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てらまち・ねっと



 ロイター12日の「焦点:安倍内閣の支持率低下、政策期待で株価逆行」(ロイター)、とあった。その数日後に、世界経済の大波で株価は急落。ともかく、指摘ずれていない。
 ほかにも、正面からの批判の記事が目立ち始める。
 そんなことで、幾つかを記録した。

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●焦点:安倍内閣の支持率低下、政策期待で株価逆行
       ロイター 2015年 08月 12日
[東京 12日 ロイター] - 安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。しかし、支持率は「危険水域」と呼ばれる水準に接近し、上昇する不支持率と逆転した。アベノミクス相場を支えてきた海外投資家が姿勢を変化させれば、これまでの相関関係が崩れるリスクも高まる。

<半減した支持率、倍化した株価>
安倍政権の支持率と株価は、これまで逆行してきた。2012年末に発足した第2次安倍内閣で、一時70%近かった内閣支持率は、その後、波はあるものの徐々に低下し、足元では30─40%前半で推移。今年7月の各社世論調査では、政権発足来初めて不支持率が支持率を上回った。

一方、株価は上昇を続けてきた。内閣発足当初の2012年11月半ばに8600円台だった日経平均.N225はその後、2.4倍に上昇。足元は、中国の人民元切り下げなどの影響もあって、調整色を強めているが、11日の市場で日経平均.N225は2万0900円台を回復。TOPIX.TOPIXは約8年ぶり高値を付けている。

戦後のほとんどの内閣で、支持率と株価は相関関係にあった。安倍内閣がほぼ唯一例外なのは「与野党ともに(安倍首相の)対抗馬がいないためと、経済重視の政策が当たってきたため」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)との見方が多い。安倍内閣の支持率低下の理由は経済政策への失望というより、安全保障など外交面における批判が高まっていることが背景にある。

しかし、その「逆相関関係」がこれからも続くとは、言い切れなくなってきた。一部調査で支持率は32%に低下。アベノミクス相場を先導してきたのは外国人投資家だが、「30%台前半になれば危険水域と呼ばれる20%台が視界に入るため、彼らも警戒感を強める」(外資系証券エコノミスト)との指摘も出ている。

<首長選が大波に化ける日>
9月6日の岩手県知事選。与野党対決の選挙戦として関心が強まっていたが、自公が支援するはずだった元復興相の平野達男参院議員が7日、出馬を取りやめた。

●憲法、原発、経済…やるべきことを投げ出した 「志」を失った安倍首相を支持する理由が見当たらない
         現代ビジネス 2015年08月12日磯山友幸「経済ニュースの裏側」 
覚悟なき宰相  「志を果たして いつの日にか帰らむ 山は青き故郷 水は清き故郷」

8月2日。山口県きらら浜で開かれていた世界スカウトジャンボリー。大会期間中のメインイベントであるアリーナ・ショーで、世界152ヵ国から集まった3万人あまりの参加者が声をそろえて「故郷」を歌った。ロイヤルボックスには皇太子殿下、その後ろには安倍晋三首相が陪席していた。山口は安倍首相の「故郷」。そこでの大合唱をどんな思いで聞いていたのだろうか。

安倍内閣の支持率が低下を続けている。8月10日に発表したNHKの世論調査では、安倍内閣を「支持する」と答えた人が37%に低下。「支持しない」と答えた人が46%に達した。

5月の調査では支持が51%、不支持が32%だったから、大幅な低下である。2012年12月末に安倍内閣が発足して以来、支持が不支持を上回っていたが、7月に初めて逆転、8月の調査ではその傾向が鮮明になった。

国民が安倍首相に不信感を抱き始めたのは、安倍首相が本当は何をやりたいのか、つまり安倍首相の「志」は何なのかが、判然としなくなってきたからではないか。

安全保障関連法案の審議についても「説明が不十分」といった声が圧倒的に多かった。法案審議に116時間余りを費やしたにもかかわらずだ。なぜ、集団的自衛権の行使容認が必要なのか、安倍首相自身の言葉に説得力が欠けているからだろう。

「支持率10ポイント下落は覚悟の上だ」と首相周辺は語っていた。安保関連法案の採決を強行すれば、支持率は下がる。それでも安保法制の整備は不可欠だという「覚悟」を首相周辺は持っていた。

安倍内閣の支持率が急落したケースが過去3回ある。

まず、特定秘密保護法を強行採決したことで、2013年11月に60%あった支持率が一気に50%に下落した。2回目は集団的自衛権を容認する閣議決定を行った時。2014年7月に支持率は47%と初めて50%を割った。3回目は小渕優子経産相らが辞任に追い込まれた2014年11月。支持率は44%にまで下落、不支持率は38%にまで迫った。そして今回である。直近のピークの51%と比べると14ポイントも下落したことになる。

安倍首相は政権を賭してまで何をやろうとしているのか。

しばしば「憲法改正」が安倍首相の「志」だと言われてきた。祖父の岸信介・元首相の悲願だったというわけだ。だが、早々に安倍首相は憲法改正の旗を降ろし、憲法解釈によって集団的自衛権の行使を容認する方向に転換した。安保関連法案が通ったところで、安倍首相は「志を果たした」とは言えないのではないか。

原発再稼働ではリーダーシップを放棄

2011年3月11日の東日本大震災以来、日本にとって最大の懸案だった原子力発電のあり方についても、安倍首相の信念は感じられない。

8月11日、鹿児島県にある九州電力川内原発1号機が再稼働した。安全性をチェックする原子力規制委員会が認めたものを、事業者である電力会社が稼働させたというスタンスを取り、政府が稼働にゴーサインを出したという姿勢を極力排除した。安倍首相が夏休みを取って官邸を離れていたのは、計算ずくのことに違いない。

枝野幸男・民主党幹事長は「政府がしっかり責任を取る姿勢が見えない中での再稼働には到底納得できない。事業者任せ、自治体任せだ」と噛みついたが、もともと政府主導色を払拭しようとしてきたのだから当然のことだ。つまり、安倍首相は原発再稼働問題で泥をかぶる気はさらさらないのである。

原発について安倍首相は、「安全性が確認されたものから順次再稼働させる」と言い続けてきたが、将来にわたって原発をどうしようと考えているのか、まったく発言しない。原発の老朽化はどんどん進むが、建て替え(リプレース)や新増設の話は封印したままだ。つまり、原発問題でも安倍首相はリーダーシップを放棄している。ここにも「志」は感じられない。

首相就任以来、言い続けてきた「経済最優先」という言葉も色あせてきた。自らの経済政策をアベノミクスと名付け、大胆な金融緩和と機動的な財政出動、規制改革による成長戦略の実現を掲げてきた。金融緩和によって円安・株高が実現し、デフレからの脱却が実現しつつあるものの、財政出動は古い自民党を彷彿とさせるバラマキの復活につながり、規制緩和などの構造改革は遅々として進んでいない。

特に、首相の関心事が安保関連法制など移るに従って、霞が関も規制改革から手を抜き始めた。消費増税の影響も長引いて、国内消費が盛り上がりに欠ける中で、国民の間の景況感はなかなか改善していない。アベノミクスを貫徹し、日本経済を復活させることが安倍首相の「志」だったのかどうか、ここにも疑問が生じている。

危機感はあまりに薄い

それでも首相周辺の危機感は薄い。過去3回の支持率急落も、短期間で回復しているからだ。抜き打ちの総選挙で、「民主党政権よりはマシ」「アベノミクスに期待するほかない」といった国民の深層心理を刺激したからだ。

安倍内閣の不支持率が高まっても、自民党の支持率は目立って落ちていない。政権の受け皿になりうる野党が不在の中で、支持率が落ちたからといって、そう簡単に政権の座から転げ落ちるとは考えていないのだろう。

だが、政治家が本気で国民の支持を得ようと思えば、政治家本人の「志」を明かして、自らの思いに共感を呼びかけるのが王道なはずだ。目の前の現実に流され、リーダーシップを発揮しようとしない安倍首相の支持率低下は、そう簡単には収まらないようにみえる。

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