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てらまち・ねっと



 新政権が公共事業に大きく膨らんだ補正予算を組むとされていた。
 その概要が明らかとなったと報道されている。
 土木・建設中心の印象。しかも、短期の事業中心。

 そのあたりの今の政権のネライを開設した「週プレニュース」というのが面白かった。

 ★ タイトル「アベノミクスの狙いは国民の生活向上ではなかった?」
  記事中から抜粋
  「生活者が実感できるような景気回復は望めるのか。
  『自民党政権にとっての景気対策は、国民の生活を向上させることを目的としていません。
   第一の目的は、消費税率を上げるために名目上の経済成長率を上げることです。
   2014年度に予定されている消費税率のアップは、2013年10月の時点で直近の景気状況を見て決めることになっています。
   その判断材料となるのが、『4月~6月期』の経済成長率です』
  従って、安倍政権は景気対策に関して悠長なことを言っていられないのだ。」

  「『4月から6月までの期間に経済を活性化させるためには、その前に“足の速い”景気対策を打たなければならない。
    つまり、小規模な公共事業を数多くやるのです。」

  「“小規模な公共事業”とはどういうことか? 
    『事業の開始も完了も早く、業者の選定も契約も早く、お金の支払いも早いという、足の速い小型事業を中心に行なう。
     細かいことを積み重ねて民間にお金を流し、名目上の経済成長率アップを狙うのです』」


  そして「国の支出が10兆円なら、地方負担分も合わせた事業規模全体では17、18兆円くらいになる。必ずそれなりの経済効果は出ます」
 と結ぶ。

 飛びつく地方公共団体のことも見越せば、一時薄れた関係性も強化するし、借金は地方でも「自己選択として」分担してもらう、という筋書きか。

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●公共事業2兆円超 補正予算案、総額10兆円規模に
            朝日 2013年1月5日
 安倍内閣は15日にまとめる今年度補正予算案の規模を事業費ベース(国や自治体などが出す総額)で10兆円ほどにする方向で調整に入った。
景気対策の柱になる公共事業は国費(国の支出)が2兆円を超え、自治体などを含めた事業費ベースでは3兆~4兆円になる見通しだ。


 昨年末から年明けにかけて各省庁が要望を出し、自治体などが負担する分も含めた事業費ベースで10兆円ほどに積み上がる見通しになった。
政権は近く緊急経済対策をまとめることにしており、補正予算案もその一環として景気を底上げするための事業が多い。

 とくに、衆院総選挙で自民党が「国土強靱(きょうじん)化」を掲げたこともあり、公共事業をふくらませる。
政府関係者への取材では、国費は、道路整備など国土交通省分だけで1兆5千億円を超え、農林水産省分なども合わせた公共事業全体は2兆円・・・


●国交省、防災を柱に1兆~2兆円 補正予算案で
              2013/01/05 02:00 共同通信
 2012年度補正予算に向け、国土交通省がまとめた主要政策の概要が4日、分かった。
インフラの老朽化対策や住宅の耐震化などの防災・減災対策が柱で、国費ベースで1兆~2兆円程度を計上する方向で調整している。
自民、公明両党が衆院選で訴えた「国土強靱化」「防災減災ニューディール」の具体化第1弾で、政府、与党の調整を経て補正予算案に反映させる。

 東日本大震災を教訓として首都直下地震、南海トラフ巨大地震に備えるとともに、成長分野への投資で経済活性化も狙う。
13年度予算の概算要求に盛り込んだ事業の前倒し分も含まれている。
(共同通信社)


●電柱地中化など重点 10兆円補正予算案
              朝日 2013年1月3日17時14分
 安倍政権がまとめる10兆円規模の今年度補正予算案について、財務省がまとめた重点項目が判明した。
公共事業と新産業育成に力点を置き、「電柱地中化」や「全国防災事業」を充実させる。「電気自動車(EV)の導入促進」で省エネにも配慮する。

 公共事業では道路にある電柱の地中化のほか、学校耐震化にも力を入れる。山梨県の中央自動車道「笹子トンネル」の崩落事故を受けた道路や橋の「老朽化対策」も盛り込む。
 新産業育成ではEV導入促進のために充電スタンドなどインフラ整備を進める。経済対策として「中小企業支援策」も盛り込む。

 「高齢者の医療費負担軽減」も進める。70~74歳の窓口負担は本来2割だが、民主党政権以来、国費投入で1割に据え置いてきた。これを当面継続するため補正で2千億円をあてる。
(座小田英史、田伏潤)

●アベノミクスの狙いは国民の生活向上ではなかった?
             週プレニュース - ‎2012年12月25日‎
12月26日、ついに安倍内閣が発足する。
原発、TPPなど国民が新政権に期待するものはさまざまだが、なかでももっとも注目されるのは安倍首相の景気対策「アベノミクス」だろう。
実際、マスコミ各社が行なう世論調査でも、同様の回答がもっとも多かった。

マーケットは安倍政権の正式発足前から反応し、株価が急上昇しているが、生活者が実感できるような景気回復は望めるのか。財務省のキャリア官僚、S氏に聞いた。

「イエスともノーとも言えます。自民党政権にとっての景気対策は、国民の生活を向上させることを目的としていません。
第一の目的は、消費税率を上げるために名目上の経済成長率を上げることです。
2014年度に予定されている消費税率のアップは、2013年10月の時点で直近の景気状況を見て決めることになっています。その判断材料となるのが、『4月~6月期』の経済成長率です」
従って、安倍政権は景気対策に関して悠長なことを言っていられないのだ。


「4月から6月までの期間に経済を活性化させるためには、その前に“足の速い”景気対策を打たなければならない。
つまり、小規模な公共事業を数多くやるのです。これが結果的に“一部の国民”の生活向上には寄与しますが、あくまで本当の目的は名目上の経済成長。多くの国民は実感できないと思います」
(S氏)

“小規模な公共事業”とはどういうことか? 国土交通省のキャリア官僚、T氏が解説する。
「ダムとか海底トンネルの掘削とか、大型で工事完了まで時間のかかる事業は経済効果が表れるのも遅く、『4月~6月期』に間に合いません。
大規模事業は業者の選定からして競争入札などで時間がかかるし、用地買収が伴う事業など何年かかるかわかったものじゃないので問題外です。

逆に事業の開始も完了も早く、業者の選定も契約も早く、お金の支払いも早いという、足の速い小型事業を中心に行なう。
場合によっては、事業の中間点で支払う半金を5割ではなく6、7割払うとか、細かいことを積み重ねて民間にお金を流し、名目上の経済成長率アップを狙うのです」

例えば、最近発生したトンネルの崩落事故を受けて、高速道路だけではなく、一般道のトンネルや橋の打音検査を行なう事業などが、この“小規模な公共事業”にあたる。
そのほか、公共インフラ系の耐震診断、補強、港湾の防潮堤や河川の堤防補強工事、一般道の舗装工事なども“足が速い”と、前出のT氏は言う。

そんな安倍内閣は10兆円規模の大型補正予算を組むことが予想されているが、どれくらいの経済効果が期待できるのだろうか?

「公共事業は、その全額を国が負担するわけではありません。例えば地方の道路は地方の負担分もある。国と地方の負担割合はケース・バイ・ケースですが、ザックリいうと、国の支出が10兆円なら、地方負担分も合わせた事業規模全体では17、18兆円くらいになる。必ずそれなりの経済効果は出ますよ」(T氏)

確かに「アベノミクス」の経済効果はあるかもしれない。
だが、その目的があくまで消費税率アップのために『経済成長率』を上げることにあるなら、実際の国民の生活に寄与することはほとんどなさそうだ。
(取材・文/菅沼 慶)





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