2020東京五輪・パラリンピックは延期になった。新型コロナウイルスが世界を襲っている。その終息が予測すらつかない事態を考えれば中止か延期しかないことは誰にでもわかる。そのどちらを選ぶか、それに携わる関係者の思うところでしか決まらない。選択の理由はいくらでも後付けできるので、選ぶ人の立ち位置で決まる。
今回は「アンダーコントロール」と叫んだ人のリードで延期と決まった。IOC,G7はもとより国内関係者への根回しは周到に行われた、と報道されている。そうでなければ1時間にも満たない電話会談で決まるほど、史上初の延期が決まるとは思えない。関係者はほっとされただろう。その後始末と延期に向かっての新たな用務はこれまで以上だろう。
国内政治ではいくつもの難題を抱え、それを国民に向かって説明することをいつまでも延期している。無期延期かとも思えるなかで、五輪開催延期の決定に、政治的判断がいささかも含まれていない決断であったと信じたいが、素直にうなずけない。
金銭だけで判断はすべきでないが、延期と決まるとこれから必要な資金は6千億円とも7千億円とも速報される。あらかじめ考えられていた数字だろうが、では中止ならどのくらい必要なのか、それも明示して欲しいものだ。オリンピックの商業主義が心配されている、昔はアマチュアの祭典、そう習ったが、今の教科書では何と書かれているのだろう。東京都では今日だけで40名以上の新たな感染者がでた。知事の首都封鎖(ロックダウン)の発言を思い出す。