12月24日はクリスマスイヴですが、ついでにボクの誕生日でもあるのでケーキは欠かしたことがありません。
今年は夫婦二人だけの晩餐でしたので、ケーキも小さなものを用意しました。
ケーキが小さいとイチゴが大きく見えておいしそうです。
半分ずつ食べたけど、腹が破裂しそう……。
12月24日はクリスマスイヴですが、ついでにボクの誕生日でもあるのでケーキは欠かしたことがありません。
今年は夫婦二人だけの晩餐でしたので、ケーキも小さなものを用意しました。
ケーキが小さいとイチゴが大きく見えておいしそうです。
半分ずつ食べたけど、腹が破裂しそう……。
新潟県胎内市から四キロメートル沖に浮かぶ光のタワーは、岩船沖油ガス田のプラットホームだ。夜に海岸に沿って走る国道三四五号線から見るとさながら巨大なクリスマスツリーのように見える。海面からの反射も相まってまばゆいくらいに輝いるのだ。
まだ、幼い頃のおぼろげな記憶にあるのは、親父が運転する車の中で驚いた僕に親父が言った言葉だ。
「あれはサンタクロースの基地だ。クリスマスイヴには、あそこでソリに給油してアジア中の恵まれない子供たちにプレゼントを届けるんだ」といい加減な話を聞かされたのだ。
そう言われても、信じてしまえるような風格がその光の塔ににはあった。
今日、会社の命令で、その光の塔へ向かうことになった。通常は八人体制で泊まり込みいで行っているらしいが、クリスマスイヴは、人手が足りなくなるのだそうだ。
新入社員の僕は、作業体験も兼ねて抜擢されたこということだろう。
へりに乗り込んで、日本海に浮かぶプラットホームに到着した。
僕はその大きさに驚いた。海面からの高さが約九十メートルの塔が立ち、大型のヘリポートは、貨物船を何隻か並べられるくらいの大きさだ。強風でフードがはずれないように手で押さえながら、上司が指さした方向を見る。
西の水平線に日が沈みかけていた。
「いいか、クリスマスは二十四日の日没から始まり二十五日の日没に終わる。今夜が正念場だ。気合いを入れてかかれ」
クリスマスには、石油や天然ガスのエネルギー消費が増えるとでも言うのだろうか?
周りにいる先輩たちも水平線の方向を凝視しているのに気がついた。
冷たい風がほおをなで、オレンジ色の光と紫色の雲で彩られていく。
太陽が沈む瞬間、大きな声に包まれた。
「メリークリスマス!」「メリークリスマス!」「メリークリスマス!」
皆、お互いにクリスマスの始まりを喜んでいる。宴会でも始まるのだろうか。
水平線の方向からかすかな鈴の音が、聞こえてきた。やがて、その鈴の音が大きくなりトラックがヘリポートに降りてくる。
「もたもたするな、すぐに給油だ」先輩たちの怒鳴り声が響く。
何でトラックが空を飛んでくるんだ。そんなことを考えている暇はない。直径十センチはあるホースをトラックにつなぎ給油を開始する。
トラックの窓からのぞく顔は、白いひげに赤い帽子のサンタクロースだ。
給油が終わると、すぐにトラックは飛び立ち、次のトラックが降りてきた。
給油を待つトラックの影が基地の上空を何台か旋回しているのが見えた。
なんてこった。サンタクロースの極東基地ってのはほんとうだったのだ。
「おい、おまえ、トオルじゃないか」
トラックの運転席から声をかけられ、見上げた窓には半分白いひげをはずした親父の笑顔があった。
「お前、こんなとこで働いていたのか」
おいおい、それはこっちのセリフだ。母さんには、親父は運送業で世界中を飛び回っているって聞いてたぞ。
「親父がサンタクロースって! トナカイは?」(かなり僕は混乱しているようだ)
「ん、トナカイ? 今、馬車に乗っているヤツいるか? みんなトラックだ」
「ここって、基地だったの?」
「見ての通りだ。このことは内緒だぞ」
「そんなこと言ったって……」
「これは国際秘密だ。自分の子供以外にはしゃべってはいけないことになっている」
給油が終わり、親父は窓ガラス越しに手を振りながら星空に舞い上がっていった。
ほら、メリークリスマス!