今年の司法試験予備試験を、宅建試験のために解いておきましょう。第2弾。
今回は、民法問題の問3です。問2は、昨年項目として宅建試験で条件が出題されたので、飛ばします。
以下が問題です。まずは解いてみましょう。
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〔第3問〕
物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ
せたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.物権は,一筆の土地の一部について成立することはない。
イ.不特定物を売買契約の目的とした場合,その目的物が特定しない限り,所有権は買主に移転
しない。
ウ.複数の物の上に一つの物権の効力が及ぶことはない。
エ.金銭の所有権者は,その占有者と一致しないことがある。
オ.物権は,権利を目的として成立することがある。
1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ
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最近、宅建試験でもこういう問題が出題される傾向になっています。
さて、この問題ですが、アは過去問にありますね。土地の一部の取得時効を考えれば、×でしょう。
よって、アがある、肢1か2です。
そうするとイとエは、読まないことになります。読んだ人は、マズイ。
ウも、過去の試験から思い出せることです。
物権は、10種類ありますから、そのうちどれでもいいから、一つあれば○ですね。
抵当権がいいでしょう。たくさん過去問を解いているからです。
共同抵当がありますね。ですから、×で、2肢を読んだだけで、正解は肢1となります。
でも、イもエもオも、近時の宅建本試験の傾向から、出題されそうですね。
イは、特定物では出ていますので、そこから特定したときに所有権は移転したほうがいいでしょう。
店で、みかん10こ買ったとき、いつ所有権を買主は取得するかです。
エですが、原則として金銭は、占有即所有なのです。個性がなく、価値なのです。
よって、盗んだお金も、占有したとたん盗人である自分の所有が発生します。
個性がないのですね。もちろん、所有者から、その価値分の返還は請求されます。要は、5千円札2枚盗んでも、1万円札で返せばいいのですよ。
ここで思い出してほしいのは、保証協会に加入するときには、なぜ金銭のみなのかです。
有価証券ではずーっと個性がついていって、所有が切れないと困るからなのです。
例外は、古いお金ですね。それなら、個性がある。占有しても即所有があるとは限らないのです。
ここは、難しければ、無視していいでしょう。
あと、オですが、これも過去問から、質権を思い出し、権利質ですね。○と。
このような一見、抽象的で難しい問題でも、やはり手掛かりは、過去問をじっくりやってきたかどうかです。
こういう問題も、直前模試で作問しましたよ。期待してくださいね。解くのが楽しみ。
では、また。
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