日本は7年の空白期間の後、1952年に航空機開発の再開を許される。世界から遅れを取った日本が、そのハンディキャップを乗り越えようと国を挙げて開発を行った記念すべき国産機がYS-11だった。それから50年以上過ぎて、いまもなお、日本は世界のレベルに追いついていない。
航空機用の部材には、材料の中でも最高性能のものが要求される。性能と安全性。
ジェット機の心臓部であるガスタービン部材は、まさに世界のトップをかけた材料開発の縮図だ。ジェットエンジンの出力は、より高温でタービンを回すことにかかっている。
高温安定性、耐ヒートショック、破壊抵抗性。残念ながら、日本には開発したジェットエンジン用部材を試験する場所がない。
数年前、超高温材料開発の国家プロジェクトにかかわっていた時に、手作りの試験用ガスタービンを作ろうとし、プロポーザルを何度も書いたのだが受け入れられることは無かった。日本の国家戦略は、現場の担当者の意見が、霞ヶ関の優秀な官僚たちに吸い上げられて決定される。そこでは技術開発とは別の次元の政治の世界になる。
あの時、プロポーザルが通って研究予算が降りていたら、馬鹿高い騒音を撒き散らす試験機ができていたろう。そして、試験のための燃料代といい、金の無駄遣いと批判されていたのかもしれない。
トップガンに出てきたF-14は全て退役。ロッキード・マーティン社とボーイング社が共同開発した多用途戦術戦闘機F22、愛称ラプター(Raptor)ですら、ステルス性の高さなどから世界最強クラスの戦闘能力を持つとされるにもかかわらず、コストの高騰・予算削減により生産中止が懸案されている。
飛行能力の高いステルス性のジェット戦闘機はもちろんのこと、原爆を含めた大量破壊兵器が不要な世界平和がはやく訪れることを願ってやまない。
なお、この米軍横田基地「友好祭」で、おそらく、かつて日本の航空機開発を支えてきたであろう老齢の男たちが、並ぶジェット機に感慨深げに見入っていたのが印象的だった。
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