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賛否割れ…国葬の是非は?【報道特集】
国葬って何?
岸田内閣の支持率は、毎日新聞の世論調査で29%と発足以来、最低になりました。その最大の原因は9月27日に行われる安倍元首相の国葬で、反対が62%にのぼっていますが、何が問題なのかよくわかりません。
Q. 国葬って何ですか?
政府は国葬儀と呼んでいます。これは大喪の礼のような皇室の儀式とは違う、閣議決定による国の儀式という意味です。
Q. 法的根拠はあるんですか?
内閣府設置法4条では、所掌事務として「国の儀式、内閣の行う儀式および行事の事務に関すること」と定めています。この「国の儀式」に国葬儀が含まれるというのが、岸田内閣の解釈です。
Q. 設置法は内閣府の仕事を定めただけで、国葬儀が含まれるとは書いてありませんね?
内閣法制局はそう判断し、閣議決定が行われました。国葬の差し止めを求める訴訟も、東京地裁は「不適法だ」として却下しました。
内閣府設置法の逐条解説でも「国の儀式」とは「閣議決定で国の儀式に位置付けられた儀式」だと解説し、その具体例として1967年に行われた故吉田茂元首相の国葬儀をあげています。
Q. 国会の承認が必要だという意見がありますが?
今は国の儀式に国会の承認を求める法律がないので、閣議決定で十分です。天皇の国事行為は国の儀式として行われますが、いちいち国会が承認しているわけではありません。今回は予備費を使うので、一般会計にも影響がありません。
Q. 安倍さんを特別扱いするのはおかしいという批判がありますが?
それは内閣の裁量の範囲でしょう。今までも佐藤栄作は「国民葬」となり、それ以降の首相経験者は「内閣・自民党合同葬」となりましたが、これにも明文の法的根拠があるわけではない。葬儀そのものはほぼ同じです。
Q. 国会が承認していないのに税金を使うべきでないという批判もあります。
それは今までの「内閣・自民党葬」でも同じです。すべての予算執行を国会が承認しているわけではありません。費用は約2.5億円ですから、その半分を自民党が出すかどうかだけの違いです。
Q. 警備費はもっとかかるでしょ?
海外からも要人が来るので、警備や接遇に16.6億円かかるというのが政府の概算ですが、これは内閣・自民党葬でも同じです。
Q. 海外ではどうなんですか?
いま話題のエリザベス女王は国葬です。これは日本の大喪の礼と同じで、議会が承認するわけではない。民間人については法律で決まっていませんが、チャーチル元首相は国葬でした。アメリカの大統領経験者は、すべて国葬です。
Q. 「国民に弔意を強制するのはおかしい」という批判もあります。
吉田茂の国葬のときは学校を休校にしたようですが、今回は国民に弔意を強制することは何もしません。
Q. 安倍さんはモリカケ・桜など評判が悪かったので、国葬に値しないという人もいます。
モリカケも桜も、安倍さんの刑事責任が問われるスキャンダルではなかった。憲政史上最長の首相をつとめ、安保法制で日米同盟を正常化した功績もあるので、吉田茂と同格の扱いはおかしくないと思います。これも内閣の裁量の範囲です。
暗殺という異常な形で亡くなったことに対して、国として決然とした態度をみせることも重要だと思います。それに反対して欠席する野党は、世の中を騒がせて統一教会をつぶそうというテロリストの目的に協力しているようなものです。