ノーベル賞作家フォークナーの代表作。
赤ちゃんが出来たとたん男に逃げられた娘。
殺人事件を起こし、リンチで死んだ黒人の血を引く男など、新聞の三面記事やワイドショウのネタを組み合わせながら、社会の真理に迫った小説です。
世間は、黒人の血だろうが、殺人事件の犯人だろうが、お構いなしに、社会からはじき出されるべきレッテルを張り、その人間を排除しようとします。
牧師はそれにあがなうことが出来たけれど、殺人者は殺されてしまうまで追い詰められてしまいました。殺人者の男は、黒人の血を引いていると言い張っていただけで、その真実は不明なのです。また、牧師はあることないこと世間の人たちの想像・妄想・憶測で社会から弾かれて暮らしていました。
また、赤ん坊を孕んで捨てられた女は、同情を買いながら逞しく生きて行くことになります。
世間の人たちを動かすのは、その潮流・流れであり、それに乗れるかどうかにかかっているようです。
それとは別に、女を孕ませて逃げた男と、その女に恋してしまい結婚を申し込んで振られ続ける男の対比は、脳科学者の中野信子さんが「男には2種類の遺伝子を持った人がいる」と言っているのにピッタリハマったので苦笑しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます