去る日曜日、久々に名護市に住む娘夫婦を訪問した。 旧名護市街がシャッター街と化して寂しい限りだが、その一方で北側の為又(びーまた)界隈は大型スーパーや、コンビニ、駐車場付きレストランが軒を並べ、二週間後に近づいた名護市長選のマイク合戦のせいもあってか、賑やかな新開地の日曜日の雰囲気であった。
突然で恐縮だが名護出身の宮城与徳という歴史上の人物をご存知だろうか。 昭和史に登場する名護市出身の歴史上の人物で、戦後日本共産党の初代書記長を務めた徳田球一の名を知る人はいても、同じ名護出身の宮城与徳については、沖縄県人はおろか、地元名護市民でさえも知る人は少ない。
全国的には知名度の無い宮城与徳の名がここで唐突に出てくるのは、一昨日の沖縄タイムスの社会面のトップで、宮城与徳に関する記事が大きく掲載されたからである。
ちなみに徳田球一は、日本の政治運動家、革命家、弁護士で、衆議院議員を3期努めた政治家である。 戦前の非合法政党時代より戦後初期に至るまでの日本共産党の代表的活動家で、戦後初代の書記長を務めた。
徳田と同じ名護出身の宮城は実兄が徳田と同級生であった関係で子供の頃は徳田と遊び仲間であった。
宮城与徳は、大東亜戦争下の国際諜報団として騒がれた「ゾルゲ事件」の一味として検挙され、1943年に獄死した名護市出身の画家である。
1903年生まれの宮城与徳は16歳で移民としてアメリカに渡り、14年間滞在し、カリフォルニア州立美術学校などで絵を学んだ後、米共産党日本人部に入り、33年の帰国後は刑死したゾルゲや尾崎秀実らとスパイ活動をし逮捕され、終戦二年前に当時は不治の病と言われた肺結核で獄死した。
沖縄タイムスの社会面のトップを飾った宮城与徳の写真付き記事の見出しはこうだ。
与徳の勲章 ロシアで発見
<スパイ連座は平和活動>
この「スパイ連座は平和活動」という見出しを読んで、「沖縄の反戦平和運動はスパイ活動と結びついている」という衝撃的記事を書いた結果、那覇記者クラブから村八分になった産経新聞前那覇支局長のことが脳裏を過ぎった。
沖縄タイムスによれば、現在でも「スパイ活動は平和活動」なのだろうか。
与徳の勲章ロシアで発見 初確認 親族に授与へ
「スパイ連座は平和活動」
沖縄タイムス 社会 2010年1月13日 09時55分
太平洋戦争前、日本やドイツの政治機密を諜報(ちょうほう)し関係者が逮捕された「ゾルゲ事件」に連座した名護市出身の画家、宮城与徳(1903~43)に、旧ソビエト連邦政府から与えられた勲章と表彰状がロシア国内で発見された。13日に東京のロシア大使館で宮城の親族らに勲章と賞状が授与される。関係者間では勲章の存在が以前から知られていたが、所在が確認されたのは初めて。関係者は「当時、非国民扱いされていた宮城の名誉回復につながる」と話している。(与儀武秀)
勲章と表彰状は1965年に宮城に与えられていたもので、ドイツによる旧ソ連への侵攻以降の「大国民戦争」(ロシアでの呼称)の関係者に贈られた「2級勲章」。ロシア大使館側は授与の理由を「同戦争に対応し、平和のために活動したため」と説明している。
宮城の遺族や研究者の間では同勲章の存在が以前から知られており、関係者がロシア政府へ再三にわたって問い合わせていた。その結果、昨年中ごろロシア防衛省内の施設で保管されていることが確認され、親族への授与が決まった。
授与式には米国在住の宮城の姪(めい)、徳山敏子さんが出席する予定。式に同席する沖縄戦後史を研究するフリーライター大峰林一氏は「これまで勲章の存在を確かめるためロシア政府に問い合わせたが所在が不明だった」と説明。「当初、宮城の活動は非国民扱いされたが、後に戦争回避の平和活動と評価された。勲章の授与によって宮城の人権が回復できる」と話している。
宮城は1903年、名護市東江生まれ。19年渡米し、美術を学びながら社会主義運動に関与。リヒャルト・ゾルゲや尾崎秀実ら、国際的諜報組織の一員として活動したが、41年スパイ容疑で逮捕。43年に獄中で死去した。
[ことば]
ゾルゲ事件 太平洋戦争前の1941~42年、駐日ドイツ大使館の情報官だったリヒャルト・ゾルゲを中心とする旧ソ連の国際諜報組織のメンバーが、ドイツや日本の対ソ参戦などについて諜報活動を行っていたとして逮捕された事件。関係者が多数逮捕され、ゾルゲは44年に処刑された。
◇
【東京】「夢のよう。おじの名誉回復がかなった」―。太平洋戦争前の日本やドイツの政治機密を諜報(ちょうほう)した関係者が逮捕された「ゾルゲ事件」に連座した名護市出身の画家、宮城与徳(1903~43年)に与えられていた旧ソビエト連邦政府の勲章と表彰状が13日、在日ロシア大使館から与徳の親族へ授与された。勲章を探し続けていた与徳の姪(めい)、徳山敏子さん(81)=米ロサンゼルス在住=は協力者と喜びを分かち合った。
◇
ゾルゲ事件で連座した尾崎秀実や宮城与徳は、ソ連のスパイ・ゾルゲの手先として国を売ったわけだから日本側から見れば売国奴であるが、ソ連側から見ると彼らの「スパイ活動」も「平和活動」ということになる。
ソ連の新聞がソ連のスパイであった宮城与徳の「平和活動」に勲章を与えるのはよしとしても、スパイの被害にあった日本の新聞の沖縄タイムスが、ソ連の歴史観そのままに「スパイ連座は平和活動」と報道するのはいかがなものか。
やはり沖縄タイムスは日本の新聞の素振りをした諜報工作新聞だったのか。
ゾルゲ事件というおどろおどろした「売国的」事件の実態は、逮捕翌年の1942(昭和17)年5月16日になりようやく『国際諜報団事件』としてセンセーショナルな発表がなされた。
しかし当時の国民にはその実態は全く分らず、戦後になりようやくその全貌が明らかになった。
宮城与徳が郷土出身だとしてその研究をしたり関係資料を集め展示したりすることに異存はない。
だが、日本の歴史観に立てばスパイはあくまでスパイであり、宮城与徳が「売国行為」をしたことは紛れもない事実である。
60数年前の宮城与徳と同じように、現在の沖縄でもスパイ活動を平和活動と信じているグループがいる。
沖縄紙にとって不都合なこの事実を報じた結果、那覇記者クラブから村八分になり、沖縄勤務を外された産経記者が被った「全体主義の島の言論封殺」については次回にエントリーの予定。
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【追記】 お知らせ!
沖縄と共に『自立国家日本』を再建する草の根ネットワーク
祝・日米安全保障条約50周年
「日米同盟で自由と平和を守ろう!」
デモ集会 in 名護
~もうだまされない!民主党亡国政権!~
【デモ集会日程】
日時:1月17日(日) 名護市 13:00~
<一部:平和シンポジウム>
時間:13:00~14:00
場所:大西区公民館 沖縄県名護市大西3‐8‐12
TEL 0980‐52‐4630
<二部:平和行進>
時間:14:50~16:00
【参加申し込み】
必要事項をご記入の上、FAX 又はメールにてお申込ください
FAX: 098-885-7200 Email:tokutome1603@ezweb.ne.jp
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