むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『悪い女』麻野 涼 (文芸社文庫)

2023年01月15日 | 読書
弁護士物は好みなので、読んでみました。
主人公は元暴走族のヘッドだったという設定ですが、それが無くても通用する平穏な展開でしたので、その辺を期待しない方が良いようです。
作者はノンフィクションライターなので、一見、無駄なように見える硬い裁判の描写もリアリティがあって、引き付けられました。
死刑判決が無罪になるような劇的な展開では無く、なんとか死刑を回避しようとする程度の戦いになるけれど、それだけでもたいへんな努力がいるのだなと思いました。
弁護に協力的ではない被告人と、圧倒的な保険金殺人の証拠があがり、そこを抒情酌量の余地を探し求める弁護士の戦いを描いています。
キャラクターの設定だけが、エンターテインメントで、ストーリーや裁判の展開はリアルな他には見ないバランスです。
楽しく裁判の成り行きを感じたい人には面白い小説です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする