8月22日(土)に、自治ネットが主催した高浜市の森市長の講演会。会場には、この自治ネットの設立メンバーの一人(今は退会)の片岡さん(今は、岩倉市長1年目)も参加。
「まちづくりの原点」-愛知県高浜市の森貞述市長-
9月で市長20年になるので、まず、そのまとめをしたい。
高浜市は介護保険料が高い。それはサービスのメニューが豊富なことの反映だ。
そして、「福祉」というのは地域の産業であり、地域の人の仕事を作り出す「内需」だ。
いわゆる2007年問題、つまり、団塊の世代の人たちのことがある。これらの人たちについて、社会でどう居場所を確保するか、それが行政の仕事だ。ただし、「入口」を作るだけであって、実際に動くのは住民の皆さんだ。人が地域の中で循環するように仕組む。
団塊の世代、そういった実力のある人たちを生かす。それが私たち役所の側。
市民の中のやりたい、という人たちを発掘し、必要な教育をし、自分たちのことは自分たちで、やってもらう。そこで、新たな人材が生まれる。そういうことが我々の仕事だ。
地域内分権のこと。高浜の地域内分権、それは「まちづくり協議会」だ。地域のことは地域の人が考える。自分たちのことは自分たちでやる、それが一番効果が上がる。行政の職員が思いつかないことをやる。行政は、かなわない。
「まちづくり協議会」には、権限と財源を渡す。そうすれば、きちっとお考えになる。
額は、個人の市民税の1%をメドにしている (約2600万円)。
市民の皆さんは、議論の過程をとおして、さらに前向きになっていく。
高浜市は、人口3万2千人のまち。小学校区単位のまちづくり協議会。公園の整備管理なども自分たちでやる。地域通貨も作っている。整備の仕事をした人のお礼に地域通貨を渡す。例えば、地域通貨をもらった人が喫茶店に行って、それを使う。地域内循環だ。
果たして、国や県の護送船団の一番後ろから行くのがいいのか。私は、間違っていてもいいから、まずやってみる。失敗したら直せばいい。
確かにリスクはあるが、失敗しても、市民も達成感はある。
そいう繰り返しの中で、市民は伸びていく。
私は自分自身が差別化をすることだと思っている。
よそがやっているからうちも、そういう同じことをやっていくと、財政規模や人口、面積の多いところが強いに決まっている。
次は、自治基本条例をつくろうと進めている。議員さんも一緒に。
私たちは、地域の計画、それを市の基本計画に反映させる。今、それぞれの地域から、計画が出そろっている。役所で職員が議論をたたかわせて作るより、ずっといいものになっている。
住民自治だ。
自分で総括をすると、どんなことがあっても、自分の軸足をブレさせないこと。
これは、会場におみえの岩倉市長へのエールでもある。 |