87.漢方の虚証と実証 から
漢方には、体質を虚証と実証という分け方があるのをご存じのかたも多いと思います。ご自分がどちらに入るか、案外勘違いしておられる場合もあるようですので、わかりやすく書いてみましょう。
勘違いなさりやすいのは、太っているから実証、痩せているから虚証ということです。最近では太っているかたが虚証の場合も多いです。
特に最近の若いかたたちは、体格が良いように見えても、虚証に入るかたが多いようです。
また、高齢者のかたは、ほとんどが肉体的には虚証に入ります。
1.実証タイプ
体格、体型: 骨格ががっちりしている。筋肉質で堅太り。
顔色、皮膚: 顔色が良く、皮膚につやがある。
食欲、便通: 良好
適応力: 暑さ寒さに適応する能力が高い、疲労の回復が早い、
ストレスに強いなど環境の変化に適応する能力が高く
柔軟な対応ができる。
精神状態: 情緒安定、意欲的、楽観的
2.虚証タイプ
体格、体型: 骨格が華奢。やせ型か水太り。
顔色、皮膚: 顔色が悪く、皮膚につやがない。
食欲、便通: 不調
適応力: 暑さ寒さに敏感で適応力が弱い、疲労がなかなかとれ
ない、ストレスに弱いなど環境の変化に適応する能力が
低い。
精神状態: 神経過敏(不安感、焦燥感)、悲観的
以上のようなことが目安になりますが、痩せていても、骨格がしっかりしていて、適応力の強いかたは、実証タイプであり、体格は良くても、ひどく汗をかいたり、寒がりのかたは、虚証タイプとなります。
私の経験ですと、以前より虚証タイプが多くなり、若いかたで体格の良いかたでも実証タイプが少なくなって、肉体的にも精神的にも頼りなくなっているようで、さみしく感じます。
皆さんはいかがでしょうか? |