ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

撮り鉄

2008-02-24 18:18:14 | つぶやき
ブルートレインと言えば、遠距離を結ぶ寝台特急列車のことで
文字どおり、青い車体の色からそう呼ばれている。
ブルートレインは、昔から鉄道旅行マニアの憧れの的てき
な存在であった。しかし近年、新幹線の整備、航空機の
低価格運賃、そして格安夜行バスなどの影響により利用者が
激減し、徐々に廃止される方向に向かっている。

そんなこととは別に近年、鉄道マニアがクローズアップされ、その名も
「鉄」などと呼ばれ、テレビドラマの題材として用いられたりして、
徐々に市民権を得てきているような気がしている。

そんな私も、小学生の高学年の頃、短い間だが友人の影響もあって何度か
鉄道写真を撮りに行ったことがある。今で言う、「撮り鉄」である。
そんなに一生懸命ではなかったから「プチ撮り鉄」とでも言おうか。
ちなみに乗ることが好きな方々を「乗り鉄」などと言うのだという。

当時、埼玉県に住んでいた私は友人と始発電車に乗り、まず東京、上野駅へ。
ここで東北や北陸から戻って来るブルートレインを撮るのである。その後、
日中は特急や急行列車の写真を撮り、夕方からは場所を東京駅へ移し、九州や
山陰へ向かうブルートレインを撮るのである。当時は、まだ国鉄時代で、
今よりもずっと在来線の特急列車やブルートレインの本数が多かった時代である。
大人たちの撮り鉄に邪険にされながらも、小さな体で撮った下手くそな当時の
鉄道写真は、今でも実家の押入れの中に眠っている。

国鉄からJRに変わり、航空機や新幹線や高速バスやマイカー旅行などに押されて、
かつては青い流れ星と称された寝台特急列車も、最近では昔の華やかさはなく、
札幌行き「北斗星」など超豪華列車を除けば、多くのブルートレインは、今では
ただ細々と走っているだけの印象である。
そう考えると、ブルートレインは、まだまだ航空機や高速道路を使って旅行する
ことが、それほど普及していなかった時代の、古き良き時代の産物なのかもしれない。

列車の寝台に腰掛けて、発車ベルの音に合わせてプシュッと
缶ビールの栓を抜く。後方へ流れていくプラットホームの上には
一日の仕事を終えたサラリーマンたちがネオンサインをバックに
ほろ酔い気分で電車を待っている。そんな都会の夜の風景を眺めながら
食事を終え、一晩を列車の中で過ごした翌朝、窓のカーテンを開けると
朝日の中に学生服やセーラー服を着た高校生たちの一団が目に飛び込んで
くる。まさに夜から朝へのタイムトラベルである。

というのが、私の想像するブルートレインの旅の風景である。というのも
私は日本で寝台列車というものに1度も乗ったことがないのである。

おそらく、こういう旅情は航空機や新幹線では絶対に味わえないだろう。

しかし、今後も新幹線網の整備がさらに進み、リニアモータカーも
予定される中、これらのブルートレインもまた、かつての蒸気機関車のように、
完全に消えていく運命にあるのかも知れない。



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