来月8日投票の東京都知事選挙に立候補を表明している、浅野史郎・ 前宮城県知事を支援する女性たちの勝手連が18日、発足した。 勝手連の結成を呼びかけたのは、若桑みどり(ジェンダー文化研究所長)、上野千鶴子(東京大学大学院教授)、赤石千衣子さん(ふぇみん婦人民主クラブ)ら79人。「ババア発言」に象徴される女性蔑視の石原慎太郎・東京都知事に勝てる候補ということで浅野氏を支援することに決めた。名称も「アサノと勝とう!女性勝手連」とした。 発足会では、若桑みどり氏が「男性中心、女性差別と大型公共工事優先の石原都政が続いたこの8年間、私たちの頭上に青い空はありませんでした。東京に青空を取り戻しましょう」と挨拶した。 この後、上野千鶴子さんが「石原知事が居座るんだったら、私は東京都民をやめようと思います。選挙は勝たなければなりません。浅野さんと一緒に私たちが勝とうということです」と呼びかけた。 浅野氏は厚生省勤務の時代、障害者福祉の仕事に携わった経験がある。経験談を紹介しながら「障害者差別、女性差別は共通している。人権に対する無視、抑圧は世の中に一杯ありますが、大東京のトップにいる人がそういう(女性や障害者への差別)発言をすることは、重みが違う」と述べると、場内からは割れるような拍手が起きた。 母親の介護をしながら働く女性や女手ひとつで子供を育てている女性らが窮状を訴えた。石原都政になって、これら医療・福祉行政が後退した、と切々と述べた。 記者団から「勝手連の呼びかけ人」に対して「浅野さんを選んだ理由は何か」と質問が出た。 「ふぇみん民主クラブ」の赤石さんが「浅野さんが厚生省の役人の時から知っている。こんな人がいるんだと思っていたら宮城県の知事になった。私たちの力を、市民の力をうまく使ってくれるだろう」と答えた。 会場となった全水道会館(文京区)の大会議室(定員160人)は、参加者で溢れ立ち見も出るほどだった。石原都政に対する女性たちの怨嗟と浅野氏の政治姿勢が「ジャストミート」し、場内は期待と熱気で湧いた。 今回結成された勝手連はインテリ層の女性が中心だ。選挙の行方を左右するのは女性票、とまで言われる。浅野氏が勝つには、インテリでないオバチャンの間からも勝手連がいくつも誕生する必要がある。(田中龍作) ◇