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てらまち・ねっと



 畑をやっている人は、この10日ほどの涼しさに、秋冬野菜の作付けに戸惑いを感じている人も少なくないだろう。
 ずっと以前はこの程度の気温が普通だったはず。

 暑いから遅らせようとしたのに・・・
     先週水曜日8月20日
      ⇒ ◆温暖化の影響はどう出るのか/今年の秋冬野菜の作業は遅らせる

昨年より1週間遅く8月21日に蒔いた
(左)桜島大根や菜っ葉類  (右)ニンジン (8月26日の写真)
虫除け資材や黒寒冷紗で保護
    

抑制のササゲやキュウリ
    
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

8月21日の種まきは 遊び的 。
このあとは、9月1日に蒔く予定

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ここのところ5位、6位あたり

●主要県産米の「コシヒカリ」や「ハツシモ」の品質低下が深刻化
 朝日新聞県内版 2007年11月14日
 
 県産米、劣化深刻

 左側が高温障害の玄米。
 右側の1等米と比べて白っぽい米が多い

 原因に考えられるのは地球温暖化による夏の異常高温だ。岐阜と中濃、西濃の平野部の水田は、品種や栽培法が現状のままだと将来的に稲作に不向きな土地となる恐れも指摘されている。県は「平野部の米の収穫量と品質のマイナスは避けられない」として、温暖化に対応する新品種を研究している。(保坂知晃)

 「米が細くなった」
 羽島市内で農家を営む西川光弘さん(40)は昨年、ハツシモを届けた得意先の飲食店から指摘された。「自然相手だからどうしようもない」と説明したが、「今年も最悪だった。来年も同じ気候になるだろうな」と不安を隠さない。

 今年のハツシモのうち売り物になるのは6俵半(約390キロ)くらい。例年7、8俵はあった。西川さんは「猛暑が続けば、九州の品種に換えることも考えなければならないだろう」という。
 県によると、ハツシモは成熟する時期が、70年代と比べ約1カ月も早くなった。収穫期の9月に厳しい残暑が長引くため、成熟後の劣化が早く、収穫適時は長くても10日間ほど。農家の「刈り遅れ」によって米が割れるなどの品質低下が後を絶たない。

 一方、主にコシヒカリに顕著な高温障害は、実が養分を蓄える「登熟期」に高温にさらされて起きる。大半は8月にあたり、活動を抑えるはずの夜に高温が続くため、稲の呼吸が荒くなって養分を浪費。人間同様に夏バテを起こす。米の表面が白くなり、パサパサした食感になるという。
 こうした米は、高値で取引される1等米からはじかれる。
2等米では60キロ当たり約千円の差がつく。「大規模農家になるほど影響は大きい」(県農産園芸課)。

 07年産コシヒカリの1等米比率は57・7%(10月15日現在)で、過去5年で最低水準。ハツシモも2年連続で15%台で推移している。
 高温が稲の生育に影響を与え始めたのは94年ごろ。県農業技術課の高橋宏基さん(50)は「そのころまで高温障害という言葉すらなかったが、近年は高温障害が常態化している」と話す。

 岐阜地方気象台によると、00年以降の8~9月の岐阜市内の平均最高気温は70年代と比べて2度近く上昇。飛騨や東濃の中山間地に比べ、岐阜や西濃、中濃の平野部では影響が大きい。
 県などは98年ごろから、コシヒカリの栽培農家に田植え時期を10日前後遅らせ、登熟期が猛暑と重なるのを避けるように呼びかけてきたが、安定した効果は上がっていない。県は10年を目標に温暖化に対応した新品種「新ハツシモ」(仮称)の開発を目指している。

●コメ作りでも温暖化防止 水量調整や堆肥でメタン削減  朝日新聞 2007年11月26日16時02分
 地球温暖化をもたらす温室効果ガスの一つ、メタンが水田から発生する量を減らすため、田んぼの水を枯らしておく期間を長くしたり、堆肥(たいひ)の利用を促したりして発生を抑える農業を広げる取り組みが来年度から始まる。農林水産省が効果と影響をみる試験に乗り出し、農家向けマニュアルをつくる。10年度には二酸化炭素(CO2)換算で年間約18万1000トンの温室効果ガス削減が期待できるという。

 メタンはCO2の21倍の温室効果があり、京都議定書が規制する対象ガスの一つ。水田からの排出量はメタン全体の約4分の1を占める。
 農水省によると、水を張った田んぼでは空気を嫌う細菌が活性化して有機物を分解し、メタンが発生しやすいが、これまでの研究では、水が干上がった状態だと22~51%排出を減らせる。

 また、収穫後の稲わらをそのまま土に混ぜる「すき込み」をするより、稲わらをいったん取り出して牛ふんなどとともに堆肥を作って土に戻した方が、手間はかかるがメタンの排出を25%程度減らせるという。

 そこで農水省は、通常は稲の茎が増えすぎないように6月に1週間ほど水を干しているのを前倒しして2週間ほどに期間を延ばすことや、国内で6割ほどを占める稲わらのすき込みを12年までに4割ほどに減らし、その分を堆肥利用に替えることを目標とする。福島県で実地研究したところ、水干しを1週間程度延ばしても収穫量は変わらなかったという。

 農水省は、これらの施策を進めるために08年度予算に7億7000万円を概算要求。まず全国8カ所ほどで水干し期間の延長を試し、品質や収穫量に影響がないかを調べてデータを収集、その結果に応じて農家向けマニュアルを作る。議定書の約束期間(08~12年度)内に削減への取り組みとしてスタートさせることを目指す。

 堆肥利用では、全国のコメ農家と畜産農家の連携を進め、稲わらと牛ふんなどの交換を促す収集運搬などの態勢を整え、堆肥を作る施設や、まく機械の整備も進める。田んぼだけでなく畑でも肥料の量を抑えることで、温室効果ガスの一つである一酸化二窒素の排出抑制も目指す。

 これらの対策は、京都議定書の目標達成のために見直しが進められている政府計画に、追加対策の一つとして盛り込む方針。政府が必要とする2000万~3400万トン(10年度見通し)の追加削減量の1%未満にとどまるが、農水省は「農業は温暖化の影響を受けやすく、少しでも脱温暖化に貢献したい」としている。

●温室効果ガス:CO2削減「農地は吸収源」検討 「ポスト京都」政府が姿勢転換  毎日新聞 2007年11月27日
 京都議定書後(ポスト京都)の温室効果ガス削減の枠組み交渉へ向け、政府は農地を二酸化炭素(CO2)の吸収源として位置づける検討を始めた。CO2削減の手法が広がることに加え、農業が地球環境に果たす役割が評価されることにも期待している。農林水産省は、30日に開く食料・農業・農村政策審議会の地球環境小委員会などで、土壌や農法ごとのCO2吸収・排出量の試算などを本格化させる。

 農地に堆肥(たいひ)や稲わらなどの有機物を投入すると、一部は微生物に分解されCO2が放出されるが、残りは分解しにくい腐植物質に変わり炭素が土壌に長期間蓄積される。土壌に蓄えられている炭素は大気中の2倍以上に上るという。

 農水省の試算では、日本全国の農地に有機物を与えると、京都議定書の第1約束期間(08~12年)の削減目標の約1割に当たるCO2を吸収できる。メタンなど温室効果ガスを放出するため、放出量を差し引くとどうなるか精査している。
 京都議定書でも各国が農地を吸収源として選択できるが、選択しているのはスペインなど4カ国だけ。日本は吸収量算出のデータが不十分だとして選択しなかった。

●農作物、温暖化の影響じわり コメやリンゴ品質低下、日経調査  日経 2008.08.02
 コメや果物などの農作物に、地球温暖化の影響とみられる被害が広がっている。日本経済新聞が47都道府県を対象に実施した調査では、コメの品質低下が西日本を中心に深刻化。リンゴやミカンなどにも影響が出ていた。一方、関東地方では南国特産果物の栽培研究も始まっており、温暖化が農業地図を変えることになりそうだ。

●【JAひだ】営農情報  2007年12月
(1)現地の現象 
 水稲は夏季の高温・乾燥障害が、西日本を中心に広い地域で発生しています。
深刻なものに、白未熟粒や胴割れ粒・斑点米などでの、収量・品質低下があります。
 中でも白未熟粒など、高温障害の発生は47都道府県中39県で問題となっています。また、斑点米・カメムシ類の分布域も拡大し、被害発生が増加傾向を示しています。
 
(2)適応策
 登熟期の高温を避けるため、普通栽培では遅植えや晩生品種の利用、早期栽培では早植えや極早生品種の導入が有効とされています。

●『サンパチェンス』シリーズの環境浄化能力の研究概要  サカタ種苗
1.研究着手の経緯
 インパチェンス属の種間雑種により当社が開発した『サンパチェンス』シリーズの最大の特長は、生育が画期的に旺盛で、夏の暑さに強いことです。1株で鉢植えの場合約60cmになり、露地植えで秋までに約1mもの大株になります。開花持続性にも優れ、夏の高温期から秋の低温短日期まで長く楽しめます。また、生命力が強く根張りがとてもよいため、強い風などにより倒れても、すぐに回復するなど、厳しい気象環境に非常に強いことも大きな特長です。

●地球温暖化の影響(2)|お役立ち情報|製品情報|   日本農薬株式会社
 水稲以外の農作物に対する温暖化の影響については、2007年2月の農水省の調査によれば、
 ①温州みかんでは生理落果の増加、日焼け果や浮皮症の増加、着色不良、ダニ類の多発、そうか病やかいよう病の多発など。
 ②ぶどうでは凍害の発生、発芽不揃い、着色不良、ダニ類の多発など。
 ③梨では凍害の発生、果肉障害の発生、「新高」のみつ症の発生、ダニ類の多発など。
 ④りんごでは凍害の発生、生理落果の増加、果肉軟化(貯蔵性低下)、ハダニやカメムシ類の多発、輪紋病や斑点落葉病の多発が各地からあげられています。

 野菜でも地球温暖化の影響が指摘されています。
 ①いちごでは花芽分化遅延、生育不良など。
 ②トマトでは夏場の高温による着色不良、昼夜温格差減少による糖度低下など。 ③ほうれんそうでは発芽不良、葉焼症の発生、抽台の発生、寒締め効果の低下など。
  これらの温暖化現象に対する対策については、現在、農水省が中心に鋭意検討中で、今秋、発表があるでしょう。

●農林水産省地球温暖化対策総合戦略  農林水産省  平成19年6月
  ・・・1ページ・・・
 ・・・また、地球温暖化適応策についても、これまでの高温障害等の農作物被害の発生状況、地球温暖化の進行が農林水産業に与える影響に関する予測研究による知見等を踏まえ、今後の取組のあり方について検討を進めてきたところである。 

 ・・・4ページ・・・
 一方、我が国の農林水産業への影響については、全国調査の結果、水稲の高温障害、果実の着色不良、病害虫の多発等が確認されており、この要因については、直接的には短期的な気象変動による高温影響によるものであるが、背景には長期的な気候変動(地球温暖化)が影響している可能性が高いと考えられる。 

  ・・・20ページ・・・
 水稲は近年、北海道で豊作が続く一方で、九州を中心とした西日本では不作が続いていること等により、温暖化による水稲生産への影響に関心が高まっている。

 ・・・21ページ・・・
 気候変動により、農業生産基盤である農地・農業用水・土地改良施設が被る影響については、様々なものが考えられる。海面上昇の影響としては、沿岸農地の排水機場の能力不足等による安全性の低下、水資源への影響等が懸念される。また、暖冬・少雨の影響は春期の融雪水等を用水源とする稲作地帯にとって深刻な問題となるおそれがあり、気温上昇に伴う用水管理への影響や、無降雨日数の増加による土壌の乾燥、生育不良等の畑地への影響も懸念されている。

 他方、豪雨の頻発、降雨強度の増加の影響は、農地土壌の侵食、土地改良施設への被害、農村地域の浸水などの脆弱性の拡大を招くことが懸念される。
 
  ・・・23ページ・・・
<これからの取組>
 ・・地球温暖化の影響、作物別需給見通し、適応策導入コスト等を要素とする作物転換評価システムを開発する。・・・・・(つづく)
 
( なお、2008年7月に一部改定された  一部改定版 )

●温暖化影響に関する説明資料目次  環境省 2007年3月   説明資料 の目次。一部は抜粋
【温暖化の基礎知識】
 1.世界の年平均気温・上昇のグラフ

 10.将来の温暖化予測結果
  【農業・漁業への影響】

 11.コメ:苗の移植日変更栽培方法の変更が必要
 ・コシヒカリの栽培では、温暖化した場合に苗の移植日程を現在のまま続けると、東北地方南部から南の多くの地域で、50年後に約10%の減収が見込まれる。
 ・温暖化が進んでも、苗の移植日を現在より4~10日早めると、東北地方南部から南の多くの地域で、5~20%の増収が見込まれる。

 12.コメ:品質の低下
 栽培方法や品種を変える、害虫の対策技術を確立する、などの対策をとらないと、高温障害や害虫被害が増加する。

 13.コメ:九州の予測(水田の水不足)

 14.果樹:りんごの色づき
 りんごが着色する時期に高温が続くと、着色の進行が遅れてしまう。
(写真提供:(独)農業・生物系特定産業技術研究機構杉浦俊彦)

 15.果樹:りんごの生産適地温暖化が進むと、りんごの栽培に適した気温(年平均7~13℃)の地域分布が変わる。

 16.果樹:うんしゅうみかんの生産適地温暖化が進むと、ウンシュウミカンの栽培に適した気温(年平均15~18℃)の地域分布が変わる。

 17.野菜:トマト、ピーマンなど
 夏や秋の気温が高いと悪影響が生じる
 •トマト:腐る、糖度が下がる、実が軟化する、実がつきにくい
 •ピーマン:実がつきにくい、日焼け、腐る
 •キャベツ:結球しない
 冷涼な気候を好む野菜の多くは、気温が高くなると生産性が低下する。
ハウス栽培では冬に暖房が要らなくなるなどの効果が予想される場合もある。しかし、さまざまな悪影響に対応するには、栽培管理の技術を温暖化に合わせて変更していかなければならない。

 18.お茶:冷涼地域の産物への影響
 出典:農林水産省(2002)
 近年の気候変動の状況と気候変動が農作物の生育等に及ぼす影響に関する資料集秋冬の気温が2℃上がると休眠期が短くなり、一番茶の生育・収量・品質が悪化する。
 •さらに一番茶の時期の気温も高いと、葉が早く硬くなってしまい、お茶の品質に影響する。
 気温が上昇すると、今より北の地域でお茶の栽培が可能になるかもしれない。しかし実際には、お茶の特殊な栽培・製造技術、工場などがあるのは現在のお茶栽培地に限定されており、産地が拡大する可能性は大きくない。
 
 悪影響を防ぐには、作付けする品種や栽培方法の変更、新たな防除技術の開発などが必要になる。

 19.農業全般:病気被害の影響増大
 •コメ:高温で発生しやすい紋枯病、もみ枯細菌病が多発・北上する。高温で抑制されるいもち病は、危険地帯が北上する。
 •野菜:夏の地温が高いと、白絹病やナス科の青枯病が増加する。
     冬の気温が高いと、ネギさび病の病原菌が越冬する量が増える。

 20.農業全般:害虫被害の影響増大
 気温が上昇すると、害虫の個体数や発生回数が増加する。冬の低温で死滅していた個体が生き残る率も増える。
 •コメの害虫:ニカメイガ、ツマグロヨコバイ、ヒメトビウンカ
 •野菜・果樹の害虫:ミナミキイロアザミウマ、ハスモンヨトウ、カメムシ、カイガラムシ、ハダニ
 悪影響を防ぐには、綿密な調査や、新たな防除技術の開発などが必要になる。

 21.コメ:稲の害虫増加予測
 ヒメトビウンカの6月1日時点の世代数。温暖化によって気温が上昇すると、2世代から4世代も発生する地域が増加し、全くいなかった地域にも侵入する可能性がある。

 22.スケトウダラの漁獲量【海面上昇による影響】
 •冬季に沿岸の水温が高いと、漁獲量が減る場合が見られる。
 →産卵に適した水温の深さまで潜るので、浅い海域には群れが来なくなる。温暖化が進行すると、現在のスケトウダラの漁場、特に産卵場が消滅してしまうおそれも懸念される。

 31.日本脳炎のリスク地域拡大
 日本脳炎ウイルスは、水田で発生するコガタアカイエカが媒介する。夏の気温が高い年にウイルスの活動も活発になる。温暖化により、コガタアカイエカの生息域が拡大したり活動が活発になったりすると、日本脳炎のリスク地域も拡大する可能性がある。

 34.熱中症による患者発生
 平均気温30℃、最高気温35℃を超えると患者が急増
 温暖化により気温が上昇すると、これらの健康被害が増加する可能性がある。


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