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てらまち・ねっと



 昨年の9月、東京新聞が分かりやすい記事をだし、話題となった。
   「核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可に」
 
 記事は、
   「各原発のプールの空き容量のほか、一年(通常、原発の定期検査の間隔は十三カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。
    そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。」
 というもの。
 具体的に、原発の出口が詰まっていることを改めて示した。

 これに対して、原発推進の産経新聞は、今年2003年1月8日に次の旨の記事を出した。

 「トラブルが続出し完成が何度も延期された使用済み燃料の再処理工場が今年10月、ようやく完成する。
  昨年は政府のエネルギー戦略の議論の中で「サイクル事業からの撤退」という声も上がり、事業自体が揺さぶられた。はたしてサイクルが回る日がくるのか。」
 
 とはいえ、原発推進の産経ですら、
 「ただ、再処理工場が稼動したとしても、ウランとプルトニウムを加工する「混合酸化物(MOX)燃料工場」の完成見込みは28年とまだ先で、
  MOX燃料を投じる高速増殖炉も動いていないため、核燃料サイクルは当面回らない。
  そして最大の課題は最終処分場の予定地が定まっていないこと。」

 と事実直視。
 ともかく、今の政権について原発推進について、日刊ゲンダイは明快。

 「衆院選では、投票した有権者の78%が原発の即時廃止か段階的廃止を希望していたという新聞社の調査もある。数に浮かれている自民党はよく考えた方がいい。」

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●核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可に
            東京 2012年9月4日

 全国の原発五十基のうち約六割の三十三基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなることが、各電力会社への取材で分かった。

新たに中間貯蔵施設を造るには十年はかかり、使用済み核燃料を再処理しても、核のごみは減らず、再生される混合酸化物燃料(MOX燃料)は使う計画がない。原発の抱える深刻な問題がはっきりした。
 

 本紙は、原発を保有する九つの電力会社と日本原子力発電(原電)に、各原発のプールの空き容量のほか、一年(通常、原発の定期検査の間隔は十三カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。

 これまでプールの空き容量は三割強あり、当面は何とかなるとされてきたが、個別に見ると状況はもっと厳しかった。
 東京電力の福島第一5、6号機(福島県)や柏崎刈羽6、7号機(新潟県)は既にほぼ満杯。
同社と原電は共同出資して青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設中だが、まだ完成していない。仮に完成しても、六年ほどでいっぱいになる。

 中部電力浜岡3、4号機(静岡県)、関西電力美浜1、2号機、大飯1、2号機、高浜1、2号機(いずれも福井県)などは一~三年分の空き容量しかない。新しい号機のプールは比較的余裕があるものの、ほかの号機の使用済み核燃料を受け入れると五年前後で満杯になってしまう状況だった。

 東電と原電以外は、再処理工場(青森県六ケ所村)の貯蔵プールを活用したいところだが、既に97%以上が埋まっている。中間貯蔵施設を新設することも考えられるが、むつ市の事例も計画からほぼ完成まで十二年を要しており、とても各原発の厳しい状況には間に合わない。

 十二年分以上の残り容量があるのは、北海道電力泊3号機(北海道)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力川内1号機(鹿児島県)の三基だけだった。


<使用済み核燃料> 原発は定期検査ごとに原子炉内の核燃料をすべて取り出し、4分の1から3分の1程度を交換し、再び炉に戻される。交換作業が問題なく進むよう、使用済み核燃料プールには1炉心分強の空きスペースが必要とされる。使用済み核燃料といっても長期間、放射線と熱を発し続けるため、貯蔵プールでの継続的な冷却が欠かせない。

●核燃料サイクル正念場 昨年撤退論も今秋には再処理工場完成
          産経 2013.1.8
「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」で点検作業を行う作業員ら。海外に使用済み燃料の再処理を委託し、戻されたガラス固化体が保管されている=青森県六ケ所村
 半世紀以上にわたり原子力政策の中核として構想されてきた「核燃料サイクル」が正念場を迎えている。トラブルが続出し完成が何度も延期された使用済み燃料の再処理工場が今年10月、ようやく完成する。
昨年は政府のエネルギー戦略の議論の中で「サイクル事業からの撤退」という声も上がり、事業自体が揺さぶられた。はたしてサイクルが回る日がくるのか。(天野健作)

    ▼19回の完成延期
 透明な水をたたえたプールには、1万体以上の使用済み燃料が保管されていた。青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み燃料貯蔵施設。全国の原発から運び込まれた燃料は2937トン(総容量3千トン)。プールはほぼ満杯だ。再処理工場が完成すれば年間800トン処理できる。原燃担当者は「早く工場を動かさないと」と話す。

 だが再処理は一向に進まない。工場は平成9年に完成予定だったが19回も延期。使用済み燃料から出る高濃度の放射性廃液をガラスで固める「ガラス固化体」工程がトラブル続きだったからだ。担当者は「溶け残った金属が炉の底にたまり、詰まってしまう。温度管理が大変難しかった」と説明する。

 温度を細かく調整し、今月3日には280本目(1本500キロ)のガラス固化体の試験生成に成功。工場完成に向けて、原燃の川井吉彦社長は「安全運転の確認はできた」と胸を張る。

     ▼建設費3倍に
 こうした遅延状況と「脱原発」の流れを受けて、内閣府原子力委員会の小委員会では昨年、「再処理工場の運転をやめるべきだ」との案も出た。投じた建設費も当初計画の7600億円から、3倍となる2兆2千億円に増大。コスト面も含めて、再処理するのではなく直接地層に処分すべきだとの意見に傾きかけた。

 しかし青森県が「私どもはゴミ捨て場ではない。再処理から撤退すれば、たまったものは送り返す」と猛反発。県と六ケ所村、原燃は10年に「再処理を中止する場合は全国の原発から運び込んだ使用済み燃料を搬出元に戻す」との覚書を結んでおり、あくまでも「中間場所」との位置づけだ。

 そもそも国内の原発には約1万4千トンの使用済み燃料がたまっており、貯蔵プールは7割が埋まっている。再処理がなくなれば、行き場のない燃料体が次々と出てきてしまう。

再処理から出るウランの資源価値も資源小国の日本にとって見過ごせない。国際原子力機関(IAEA)によると、ウランの採掘可能年数は約80年。再処理ができれば「準国産エネルギー」として利用できる。

 再処理事業を行っている国は、フランス、英国、ロシアの3カ国だけ。日米原子力協定により、日本は非核兵器国の中で唯一認められている国だ。韓国も触手を伸ばしているが、朝鮮半島で核開発競争が始まりかねないため、米国側が難色を示している。

 ただ、再処理工場が稼動したとしても、ウランとプルトニウムを加工する「混合酸化物(MOX)燃料工場」の完成見込みは28年とまだ先で、MOX燃料を投じる高速増殖炉も動いていないため、核燃料サイクルは当面回らない。

 そして最大の課題は最終処分場の予定地が定まっていないこと。
海外に再処理を委託して戻されたガラス固化体は千本以上あり、六ケ所村の「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」に一時保管されている。再処理工場が動けばさらに増える。

 こうした廃棄物の行き先が未定であることが、原発が「トイレのないマンション」といわれるゆえんだ。処分場の立地は、原子力発電環境整備機構(NUMO)が10年前から全国の市町村に公募しているが、行き詰まっている。

    ◇ 核燃料サイクル 使用済み燃料には燃え残ったウランや生成されたプルトニウムがあり、これを再処理して繰り返し使う事業。青森県六ケ所村には、ウランとプルトニウムを回収する再処理工場や、混合酸化物(MOX)燃料に加工する工場など6施設が集積する。MOX燃料は高速増殖炉での使用が本命だったが実用化の見通しが立たず、当面は通常の原発で燃やすプルサーマルを実施。使用済み燃料の再処理に伴い発生する高レベル放射性廃棄物はガラス固化体にし、地下深くに埋設する計画だが、最終処分場は未定。

●核のごみ 不都合な事実に向き合え
     信濃毎日 2012年12月25日
 自民、公明両党は連立政権に向け、原発について「可能な限り依存度を減らす」との表現で基本合意する見通しだ。脱原発から後退する公算が大きい。

 問題は、稼働すれば増え続ける「核のごみ」、高レベル放射性廃棄物に、背を向けていることだ。特に自民党は総選挙の重点政策で一言も触れなかった。

 放射能が安全なレベルに下がるまで10万年以上かかる廃棄物にどう対応するか。だれも答えを持ち得ていない。

 政権は「不都合な事実」に向き合い、国民と速やかに議論を始めるべきだ。福島原発事故を引き起こした世代が果たす、未来の世代への責任でもある。

   <進まない地層処分>

 高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料を再処理した後に出る廃液と、使用済み燃料そのものをどう扱うか二つの課題がある。

 廃液はガラスと溶け合わせステンレス容器に固めるガラス固化体(1本の重さ500キロ)にする。原子力発電環境整備機構(NUMO)が事業主体になり、厚い鉄製容器に入れたうえで地下300メートル以上の深い地層に埋設する。

 この最終処分地を10年前から公募しているが、選定を進めている候補地は1件もない。

 行き場がないまま貯蔵管理されているガラス固化体は、青森県六ケ所村などに1700本ある。

 NUMOの推計だと、これまでの使用済み核燃料を再処理したとすれば約2万3千本が発生、2021年ころには4万本に増えると見込まれる。

 日本は使用済み燃料を再利用する核燃料サイクル政策をとる。だが、六ケ所村の再処理工場はガラス固化体にする過程に問題が生じて、本格操業のめどは立たない。

 使用済み燃料の貯蔵量は約1万4200トン。原発の貯蔵プールは満杯になりつつある。

   <脱原発で増加に歯止め>

 高速増殖炉もんじゅも稼働できず、核サイクルは事実上、破綻したとの見方が強い。このままだと行き場がない使用済み燃料は増え続ける。地下に埋めるなど直接処分の検討も迫られる。

 公明党は総選挙の重点政策で、使用済み燃料の再処理について「直接処分への転換を含め、立地地域に配慮しつつ、見直しを検討する」とした。核サイクルからの撤退とともに、可能な限り速やかに原発ゼロを目指すという政策を連立協議で強く打ち出せないか。

 日本学術会議は、国の政策の行き詰まりを受けて、9月に提言をまとめた。

 広範な国民が納得する原子力政策の大局的な方針と、高レベル放射性廃棄物の暫定保管、総量管理の二つを柱に政策の枠組みを再構築することを求めている。

 暫定保管は、数万年にわたり安全性を確保できる地層の確認は、現在の科学では限界があるとの認識に立つ。数十年から数百年、地上か地下に暫定的に保管し、その間に最終処分の合意、技術的な問題を解決する。

 総量管理は、期限を区切って脱原発を選択すれば、廃棄物の総量の上限を確定できる。原発継続でも総量を厳しく抑えられる。

 原子力政策は、廃棄物問題とセットで考えるべきだ。期限を区切って原発から撤退するならば、核のごみの発生に歯止めが効き、最終処分について社会的な合意をつくるステップになる。

 日本学術会議の提言を受けて、原子力委員会は18日、「見解」を明らかにした。

 「暫定保管」については、「提案の意義を十分に評価して、取り組みの改良・改善を図って行くべきだ」と述べるにとどまった。

 しかし、最終処分について、国民との間で情報や認識が共有されていなかったと認めた。そのうえで、法律・制度の見直しや全国知事会への協力要請など、国が前面に出て、取り組みを再構築すべきだとしている。

   <世代を超えた合意>

 世界を見回すと、最終処分地が決まったのは、スウェーデンとフィンランドの二カ国だけだ。それぞれ2020年代の操業開始を目指している。

 両国とも社会合意をつくり出すために、集会や住民投票などで対話や議論を重ねてきた。

 日本では、核サイクルからの撤退で、青森県が最終処分場になることを強く警戒し、国に不信感を抱いている。

 日本学術会議は「提言」で指摘している。日本では電力消費地の「受益圏」と、原子力施設が立地する「受苦圏」が分離。受苦圏に対する交付金などによる利益誘導が、かえって国民が議論のテーブルにつくことを妨げた、と。

 処分場は操業開始、廃棄物の埋設、閉鎖まで100年という長い事業だ。数万年もの間、後世の人々に危険性をどう伝えるかという問題もある。教育現場で若者や子どもにも話し合ってほしい。

 世代を超えて合意をどうつくるか。極めて困難な山だが、登り始めるしかない。

●政権発足直後にGO 安倍自民 露骨すぎる原発推進
           日刊ゲンダイ 2012年12月28日
 産業界も足並みそろえてバックアップ
 予想されたことだが、安倍政権がさっそく“原発推進”に舵を切った。茂木敏充経産相が就任直後の記者会見で民主党政権時代からの明確な「方針転換」を明言したのである。

 茂木は、「2030年代に原発稼働ゼロ」という民主党政権時代のエネルギー戦略について「再検討が必要」と言い放ち、未着工の原発の新増設についても「今後専門的知見を十分蓄積した上で政治判断したい」と発言。そのうえ、使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル事業」についても「完全に放棄する選択肢はない」とし、事実上の継続にGOサインを出したのだ。つまり、現在止まっている原発の再稼働はもちろんのこと、新しい原発も核のゴミもドンドン増やすということだ。

 この流れは、16日に自民が圧勝した直後から始まっていた。息をひそめていた“原子力ムラ”が動き出したのだ。

「電事連会長の八木関電社長は17日、『2030年代の原発ゼロ実現は課題が大きい。新政権で見直しをお願いしたい』と談話を発表しました。経団連は18日、『電力の供給不安を解消し、価格上昇圧力を抑制するためには、原発を再稼働していく必要がある』と提言。日立製作所の中西社長は25日、『原子力をやめるのは無理』と報道各社のインタビューに答えています。産業界が足並み揃えて、原発推進で自民党をバックアップする態勢を整えています」(経済ジャーナリスト)

 許せないのは、政権交代のドサクサに紛れて、27日東電が原子力損害賠償支援機構に対し、福島原発事故の賠償費用として6968億円の追加支援を要請したことだ。自民党政権に代わってホッと胸をなで下ろしているさまが目に浮かぶ。だが、核のゴミの処理はどうするのか。核燃料サイクル政策はこれまで10兆円以上を投入しても“再利用の輪”が完成していない。青森県六ケ所村の使用済み核燃料の貯蔵プールはほぼ満杯だ。核のゴミ処理を考えたら、原発は決して“安価”とはいえないことを、いまや多くの国民が知っている。

 衆院選では、投票した有権者の78%が原発の即時廃止か段階的廃止を希望していたという新聞社の調査もある。数に浮かれている自民党はよく考えた方がいい。

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