昨日、官民監査是正のための公務員の退職金の減額、その制度改正に伴って、適用を免れようと駆け込み退職者が多発していることを調べてみた。
3月末で退職すると退職金が150万円ほど減ることになるので、2月1日とか3月1日の自治体ごとの条例の施行日前に辞めよう、というわけ。
一昨日の埼玉県の大量退職報道で、各地で駆け込み退職が確認されたらしい。
しかも、”埼玉ショック”の報道でなお、広がる可能性あり、という。
国家公務員が1月1日から減額になったから、早めに減額してかまわないし、そうすれば公金の支出も少なくて済む、それが行政の立場。
早く辞めて退職金がたくさんもらえるなら、早く辞めた方が生活設計としては得策、という職員個人。
その思惑の揺れ方だろう。
びっくりしたのは、大阪府とか京都府では、この年度末に突然の欠員が出ては困るので早期退職者も再任用する方向で検討、ということ。
いったん早期退職することで退職金は減らず、しかも、退職後は給料はちょっと減るけど、3月末までは仕事を続ける・・・なんと公務員冥利な対処方法か。
なお、議論されている主流が、退職金減額条例の1月や2月や3月の施行でなく、4月からにしたら、そんなことらしい。
つまり、減額実施は1年先送りにしよう、ということ。これは本質的な骨抜き策か。
あまりの庶民、市民離れした役所の現実に、ついつい報道を記録した。
ところで、今日は、今度の土日に名古屋でする勉強会「市民派議員塾」の講師としての資料作り。
午後一には、新聞記者が「来週の地裁判決」の訴訟資料を取りに来る。
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●愛知県警、早期退職に200人 3月から退職金引き下げ
中日 2013年1月23日
職員の退職金の引き下げを盛り込んだ愛知県の改正条例が3月1日に施行されるのを前に、3月末に定年を迎える予定の県職員が相次いで早期退職の意向を示している。
条例施行前の2月中に退職すれば、退職金が施行後に比べて平均で150万円多くなるためだ。
約300人が定年を迎える県警では既に、100人以上が辞職願を提出。県警関係者によると、2月中の退職者は最終的に署長級も含めて200人前後となる見通しだ。
県警幹部や学校教諭が大量に退職すれば現場に大きな影響が出かねないため、関係部署は早期退職者数の把握に乗り出すとともに、対応策を検討している。
国家公務員の退職手当を減額する法改正に伴い、愛知県では昨年12月議会で条例改正案が可決され、退職金の引き下げが決まった。国は1月1日の施行だが、県は周知期間を考慮したほか、2012年度の人件費削減の狙いも込めて3月1日の施行を決めた。
対象となる12年度の定年退職者数は知事部局と県警が各300人、教育委員会が1400人。県は全体で30億円の削減を見込む。
“駆け込み”退職者の穴埋め策として、県教委は教員の臨時任用や非常勤講師で対応する方針。県警では幹部や駐在所勤務の警官など、空席にできない役職については、本来は3月下旬の定期異動を前倒しして補充する案が有力だ。
愛知県によると、同様の条例は東京、滋賀など14都府県で12年度内に施行される。2月1日に改正条例が施行される埼玉県では、1月末に100人以上の教員が退職する見通しになっている。
◆滋賀、駆け込みゼロ
滋賀県は1月1日から退職金を引き下げる改正条例を施行したが、定年前に前倒しして退職する職員は県教委、県警を含めてゼロだった。3月末までにもらえる月給分の総額と退職金の減額分が、ほぼ変わらなかったためとみられる。
改正条例は2014年7月までに、段階的に退職金を400万円、減らす内容。県によると、3月末に定年を迎える予定の職員が昨年末に退職した場合、退職金は現行に比べて平均で140万円多くなる計算だった。担当者は「12年度末まで働いても、もらえる総額はあまり変わらない。そもそも年度単位で仕事をしており、途中で仕事を投げ出して辞めるのは普通、考えられない」と話す。
三重県でも現在、条例改正を検討中で、4月施行を目指して提案時期などを調整。鈴木英敬知事は「埼玉県のようにならないようにする。年度ごとに、段階的に引き下げる制度設計が妥当」と話した。
岐阜県は知事選が27日に投開票される。担当者は、退職金の引き下げ時期は「新しい知事と相談して決める」と話す。(中日新聞)
●3月現場は大丈夫? 兵庫でも公務員駆け込み退職
神戸 2013/1/24 06:00
職員や警察官らの退職手当を引き下げる兵庫県の一部改正条例が3月1日に施行されるが、県などが、定年を迎える職員の「駆け込み退職」に気をもんでいる。平均約140万~150万円が減額される直前の2月末で退職するケースが続出、3月中の業務に支障が出る恐れがあるからだ。県警では、退職予定者の約3分の1が早期退職の意向といい、対策を検討している。(小川 晶、井関 徹、紺野大樹)
昨年11月、官民の支給水準の均衡を図るため、国家公務員の退職手当を14・9%減額する改正法が成立。各自治体も検討を始め、兵庫県では同年12月、条例の一部改正案が県会で可決された。
県人事課などによると、一部改正条例では、定年退職する職員1人当たり計約400万円を、2015年1月までに段階的に減額する。
12年度の場合、60歳に達している職員が施行前の2月中に退職すれば、施行後と比べて平均で約140万~150万円上回る。3月分の給与を差し引いても多くもらえることから、全国の自治体で駆け込み退職が相次いでいる。
3月末に約280人が退職予定の兵庫県警は、2月末までの退職希望を調査。今月22日現在で3割を超す約90人が手を挙げたという。署長など警視以上の幹部はおらず、警察署勤務が多い。補充人事はせず、各署で人員をやりくりして対応するといい、県警は「影響がないとは言えないが、署同士の連携強化などで乗り切りたい」とする。
県内の公立小中学校や県立高校などで966人の教職員が3月末に定年退職予定の県教育委員会と、241人の対象者がいる知事部局も、近く意向を調査する。県教委教職員課は「あくまで自己都合なので責められることではないが、前倒しで退職する職員が多くなるのでは」とみる。
職員からは「年度初めの4月1日施行にすれば駆け込み退職は発生しなかった」との不満も漏れる。県人事課は「国の方針に従い、12年度中の施行を目指し、職員への周知にも配慮して3月1日にした」としている。
●署長も!愛知県警“半数”駆け込み早期退職
スポニチ 2013年1月24日
埼玉県で職員の退職手当減額を前に“駆け込み退職”を希望する教員が続出した中、愛知県でも警察官や教職員に大量の駆け込み退職希望者がいることが23日、分かった。
愛知県警では3月末に定年退職を迎える警察官と職員の半数が既に辞表を提出している。中には署長クラスなど補充が不可欠な幹部もおり、県警幹部は「無責任。部下に示しがつかない」と怒っている。
愛知県が退職手当を引き下げる改正条例を施行するのは3月1日。これにより、3月末で定年退職を迎える警察官らは同月末まで勤め上げるより、2月末で退職した方が、1カ月分の給与(平均40万円)はもらえないものの、退職手当が減額(平均150万円)されないため、実質は平均110万円も多くもらえる計算となる。
愛知県警で3月末に定年退職を迎えるのは、警察官と職員で計289人。このうち約半数に当たる142人が2月中に退職する意向を示し、既に辞表を提出。この中には、署長クラスなど補充不可欠な幹部もおり、県警は例年3月の定期異動を2月と3月の2段階に分けて実施するなど、対応を迫られている。
ある県警幹部は「署長クラスの人までが手当のために早期退職するのは無責任。部下に示しがつかない」と憤る。ただ、別の幹部は「1カ月長く働いた上に100万円以上の減額を受け入れろというのは酷。なぜ条例の施行を4月以降にしてくれなかったのか」と話している。
県警は今月10日から早期退職の意向を調査。半数近くが2月に退職すると報道されたことで、早期退職を予定していなかった警察官らから問い合わせが殺到し、締め切りを当初の23日から延長した。期限は未定。
教職員の希望者も出ており、県によると3月末までの県庁の定年退職者は知事部局職員で約300人、教職員で約1400人。県関係者は「(早期退職希望者の)数はまだ把握していませんが想像以上に多そうです」と説明した。
県警分も含めた2012年度の退職手当の削減額は総額で約30億円に上るという。ただ、駆け込み退職者が多すぎると、見込み通りにはいかなくなる。県庁関係者は「条例の施行を4月以降にしてほしかったという声があるが、公務員なら国民、県民の税負担を減らすために奉仕すべき。損得勘定で考えるべきではない」と話している。
●駆け込み退職、9府県で450人超 教師や警官に広がる
2013年1月23日21時39分
国家公務員の退職金減額に伴い、自治体でも条例改正で退職金が引き下げられるなか、退職金の減額前に早期退職する教職員や警察官が増えている。
朝日新聞の調べでは、9府県で少なくとも450人にのぼった。学校教育や治安に影響が出ないか、文部科学省や警察庁が調査を始めた。
「(引き下げ前に)駆け込むために職務を途中で引き揚げていくのは残念としか言いようがない」。23日、全国知事会の記者会見で、会長の山田啓二京都府知事は述べた。
2月から退職金が約150万円減るのを前に、教員ら100人以上が1月末で退職することが明らかになった埼玉県のほかにも、教職員の早期退職が各地で目立つ。
●駆け込み退職 懸念広がる“埼玉ショック”
(2013年1月23日 読売新聞)
改正国家公務員退職手当法が昨年11月に成立したのに伴い、茨城県は県議会3月定例会で県職員の退職手当を、3年間で約400万円引き下げる条例改正案を提出する。
すでに条例を改正した埼玉県では減額を免れるため、教職員らが定年退職前に自己都合で辞める「駆け込み退職」が相次いでおり、茨城県内でも懸念が広がっている。
退職手当の引き下げは、官民の格差是正を目的に国が昨年11月に法改正を実施、総務省が全国の自治体に手当の引き下げを要請している。県は他県の状況を見ながら慎重に検討を続けていたといい、3月定例会で条例改正案を提出する。県議会で可決されれば、定年退職日の3月31日直前の同月下旬に施行される見通し。
県人事課によると、条例改正により退職手当は12年度は約140万円、13年度は約280万、14年度は約400万円の減額(いずれも11年度比)となる。
県内では、条例施行日と定年退職日の間が短いため、自己都合で早期退職しても給与月額の目減り分が少ない。このため、施行日より1日早く退職すれば約140万円の減額を免れることができ、直前の駆け込み退職が相次ぐ可能性がある。
退職手当は自己都合の場合、通常は支給割合が2割ほど減るが、県では60歳以上の自己都合退職は定年退職と同じ扱いとしている。同課の担当者は「学級担任をしているような教職員や要職にある県職員が年度途中で辞めるのは道義的にいかがかと思うが、制度上、止めることはできない」と説明する。
県は25日に県職員組合との交渉で、退職手当引き下げに関する条例改正案を説明する。同組合の清水瑞祥委員長は「退職手当をあてにして生活設計を考えている職員もいる。駆け込み退職が相次げば、現場は混乱しかねない。4月からの施行にしてもらいたい」と話す。今年3月末に退職を迎える県職員は、知事部局約190人、教職員約460人、県警約150人の約800人。県職員の退職手当は1人平均約2740万円(11年度実績)。
市町村職員の退職手当については、市町村長や議長らが議員を務める県市町村総合事務組合で管理しており、今後、引き下げに関する条例改正案が出される見込みだ。
●駆け込み退職「公認」も…3月限定再任用 / 京都
(2013年1月23日 読売新聞)
駆け込み退職を“公認”し、対策を講じる動きもある。
京都府警の場合、条例改正案が施行される3月1日以降に退職した場合、退職金は前年度の退職者より百数十万円安くなる。
府警ではこれに伴い、今春の定年退職予定者154人に対し、引き下げ前の2月末で駆け込み退職した場合に、3月の1か月間限定で「再任用」する案を提示している。定年退職予定者には署長ら管理職も含まれているため、府警は「駆け込みが相次げば警察業務の運営に支障をきたす」と判断したという。
再任用後は原則として退職前と同じ職場でフルタイム勤務するが、給与は減額される。早期退職、再任用の希望人数は現在取りまとめ中という。警察官の再任用は、後継者の指導や育成のために任期は1年とするのが一般的という。
●京都では3月の1カ月限定で再任用策 /公務員駆け込み退職
スポニチ 2013年1月24日
3月から退職金が減額される京都府警が、今春定年退職する予定の154人に対し、2月末で駆け込み退職する場合には、3月の1カ月間限定での再任用を提示していることが23日、府警への取材で分かった。
退職予定者の中には署長などの管理職も含まれ「大量の退職者が出ると、治安維持に影響が出る可能性がある」と判断し、再任用案が浮上した。府警は現在、駆け込み退職者の人数を調査している。府警で再任用された場合、退職前と同じ職場、階級でフルタイムでの勤務となるが、給与は退職前の7割程度になる。京都府も同様の対応を検討している。
●退職手当引き下げ 県、3月1日実施に悩む / 山形
(2013年1月24日 読売新聞)
◆駆け込み退職を懸念
自治体職員の退職手当引き下げに関する改正条例施行前に、駆け込み退職を希望する教職員や警察官が一部の県で相次いでいる。本県は、3月1日施行の条例改正案を県議会2月定例会に提出したい考えだが、県職労など労組側と合意が得られていない上、駆け込み退職の問題も浮上し、対応に頭を悩ませている。
国は退職金の官民格差を是正するため、国家公務員の給与を今年1月から、段階的に約400万円引き下げる法改正を昨年11月に行った。これを受けて総務省は、地方公務員の退職手当についても、速やかに引き下げるよう各自治体に要請した。
県人事課によると、今年度末の定年退職予定者は、県警や教職員などを含めて393人。労組関係者によると、退職金の平均は2600万円前後で、国と同様に3段階で引き下げを行った場合、最初の引き下げ額は140万円程度となる。
仮に、改正条例が3月1日に施行され、2月末で退職すれば、3月末まで勤務した場合に比べ、約100万円多く手にすることができるという。
県は、労使交渉の時間が必要なため、12月定例会での条例改正案提出を見送ったが、2月定例会には提出する方針。ただ、2月1日から退職手当が引き下げられる埼玉県で、今月末に100人以上の教員が早期退職することが判明。22日の山形県の労使交渉は、開始時期などを巡って議論が平行線をたどった。
県関係者は「課長など重要な役職についている人は、責任感から辞めないだろうと考え、3月1日施行の準備をしていた」と打ち明ける。現在のところ、駆け込み退職の希望者はいないというが、「埼玉県などで家計の事情から早期退職が相次いでいるのを見て、本腰を入れて対策を考えなければいけないと話し合っている」と焦りを隠さない。
早期退職者が出た場合の対応としては、職場内でサポートし合ったり、臨時雇用をしたりすることが考えられるという。労組側は「最低でも4月1日施行にすべき」と主張しているが、県側は影響を最小限に抑えるため、施行日を3月半ばにする案の検討も始めた。
県の望月明雄総務部長は「県のサービスを提供する上で何がいいか、他県の状況を見ながら丁寧に検討していきたい」と話した。
◆31市町村は4月実施
山形、米沢、酒田、天童の4市を除く31市町村で構成する「県市町村職員退職手当組合」は、「人数の少ない市町村は年度単位でないと成り立たない」として、改正条例の施行日を4月1日とすることで合意し、労働組合への説明も済ませている。
22日には、東根市長の土田正剛組合長名で、31市町村の職員に改正案を通知した。
国が来年7月までに3段階で引き下げるのに対して、同組合は2015年4月まで、年度ごとに引き下げるとしている。
一方、山形市は「県の対応を参考に検討したいと、労組側に伝えている」と説明。天童市などは「3月の市議会で提案する予定だが、施行日は決まっていない」などとしている。
●県教委 教職員組合に退職金削減「3月施行」打診 / 石川
2013年1月24日 読売新聞
県教委が、公立学校の教職員でつくる二つの教職員組合に対し、退職手当を削減する条例案を2月25日開会の県議会に提案し、3月1日から施行すると打診したことが23日、わかった。退職手当の削減については、2月1日から実施する埼玉県で公立学校教員110人が条例施行前の退職を希望し、後任教員の確保などの対応に追われている。2教組は「学校現場に混乱を招く」などと難色を示し、4月1日からの施行を求めているが、県は施行時期について明言を避けている。
複数の関係者によると、県教委は今月上旬、公立小中学校などの教職員による「県教職員組合」と高校の教職員による「県高等学校教職員組合」でつくる協議会に対し、3月1日から施行する考えを示した。
これに対し、教組側は「拙速だ。周知期間も十分に取れない」「年度途中に退職する教員が出かねず、学校現場に混乱を招く」などとして、4月1日以降の導入を求めた。
しかし、今月中旬の協議でも、県教委は3月1日施行との案を撤回せず、埼玉県の問題が報じられた後も、県教委から教組側に施行日の変更などの連絡はないという。県教委は昨年11月下旬には、国家公務員と同様に、今年1月1日から退職手当を引き下げる考えを示したが、教組側の反対で撤回した経緯があるという。
県教委教職員課は「3月1日施行もあり得ると言っただけで、絶対に3月から始めると言っているわけではない」と説明している。
県が検討中の退職手当を削減する条例は、教職員だけでなく、県の行政職員や警察職員らを含む県職員全体に適用する条例になる予定だ。県職員労働組合は「交渉に影響が出かねないので、いつから施行すると打診されたかは言えない」としているが、県側から早期の施行を求める打診があったことは認め、2教組と同様、少なくとも4月1日施行にするよう求めているという。
改正国家公務員退職手当法は昨年11月に成立し、今年1月1日、10月1日、来年7月1日のいずれも年度途中の3段階で、1年半の間に退職金を平均約400万円引き下げる。総務省は自治体に対し、地方公務員の退職手当の削減を要請し、各自治体が条例改正を検討している。
条例の作成を担当する県人事課の清水克弥課長は、施行時期について「(組合と)協議中としか言えない」と繰り返し、明言を避けた。
埼玉県で教員が駆け込み退職した問題については「埼玉県の事実についてはわからず、対応策は考えていない。条例が成立すれば、職員に周知はしていく」としている。
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