狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

天の声と「小沢不動産」 佐藤優氏のパラドックス

2010-01-22 08:04:09 | 普天間移設

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「小沢不動産」とは以前から良く言われていたが、実際に都内の小沢一郎氏所有の不動産を視察した後藤田正純議員が改めて「まるで不動産業」と驚いたという。

だが、ここで驚いてはいけない。

小沢氏所有の不動産は東京都世田谷の自宅のほか、岩手県奥州氏の実家、静岡県東伊豆町、沖縄県宜野座村の土地。(2010年1月22日付 沖縄タイムス)。

そう、小沢氏はあの辺野古に隣接した同じ東海岸の宜野座にも土地を所有している!

テレビ報道によるとほかにも都内の一等地に十数か所の不動産があるという。

その一方で定期預金、金銭信託は0で、数億円のタンス預金があるという。

摩訶不思議な小沢一郎氏の資産である。

自民・後藤田氏、小沢氏「まるで不動産業」 2010.01.22.05.01

 「チーム後藤田」が動いた。自民党の後藤田正純衆院議員(40)らは21日、小沢一郎民主党幹事長をめぐる収支報告書虚偽記入事件追及のため、同氏の資金管理団体「陸山会」が購入した東京都世田谷区の土地や、近くの小沢氏私邸などを視察した。

 党内に設置した小沢氏追及プロジェクトチーム作成の関連資料と照らし合わせながら計10カ所余りを巡回した。後藤田氏は記者団に「政治家が政治資金で土地を買うということはない。小沢氏はまるで不動産業だ」と指摘。「民主党は“国会は司法の場ではない”と主張しているが、とんでもない。政治家として説明責任を果たす場だ」と衆院予算委員会で追及する考えを強調した。

 自民党は東京地検の捜索を受けた大手ゼネコン鹿島などが工事を請け負った岩手県奥州市の胆沢ダムを視察するため、三ツ矢憲生党国土交通部会長(59)らをメンバーとする調査団を26日にも派遣。小沢氏への揺さぶりを強める考えだ。

                                             ◇

小沢氏の「天の声」は、胆沢ダム工事や、予算案でも話題になったが、「普天間移設」でも「天の声」を発している。

小沢氏は、それまで迷走する「普天間移設」に関しては全く意見を述べていなかったが、昨年暮れになって突然それまで有力だった「辺野古案」を覆すような「天の声」を発した。

小沢氏の「天の声」に関して佐藤優氏が沖縄タイムスのインタビュー興味深いコメントを述べているので引用する。

米軍普天間飛行場の移設問題は、民主党の小沢一郎幹事長が昨年12月28日に「あの青い沖縄のきれいな海を汚してはいけない」としたことで、フェーズ(段階)が変わった。 辺野古移設を否定するこの発言を、かつて辺野古を決めた鈴木宗男衆議院外務委員長に伝え、自己否定させた意味は大きい》(2010年1月9日 沖縄タイムスー迷走する「普天間」)

つまり鳩山内閣の関係閣僚が勝手に移設先の名を挙げて迷走していたが、佐藤氏によると、この小沢氏の「天の声」で辺野古案は一瞬にして消滅したというのだ。

その問題の辺野古に隣接する宜野座村に小沢不動産、もとい、小沢一郎氏が不動産を所有していたとなると、「あの青い沖縄のきれいな海を汚してはいけないという「天の声」の意味も理解できる。

辺野古に行く本土の左翼団体にとっても、宜野座は那覇から向かう途中で通る村なのでお馴染みの名前であろう。

で、沖縄では左翼の象徴のような言動で県民を混乱させている佐藤優氏ご本人の意見はどうか、というと同記事によるとこうなっている。

私は右派、保守派の人間として、日米同盟の堅持と軍事力による抑止力を真剣に考える立場から、沖縄の民意を尊重して辺野古は絶対ダメだとおもう。 なぜなら、敵意に囲まれている基地を造って日米同盟を強化できますか? 基地機能が果たせますか? このことを辺野古移設に賛成している人にも理解を得て、県民が一致団結して声を上げることが重要だ》(沖縄タイムス同上記事)

ここで佐藤氏は自分は右派であり「日米同盟の堅持と軍事力による抑止力を真剣に考える立場」を主張しながら、あくまでも沖縄左翼に媚を売って「沖縄の民意を尊重して辺野古は絶対ダメだとおもう」と奇妙な結論を出している。

そして結局は「辺野古以外」で決着するが、アメリカに日米合意を破棄した落とし前(見返り)をつけなければならぬとして、次のような独特の安保強化論を展開させる。

一方、日本が沖縄に関して米国に譲ってもらうと、それに対する見返りをしなければならない。 そこで集団自衛権の行使が出てくる可能性がある。 より起動的に自衛隊を海外に派兵する形を整え、総合的に日米同盟を強化する目的だ。
実は護憲、特に憲法9条を守る意味もある。 
集団的自衛権は憲法上、国家として持っているが、内閣法制局の解釈として行使できないとなっていた。 憲法を変えずに解釈の変更で済ませれば、9条の文言を変える必要が無く、結果的に憲法も守れる。 この議論も、最終的には国民の判断を尊重すべきだろう
。》(同上)

沖縄の論壇に登場する佐藤氏は「米軍基地撤去」「護憲」といった左翼を扇動するような発言で人気を博していたが、上記記事を見たら裏切られたと思う佐藤ファンも多いだろう。

つまり、沖縄の「民意」を煽って「辺野古反対」を叫べば米軍基地が撤去されると単純に考えていた左翼の佐藤ファンは、

自分等の反対行動が、結果的に「集団自衛権の行使、容易な自衛隊の海外派兵、日米同盟の)強化」に繋がっていくと知ったら裏切られた思うだろう。

沖縄で佐藤氏の講演会に集まるファンは「反戦平和」つまり「軍事力に寄らない話し合いによる平和」を信奉する人々がほとんどであり、これは沖縄タイムスの論調でもある。

このように沖縄タイムス紙上で、自分の立ち位置が、「軍事力による抑止力の平和を信奉する」とカミングアウトしてしまった佐藤氏は、今年は沖縄での講演会もやりにくいだろう。

おっと、小沢氏所有の不動産に絡み、「普天間移設」に関する「天の声」から大きく脱線したが、年が明けて元秘書三人が逮捕され、本人も検察の事情聴取を要請された現状では、果たして「天の声」に威力は持続するや否や、

はたまた佐藤優氏の「辺野古反対が日米同盟の強化に繋がる」というパラドックスが実現するや否や、興味のあるところである。

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