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小沢幹事長は、16日の民主党党大会で、「政治と金」の問題で、計算ミス、記載ミスが法律に違反した可能性を認めながらも、石川議員ら側近3人の逮捕に対しては、不当だとして「断固、戦う」と述べ、特捜部に対して宣戦布告をした。
これを受けた鳩山首相は「戦ってください」と小沢氏を擁護した。
行政の最高責任者が検察と戦う男を、「小沢氏を信じている」として支援したことは由々しき問題である。
小沢氏が戦う相手は検察庁であり、検察庁の上部機関は法務大臣であり、現在の法務大臣千葉景子氏は鳩山内閣の一員である。
いうまでも無く鳩山首相は内閣の最高責任者である。
小沢氏が戦うと闘志をむき出しにする検察の最高責任者は間接的ではあるが鳩山首相である。
だとしたら、自分の指揮下にある検察に対して宣戦布告をした人物を、「潔白を説明してください」と声援する鳩山首相は、小沢氏が全面的に無実だという前提であり、結果的に検察に圧力を加えたことにはならないか。
少なくと鳩山氏の声援は内閣の一員である千葉法務大臣に対して「万が一の場合(小沢氏の逮捕)は、指揮権発動せよ」と暗示的に命令したことにはならないのか。
行政府の長である鳩山首相がが日本の司法に宣戦布告した人物を擁護するということは日本の司法そのものを否定することにはならないのか。
日本は法治国家である。
圧倒的多数の国民の支援を得たからといって、行政府の最高責任者が司法を否定する発言をすることは三権分立の否定であり、小沢氏という独裁者擁護のため、ナチス政権と同じ轍を踏むことになる。
日頃は筆者の理解を超える朝日の社説だが、小沢氏に関する最近の一連の社説には同意できるものが多い。
特に17日の社説の次の部分は、朝日には珍しく国民目線で、大いに賛同できる。
《首相と政権党が一丸となってその検察と「対決」するかのような構図は、国民の理解をはるかに超える。》
朝日新聞 17日付社説
土地取引をめぐる政治資金規正法違反の疑いで元秘書の衆院議員ら3人が逮捕された小沢一郎・民主党幹事長が、辞任しないと表明した。鳩山由紀夫首相もこれを了承した。
一切の説明を避けてきた小沢氏は、きのうの民主党大会でようやく疑惑について公に語った。土地購入に充てた4億円は個人資金を積み立てたもので、不正なお金ではないと述べた。
さらに検察の捜査手法を批判し、「日本の民主主義は暗澹(あんたん)たるものになってしまう」「断固戦う」と対決姿勢をあらわにした。
そんな小沢氏に、鳩山首相は「信じています。どうぞ戦ってください」と話したという。党大会では、汚職事件の被告となっている鈴木宗男・新党大地代表が来賓としてあいさつし、持論の「国策捜査」批判をぶちあげ、会場から大きな拍手を浴びた。
小沢氏が一個人として、一政治家として、検察と「戦う」のは自由だ。だが、首相や党が挙げて応援するかのような一枚岩ぶりは何とも異様だ。
しかも、小沢氏から納得できる説明が尽くされたとは到底言い難い。
4億円という個人資産はどうやって形成されたのか。不正な資金でないなら、なぜ偽装工作とも疑われるような複雑な会計処理をしたのか。ダム工事の下請け受注に絡んで、中堅ゼネコンの元幹部が供述しているという5千万円のヤミ献金疑惑についても、納得できる説明はなかった。小沢氏は改めて記者会見を開き、もっと具体的に説明すべきだ。
首相も党の幹部たちも、疑惑の中身がきちんと解明されないのに、なぜ手放しで小沢氏を支援するのか。
何より、小沢氏が鳩山政権の最高実力者であるためだろう。政権交代の立役者だ。批判すれば、選挙で不利なことにならないか。安定した政権運営や夏の参院選での勝利には、小沢氏の力が欠かせないという思いもあるにちがいない。
だが、そうした内向きの論理や思惑を有権者が納得してくれると考えているとすれば、ひどい思い違いではなかろうか。
国会開会直前というタイミングで現職議員を含む小沢氏の側近3人を逮捕した検察の手法は確かに異例だ。検察当局にも国民への説明責任がある。しかし、首相と政権党が一丸となってその検察と「対決」するかのような構図は、国民の理解をはるかに超える。
鳩山首相は、この異様さをどう考えているのだろうか。捜査の進展次第で政権が、党が重大な影響を受ける恐れがあるだけではない。事件はあくまで司法の場で決着をつけるべきことである。一方的に肩入れするかのような軽い姿勢は許されない。首相はこのけじめをはっきりさせるべきだ。
◇
選挙に勝てば何でもできる。
それを実行したのがヒットラーだ、と何度も書いた。
ヒトラーは選挙で政権を得た後、全権委任法を立法し、それを実行し希代の独裁者となった。
全権委任法とは、「議会から立法権を政府に移譲し、ナチ政府の制定した法律は国会や連邦参議院や大統領権限を除けば憲法に背反しても有効とする」(ウィキ)という法律案である。
小沢幹事長は議員立法を禁じ、「外国人選挙法」も政府提案で立法するというから、ヒットラーの手口を踏襲したとしか思えない独裁者振りである。
外国人選挙法は憲法違反とも言われているが、独裁者にとって憲法など紙切れにも等しい。
「国民の委託」により全権委任法を立法化したヒトラーは、国民の人権を保証する憲法を骨抜きにし、政府主導の法律を次々と立法化し、反対勢力には「公益を害する者」というレッテルを貼って人権弾圧をした。
その究極の形がユダヤ人虐殺である。
小沢・鳩山政権は選挙に勝てば「政治主導」という耳に心地よい言葉を使って独裁政治ができると考え違いした。
それを端的に表したのが陸山会など小沢関連事務所の強制捜査が入った日の夜、小沢氏が発したこの言葉である。
「いろいろありますが、そのことを含めて選挙で私たちが国民の信頼を得たのです。」
名古屋における民主党の新年会での小沢一郎の挨拶である。
小沢氏の傀儡に過ぎない鳩山首相は、小沢氏の上記発言で元気が出たのか、小沢氏に追従して同じような驕りの発言をした。
15日の朝、記者団に対し、「(カネの問題は)すでに総選挙の前から出ていた話だ。こういう問題があるにもかかわらず、民主党を国民の多くが選んでくれた」と強気の姿勢をみせた。
ところが同じその日に石川議員ら小沢氏の側近が逮捕されると急にトーンダウンし、夕方には「選挙ですべてみそぎが終わったと胸を張るつもりはない」と述べて朝の強気の発言を修正した。
まさに朝令暮改の有様である。
小沢氏は、選挙で勝ったことは、天皇の国事行為も自由にできるし、検察の捜査も自由にできると勘違いし、検察の事情聴取も拒否した。
そして側近が三人も逮捕されるや検察に宣戦布告をした。
民主党党大会で「検察と断固戦う」と口をへの字に結んで、司法に対決の姿勢を見せる独裁者に、行政府の長たる鳩山首相が「どうぞ戦った下さい」と応援するのも異様だが、会場を埋め尽くした民主党員が拳を突き上げて「頑張るぞ」と)気勢を上げる姿も異様であった。
政権与党の民主党は鳩山首相を先頭にして、独裁者を護るため突き上げた拳で国の司法をも粉砕しようというのか。
◇
◆国民の91%が説明不足と言うのにこの態度だ! 理解しているのは民主党員だけだろうが。
⇒小沢氏「国民の皆さん、理解してくれていると」 13日夜のあいさつ全文
◆民主党に投票した国民が「小沢疑惑」を理解している、国民をバカにするにもほどがある。⇒「国民を愚弄」自民幹事長、小沢発言を批判 (1月14日 13:07)
◆これで起訴は確定!⇒ 『わざと記載しなかった』 石川容疑者 犯意初めて認める(1月16日 朝刊)
◆これが事実なら、土地資金はゼネコンからのワイロということになる⇒『水谷5000万円』土地購入原資か 通帳にすべて『住』の字(1月16日 朝刊)
◆日曜日の全国紙は全てが小沢批判! 全国民が小沢批判をしているにも等しい。
こうなると小沢氏が幹事長でい続ける方が、夏の参院選には民主党に逆風になる。
自民党の高度な選挙戦術としては、小沢氏を辞任に追い込まず、幹事長のままで据えおく方が得策ではないのか。
読売1月17日付 小沢幹事長発言 検察批判の前に説明を尽くせ
【付記】 鳩山首相が弁解したが・・・「不適切ではない」と。
では行政府の最高責任者として、適切な発言だったのかいうのか。
綸言汗の如し。
(1/17)「検察批判でないが不適切ではない」 首相「戦って」発言を説明
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