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てらまち・ねっと



 情報公開への認識が進んで、自治体の予算の編成家庭や査定の過程を公開する流れがある。
 例えば、鳥取県は9月中旬の定例議会に提案する補正予算案の策定中で、今、課長や部長の査定中。
 9月16日の定例開会、その前日に補正予算公表などと日程を公表している。
 それだけでなく、今8月の中旬のその査定の進行の中身も公開しているのでリンクや図を紹介しよう。

 こういうのを見ると、「議会や議員は何なんだ!」と
 昔の議員(今の多くの議員でもある)は自分たちの特権が侵害されたと感じるのだろう。

 ともかく、情報の自律的な開示が進むのはいいこと。
 これら動きについて、「東京大の大森弥名誉教授(地方自治論)はこうした情報公開の流れを『自治体の財政難が原因』とみる。」(朝日新聞)とするけれど、違うんじゃないの? と私は思う。
 住民も(議員も)含めてみんなで情報を共有し、そこから議論していこうという基本姿勢を持つ自治体の長が出てきて、進めている施策だと思う。

 対して、現状、頑なな首長の方が圧倒的。
 明日あさっての名古屋での講座、 ◆「議員としてのスキルアップの連続講座」 では議員サイドからの視点・論点も深めたい。

 なお、「人件費などトータルコスト予算を全部局に(鳥取県)」という考えも広がっている。

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現在の位置:ホーム 県の組織と仕事 総務部 財政課 財政状況 予算編成過程の公開  鳥取県 Webページ
予算編成過程の公開
鳥取県では、県民の皆様に開かれた予算編成を行うため、編成過程の財政課長査定、総務部長査定、知事査定がそれぞれ終了した段階において、各部局からの要求事業内容及びその査定状況を公開しております。

○ このページは、それぞれの会計(一般会計、特別会計、企業会計)毎に予算編成過程における各段階(財政課長要求・査定、総務部長要求・査定、知事要求・査定)を査定後に公開しています。                       
<参考>
予算編成の流れ(予算要求から予算案の成立まで)
用語説明

平成20年度
9月補正予算
  平成20年度9月補正予算編成過程  
各段階ごとの事業の要求・査定の概要についてご覧になれます。



(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

全国知事会 全ての事業についての予算編成過程の公開
施策・事業名称 全ての事業についての予算編成過程の公開
内 容 <概 要>
○15年6月補正から全ての事業の予算査定の状況を事業毎にホームページ上で公開。
○当初予算、補正予算にかかわらず「課長査定後」、「部長査定後」、「知事査定後」の各段階で査定結果内示の翌日に全事業を公開。当初予算においては、要求段階から全事業を公開。

<鳥取県の予算編成過程の公開の特徴>
○全ての事業を事業毎に公開。
○検索機能を利用することによりキーワードで関係する事業を簡単にリストアップ可。
○従来から予算編成過程のペーパーレス化(要求、査定を庁内LANのデータベース上で実施)に取り組んでいたため、公開のための特別な作業が不要であり、最小の労力での実施が可能。

<効 果>
○特徴ある事業が予算編成過程でマスコミにとりあげられることによる予算に対する県民の注目度の高まり。
○予算案として固まる前に公開することによって、各方面からの意見を反映。
○要求側、査定側ともに職員の説明責任の明確化、拡大。


●企画特集
【拝啓、橋下知事 これが行革だ!】  片山善博・前鳥取県知事(中)

  朝日 2008年03月28日
「情報公開 武器に使う」
 ――「情報公開で行財政改革は進む」と言っておられます。どういうことですか。
 鳥取では、職員の給与、特殊勤務手当、(一定年齢になると昇任を伴わなくても昇給させる)「わたり」と言われる制度まで、人件費の情報をすべてホームページで情報公開しました。

 役所の労使交渉は密室でやることが多い。ですから、労働組合からは「信義則に反する」「なんで公開するのか」と強い抵抗がありました。
 でも、公開されて困るものを続ける方がおかしい。正々堂々と「私たちはこれだけの処遇を受けています」と県民に公開できないのはおかしいでしょう。労使交渉もマスコミが入れるように公開しました。

 すると、「こんな非常識な手当や制度がある」とマスコミが報道してくれる。県民は当然怒ります。県議会も「早く改善しろ」と問題にする。労働組合には分が悪いですよね。
 そのうえで徹底的に議論しました。結果、鳥取は都道府県で初めて「わたり」をやめ、特殊勤務手当も合理性のないものはすべて廃止。無駄な人件費を削ることができたんです。情報公開という武器を使わない手はない。

 ――予算編成の過程も公開したと聞きました。これも行革につながりますか。
 予算編成というのは、来年度1年間に役所が何をするか、何をしないかを決めることです。役所の仕事のすべてを決めると言ってもいい。ところが、この予算編成の過程が、全くブラックボックスになっているのが役所の現状です。

 通常は予算案が固まるのは1月末か2月初め。それまでに住民や県議が問い合わせても、「いや、まだ決まっていません」と言われる。やっと予算案が出て「あの大事な予算が落ちている」あるいは「こんな予算は無駄だ」と文句をつけると、「もう決まっているからだめです」。だったら、住民はいつ意見を言えばいいんでしょう。住民参画の機会もない、非民主主義的なことをずっと役所は続けているわけです。

 そこで、ある日突然予算案を発表するのではなく、予算要求の段階から、財政課長査定、総務部長査定、知事査定と、すべての段階でその都度、ホームページで情報を公開するように変えました。例えば、財政課長がこれつけた、これ切った、その理由は何だというのを全部出すわけです。資料は膨大ですが、全部載せる。

 そして、文句があれば言ってもらう。なるほどなと思ったら取り込む。間違っていると思えば断ればいいんです。「それは違いますよ」「お金がありません」と断ればいい。鳥取でやってみて、全く支障はありません。

 ――歳出削減につながりましたか。
 県民が無駄遣いを見つけてくれるんです。例えば、ある商店のおばちゃんが「うちが借りているのより、県庁のコピー機のリース代が高い」と指摘してくれました。
 普通、民間だと3年契約とかにしますが、調べてみると、県庁では1台ずつ1年契約にしていた。それも随意契約で。制度を改めて100台を3年契約で入札に出したら、何と4分の1の予算ですみました。

●都道府県の予算編成、査定も見せる 広がる「鳥取方式」 2008年03月29日 朝日
 予算編成の過程をホームページ(HP)で公開する動きが都道府県で広がっている。これまでは議会に提出された予算案だけが公開されるのが一般的だったが、事業部局の要求額に加え、財政当局や知事がどんな査定をしたのかも公開され始めている。編成過程の公開が進む背景には厳しい財政状況の中、事業の取捨選択の理由を説明せざるを得ない自治体側の事情があるようだ。
     ◇
 「自分の税金が、何でむちゃくちゃに使われているんだという怒りが出馬の動機です」。1月の大阪府知事選で橋下徹知事は語っていた。こうした批判が出るのは納税者に予算編成過程が見えにくいことがある。
 流れが変わってきたのは「鳥取方式」の登場からだ。鳥取県では片山善博前知事時代の03年6月の補正予算から、査定も含めた途中経過を全面的にHPで公開。HPの「予算編成過程の公開」から入り、「当初予算の要求・査定の概要」をクリックすると、財政課長、総務部長、知事の3段階で、それぞれどんな査定をしたのかが分かる仕組みになっている。

 例えば08年度予算。文化芸術活動を始めようとする障害者団体の経費を助成する「障害者文化・芸術振興事業」の場合はこうだ。
 担当の障害福祉課は202万9千円を要求▽財政課長査定で、一部について「既に活動の動機付けの目的は果たしている」として100万円に減額▽総務部長の査定でも同様の査定▽知事査定で「活動の立ち上げには一定の支援が必要」として、削られた102万9千円の予算が復活――。

 いずれも査定翌日をめどに、査定作業の現場で使われた内部資料をそのまま掲載している。財政課の担当者は「要求側も査定側も県民ニーズに合っているかを常に考えるようになり、緊張感や責任感が増した」と話す。

 朝日新聞が都道府県の財政担当者に聞いたところ、こうした途中段階の査定額と理由を公開する方式は04~07年度に北海道、広島県、長野県に広がっている。すでに44都道府県では予算編成方針を公開。22道府県では事業部局の各事業の要求額を公開している。

 東京大の大森弥(わたる)名誉教授(地方自治論)はこうした情報公開の流れを「自治体の財政難が原因」とみる。「今はあれやこれやと住民や各種団体の要求に応えられる時代ではない。不満を抑えるためには、理由を明確に説明しなければならない」と解説する。長野県の担当者も「予算がない中で、『こういう方針で予算を組んでます』ときちんと説明する必要性を感じた」という。

 ただ、多くの自治体では今も、途中段階での査定額や理由の公開に二の足を踏んでいる。予算には各種団体や議員らの利害が絡むからだ。
 「課長や部長の査定を公開すると利害関係者から色んな声が飛んできて収拾がつかなくなる」。そう話すのは福岡県の担当者。編成作業に大きな影響を及ぼす可能性があるとして、途中経過は公開していない。

 東海地方のある県では財政当局が他の都道府県の公開状況を調べ、どういう方法が望ましいか毎年検討するが、議論はいつも立ち消えになるという。担当者は「知事の政治判断を待っている状況だ」と話す。

 一方、3月末に暫定予算が成立した大阪府のHPには、編成方針と最終の予算案を公開しているだけで、査定状況は公開されていない。橋下知事は就任前、「予算を組む時、僕はこれを公開したい。役人との議論を公にしたい」と話しており、6月の通年予算編成時の情報公開ぶりが問われることになる。

●平成20年度当初予算要求におけるトータルコスト予算分析について  トータルコスト予算分析
          
財政課 行政経営推進課
1. 対象部局
全部局 (企業局、病院局を除く)
2. 対象職員
 部次長を含む全職員。
 なお、非常勤・臨職については事業費内に含まれることから、人件費計算上の重複を避けるため、人役は標記することとしますがトータルコストの人件費には含まれないことにします。

3. 事業の単位について
 トータルコスト予算分析の目的の一つに、仕事量を数値化することがあります。
 現在、事務費のみの事業(業務)であっても、トータルコストを示し事業(業務)実施の是非を検討することから、指導監督や許認可なども、いずれかの要求書に入れていただく必要があります。
 要求書の作成にあたっては、補助金等の単位ではなく、ミッションやトータルコストを意識した事業のくくりを検討して、事業の分割や統合を行ってください。

<例> ○○○補助事業 → ○○○補助金、△△△指導調整事業
  □□□推進費  → □□□推進費費、▲▲▲イベント開催費
     △△△補助事業 ┬→ ○○○対策費
     ▲▲▲補助金   ┘

4. 人件費について
 トータルコスト算出に係る人件費については、職階別の平均給与とします。(部次長級については、別の階級で算出すると煩雑であることから、課長級の欄に計上されます。)
 今年度は、いわゆる人役集計表DB(H20当初予算(TotalCost集計表:要求)DB)からデータの自動コピーができるようになりましたので、予算要求DBへの人役記載は不要です。(ただし、別枠手当、事業費内人件費の入力は引き続き必要となります。)

5. 人役の算出方法について ・・・

都道府県研究所: 人件費もコストは当然 2006.10.31 から
人件費もコストは当然
-トータルコスト予算を全部局に(鳥取県)-
 鳥取県は、各事業費にその事業に当たる職員の人件費も計上する「トータルコスト予算分析」の対象を、2007年度当初予算編成から企業局・病院局を除く全部局に拡大する。
 この分析手法は、人件費を含めたトータルコストを明らかにし、事業の適不適を判断する方式。県財政課が予算を、県行政経営推進課が職員定数を査定する。公共事業部門を除く知事部局を対象に06年度当初予算編成から導入した。(中略)
 また、県財政課は、指導監督や許認可をはじめ予算上は経費が計上されない事業についても、人件費だけを入れた要求書を出すよう各課に要請。人件費を掛ける必要があるかどうかで、業務を査定していく方針だ。(2006年10月27日/官庁速報)

 都道府県の場合、予算に占める人件費の比率は大変大きい。一般的には3~4割、政令市を抱える大都市型府県の中には総予算の概ね半分が人件費のところもある。
 だから、事業において人件費がどのくらい使われているのか分からなければ、コストパフォーマンスなど把握できないのである。
 しかし、一般的には人件費は別物扱いされていることが多く、予算査定の場でも人件費の話はほとんど出てこない。なぜか人件費はタダみたいな感覚で捉えられている。

 しかし、例えば企画・計画部門などでプラン策定に10人くらい職員を配置しているケースだと、事業費は計画書の印刷費50万円だけといったこともある。そうすると表向き事業費50万円でやってます、ということになるが、実は人件費は年間1億円くらいかかっている計算になる。1億円もかけてこの程度かと思われるようなものでも、誰もその無駄に気がつかないわけである。
 そういった状況において、この「トータルコスト予算分析」という手法はそれなりに意義あることと思える。それにしても、これからの時期、一番人手を投入しているのが予算編成関係の作業である。まず、このコストを人件費の面から見直してみるのが先決なのかも知れない。
 獲得した予算より、そのための資料作成コストの方が高かったなどという話はあながち冗談ではないのである。


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