今年の本試験では、淡泊な問題が多かったのですが、それもしっかり検討してないのではないか、という問題が数問ありました。
その中には、ちょっと見過ごすことができないミスがあるのではないか、述べたいと思います。
作問者がみていたら、この点是非検討して見解を発表してほしいものです。
まず、指摘しておきたいのは、組合せ問題です。問28と29の形式です。
すでに、他の予備校、ブログでも、指摘されている点です。
・・・・
例えば、違反するものの組合せはどれかで、アウエが違反しているのですが、
そうすると、1でもいいのではないか、という疑問です。
1 ア、ウ
2 イ、ウ
3 ア、イ、エ
4 ア、ウ、エ
・・・・
これまでなら、エが違反しないとして、問題を作っていました。過去問を研究していないことになりますね。試験委員がです。
まあ、これは大は小をかねるではないですが、違反全部をえらぶんだなと判断して(こういう判断を受験生にさせること自体はマズイのですが・・・)、受験生の皆さんは、答えを出したと思います。
まだこれは許せます。
しかし、特に指摘したいのは、問44なのです。
・・・・・
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフについてAがBに告げるときに交付すべき書面の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2 Bは、クーリング・オフについて告げられた日から起算して8日を経過するまでの間は、代金の全部を支払った場合を除き、書面によりクーリング・オフによる契約の解除を行うことができることが記載されていなければならない。
4 Bがクーリング・オフによる契約の解除を行った場合、Aは、それに伴う損害賠償又は違約金の支払をBに請求することができないこと、また、売買契約の締結に際し、手付金その他の金銭が支払われているときは、遅滞なくその全額をBに返還することが記載されていなければならない。
・・・・・・
皆さんは、肢2を付けたと思います。肢4の問題点を知っていた優秀な受験生も、肢2を付けています。答えは一つしかないからです。
しかし、実力のある人ほど、悩んでいます。それではいけません。実力ある人を合格させるのが、この試験だからです。
では、何が問題だったかです。この問題は出所はすべて、規則の16条の6の内容を出しています。
しかし、この規則は法律に反することは出来ません。
が、この規則自体が、法律に違反しているのです。
その法律は、どうなっているか。皆さんも覚えたはずです。
・・・・・
37条の2
第3項 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
・・・・・
つまり、「速やかに」となっています。それが、規則では、どうなっているか。
・・・・・
16条の6
6号 第三号の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除があつた場合において、その買受けの申込み又は売買契約の締結に際し手付金その他の金銭が支払われているときは、宅地建物取引業者は、遅滞なく、その全額を返還すること。
・・・・・
そうです。ここは「遅滞なく」となっています。
きちんと読めば、規則の方がミスをしていますね。受験生は、規則までは勉強してません。法律までです。
それに、ここは「速やかに」は非常に重要な点として記憶しています。
それは、やはりクーリングオフして、元通り金銭を一刻も早く返さないといけないものだ、と考えて勉強しているからです。
ですから、この肢も×となって、正解にしてほしいところです。2肢答えとなります。こういう年もありました。
さらに、問題を作るときには、できるだけ、条文を読んで作問してほしいです(失礼ですが)。それは、問19でもいえることです。
・・・・・
3 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されない。
4 第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない。
・・・・・
この問題は、本当に非常にすばらしいものです。だからこそ、特に肢3で、正しい内容なら、もうすこし丁寧に作ってほしかったです。
つまり、許可のためには、建築審査会の同意が必要だ、と覚えている受験生もいるからです。そこをきく、過去問もあります。
私たちが問題を作るときでもおきることですが、こういう足りない表現は、条文をよく見ないことで起きます。
それは、直接条文には書いてないので、準用を読み落とすと、うっかり同意の点を書かないで作問するときがあり、それを試験委員もしているのではないかと、変に勘ぐってしまいます。
・・・・
53条
5項 前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、(建ぺい率の制限)適用しない。
3号 公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの
7項 第44条第2項の規定(特定行政庁は、許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない )は、第4項又は第5項第3号の規定による許可をする場合に準用する。
・・・・
これで、優秀な人ほど、時間を取られることもあり、もう少し丁寧に作問してもらいたいとここも要望しておきます。
私たちが、予想問を作るのとは違い、人もお金も十分掛けていること、それにこれで1点で泣くこともあるからです。
では、また。
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その中には、ちょっと見過ごすことができないミスがあるのではないか、述べたいと思います。
作問者がみていたら、この点是非検討して見解を発表してほしいものです。
まず、指摘しておきたいのは、組合せ問題です。問28と29の形式です。
すでに、他の予備校、ブログでも、指摘されている点です。
・・・・
例えば、違反するものの組合せはどれかで、アウエが違反しているのですが、
そうすると、1でもいいのではないか、という疑問です。
1 ア、ウ
2 イ、ウ
3 ア、イ、エ
4 ア、ウ、エ
・・・・
これまでなら、エが違反しないとして、問題を作っていました。過去問を研究していないことになりますね。試験委員がです。
まあ、これは大は小をかねるではないですが、違反全部をえらぶんだなと判断して(こういう判断を受験生にさせること自体はマズイのですが・・・)、受験生の皆さんは、答えを出したと思います。
まだこれは許せます。
しかし、特に指摘したいのは、問44なのです。
・・・・・
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフについてAがBに告げるときに交付すべき書面の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2 Bは、クーリング・オフについて告げられた日から起算して8日を経過するまでの間は、代金の全部を支払った場合を除き、書面によりクーリング・オフによる契約の解除を行うことができることが記載されていなければならない。
4 Bがクーリング・オフによる契約の解除を行った場合、Aは、それに伴う損害賠償又は違約金の支払をBに請求することができないこと、また、売買契約の締結に際し、手付金その他の金銭が支払われているときは、遅滞なくその全額をBに返還することが記載されていなければならない。
・・・・・・
皆さんは、肢2を付けたと思います。肢4の問題点を知っていた優秀な受験生も、肢2を付けています。答えは一つしかないからです。
しかし、実力のある人ほど、悩んでいます。それではいけません。実力ある人を合格させるのが、この試験だからです。
では、何が問題だったかです。この問題は出所はすべて、規則の16条の6の内容を出しています。
しかし、この規則は法律に反することは出来ません。
が、この規則自体が、法律に違反しているのです。
その法律は、どうなっているか。皆さんも覚えたはずです。
・・・・・
37条の2
第3項 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
・・・・・
つまり、「速やかに」となっています。それが、規則では、どうなっているか。
・・・・・
16条の6
6号 第三号の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除があつた場合において、その買受けの申込み又は売買契約の締結に際し手付金その他の金銭が支払われているときは、宅地建物取引業者は、遅滞なく、その全額を返還すること。
・・・・・
そうです。ここは「遅滞なく」となっています。
きちんと読めば、規則の方がミスをしていますね。受験生は、規則までは勉強してません。法律までです。
それに、ここは「速やかに」は非常に重要な点として記憶しています。
それは、やはりクーリングオフして、元通り金銭を一刻も早く返さないといけないものだ、と考えて勉強しているからです。
ですから、この肢も×となって、正解にしてほしいところです。2肢答えとなります。こういう年もありました。
さらに、問題を作るときには、できるだけ、条文を読んで作問してほしいです(失礼ですが)。それは、問19でもいえることです。
・・・・・
3 公園内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものについては、建ぺい率の制限は適用されない。
4 第一種住居地域内における建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画においてその限度が定められた場合には、当該限度以上でなければならない。
・・・・・
この問題は、本当に非常にすばらしいものです。だからこそ、特に肢3で、正しい内容なら、もうすこし丁寧に作ってほしかったです。
つまり、許可のためには、建築審査会の同意が必要だ、と覚えている受験生もいるからです。そこをきく、過去問もあります。
私たちが問題を作るときでもおきることですが、こういう足りない表現は、条文をよく見ないことで起きます。
それは、直接条文には書いてないので、準用を読み落とすと、うっかり同意の点を書かないで作問するときがあり、それを試験委員もしているのではないかと、変に勘ぐってしまいます。
・・・・
53条
5項 前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、(建ぺい率の制限)適用しない。
3号 公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの
7項 第44条第2項の規定(特定行政庁は、許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない )は、第4項又は第5項第3号の規定による許可をする場合に準用する。
・・・・
これで、優秀な人ほど、時間を取られることもあり、もう少し丁寧に作問してもらいたいとここも要望しておきます。
私たちが、予想問を作るのとは違い、人もお金も十分掛けていること、それにこれで1点で泣くこともあるからです。
では、また。
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