らは、約1時間に及んだ初の三役会議で、〈1〉高校無償化など政権公約に掲げた15点の早期実現〈2〉補正予算の見直し〈3〉2004年4月以降の天下りの報告――など5項目についての報告を、省幹部に求めることを確認。別室から坂田東一次官と山中伸一官房長を呼び出し、5項目を書いた指示書を手渡してこう告げた。「必要な予算を作るために身を削ってがんばってほしい。国民と約束したことにお金をまわさなければならないから」
坂田次官は、補正予算の執行見直しについて連休中の22日の報告を求められ、「はい」と答えるのが精いっぱいだった。
その後開かれた副大臣、政務官の就任会見で、鈴木、中川両副大臣らは、国会の委員会に所属する与党議員と同省幹部らが参加する「政策会議」の新設や、副大臣による週2回の会見の実施などを次々に発表。文科相の諮問機関・中央教育審議会など審議会については、いずれ委員の人選を含め見直すこともありうるとした。
会見場の片隅にいた同省の幹部は、政策決定で蚊帳の外に置かれた形。その1人は会見終了後、ぼうぜんとした表情で話した。
「『政』と『官』の在り方はまるっきり変わった。今後、一体どうなるのか」
(2009年9月19日14時53分 読売新聞)
◇
物理学者の寺田寅彦の『小爆発二件』に「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた」という言葉があるという。
沖縄タイムスのコラム[大弦小弦]からの孫引きだが、コラムは新型インフルエンザを怖がる対象として、この言葉を引用している。
だが、その引用文によりむしろ鳩山内閣がしきりに口にする「脱官僚」を連想した。
これまでの行き過ぎた官僚主導への反発から、政治主導を強調する気持ちは理解しても、案件によっては政治の立ち入れない部分もある。
例えば文科省の教科書記述に関連する部分は、専門家の検証に委ねるべきであり、教科書記述を政治主導で行っていいはずはない。
ところが、沖縄では教科書記述の改変を新政権にやってもらおうという動きがある。
9・29県民大会を実現させる会世話人の玉寄哲永さんらは15日、県議会会派室に民主党沖縄県総支部連合会の新垣安弘幹事長を訪ね、新政権誕生を機に、高校日本史教科書の沖縄戦における「集団自決(強制集団死)」に関する文部科学省の教科書検定意見の撤回と軍強制の記述回復が実現できるよう、党本部への働き掛けを要請した。(琉球新報 9月16日)
寺田寅彦の文をこう書き変えて鳩山内閣に当てはめるととわかりやすい。
「官僚集団をこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」
鳩山内閣の売りが政治主導、脱官僚であるので、
マスコミは政治主導が正義で官僚依存が悪であるという論調だが、官僚が優秀で豊富な経験を持つ頭脳集団であることに異論のあるはずはない。
鳩山首相は「政治主導」は民意であると強調するが、官僚の能力と経験を封じ込んでしまうのは民意ではないはず。
官僚主導をおそれる余り、角を矯めて牛を殺す愚に陥ってはならない。
⇒鳩山首相:「政治主導」徹底を次官に訓示 「民意に沿った第一歩」《 また首相は、「123年続いた事務次官会議の廃止は、決して官僚たたきと思わないでほしい。民意に沿った政治の当たり前の第一歩。よちよち歩きを始めた姿を認めていただき、皆さんの優れた才能を国民のために発揮してほしい」と理解を求めた。【朝日弘行】》
文科省の川端文科大臣、中川正春、鈴木寛両副大臣が政治主導で張り切っているようだが、脱官僚を意識する余りに優秀な頭脳集団である官僚をツンボ桟敷に置くのは人材の浪費では無いのか。
むしろ行き過ぎた政治主導を避けるため、文科大臣、副大臣の言動に国民は厳重な監視の目を向けるべきである。
ちなみに中川正春副大臣は、自民党の中川昭一氏が党政調会長の時、北朝鮮の核兵器実験を受け、日本の核武装についても「議論を尽くすべき」と発言したことに対し、
「核保有を議論するとはけしからん話」と述べた人物である。
これに対し中川昭一氏は「最近は非核三原則に加え、「議論もさせない」という『非核四原則』になっている」と皮肉った。
更に後に「考えてもいけない」という『五原則』だと付け加えた。
中川副大臣は官僚の能力を恐れるあまりに「議論もさせない」つもりなのだろうか。
まさか優秀な官僚に「考えてもいけない」ということは無いだろう。
少なくとも上記引用記事の文科省大臣、両副大臣の行動はそう取られても仕方の無いパフォーマンスである。
行き過ぎた政治主導はファッシズムを生む。
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