●パナソニック:赤字最悪7800億円 社長「改革急ぐ」--3月期予想
毎日新聞 2012年2月4日
パナソニックは3日、12年3月期の連結業績予想について、最終(当期)損益を従来見通しの4200億円の赤字から、7800億円の赤字(前期は740億円の黒字)に下方修正すると正式発表した。02年3月期の赤字4277億円を上回る過去最悪で、通期赤字は2年ぶり。大手家電の連結最終赤字として過去最大だった日立製作所の09年3月期の赤字7873億円に次ぐ水準。
三洋電機を買収した際に発生する「のれん代」(ブランド力や販売競争力などへの対価)について、年末にかけてのリチウムイオン電池の価格下落などで価値が低下したとして、2500億円分を損失として処理した。このため、薄型テレビや半導体事業縮小による構造改革で昨年10月、下方修正したばかりの最終赤字がさらに拡大した。
タイの洪水被害や欧州債務危機などで不採算事業が増えた結果、営業利益を従来予想の1300億円から前期比90・2%減の300億円に減らした。営業黒字は10年連続を維持する見通し。売上高は従来予想の8兆3000億円から、同8・0%減の8兆円に下方修正した。
本業の柱であるテレビ事業は3年連続の営業赤字になる見通し。欧州債務危機による世界的な景気悪化や、地上デジタル放送完全移行前の駆け込み需要の反動減などで薄型テレビの売り上げが振るわなかった。販売目標は1800万台に下方修正した。昨年10月に引き続き、さらに100万台減らした。
東京都内で記者会見した大坪文雄社長は「巨額の赤字を計上することになり、社会の皆様への責任の重さを痛感している。改革を急ぎ、12年度には何としても業績のV字回復を目指す」と述べた。
11年4~12月期連結決算は、最終損益が3338億円の赤字(前年同期は1147億円の黒字)。売上高は同10・3%減の5兆9653億円、営業利益は同85・0%減の395億円。【宮崎泰宏】
●【個別銘柄】パナソニクは34年ぶり安値、
ブルームバーグ 更新日時: 2012/01/16 16:23 JST
パナソニック(6752):2.1%安の616円。一時613円とブルームバーグ・データによれば1978年3月以来、約34年ぶりの安値を付けた。
輸出関連株全般が売られた流れに加え、シティグループ証券では13日、目標株価を従来の780円から670円に引き下げた。
世界的な景気低迷から目先の業績回復は期待しにくいとし、同証による2012年3月期の連結営業利益予想を1805億円から927億円に、13年3月期は3282億円から2579億円に下方修正した。
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