【撮影地】鹿児島県熊毛郡上屋久町白谷(屋久島自然休養林)(2009.11月撮影)
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ぼくが屋久島を気に入っている一つの理由に、携帯電話が通じないことがある。北部~中部の中心地、比較的大きな町では通話可能なのだが、それ以外の地域では電波が届かず使用出来ない。
docomoとauのエリアマップによれば、主要集落はなんとかカバーされているようだ。だが、softbankのエリアマップは貧弱。willcomでは絶望的になる。イーモバイルのエリアマップでは屋久島は潔いくらい真っ白だ。
ダイビング中もそうなのだが、いったん、山に入れば携帯電話の電波が届かないから、着信音に煩わされずにのんびり山の静寂を楽しむことができる。携帯電話の呼び出し音の鳴らないという非日常性。海外に出たときのように、日常をすっぱり忘れることができる。
それでも、縄文杉デッキや、宮之浦岳等の山頂、山中の稜線上では携帯電話の電波が届くところがある。
雨にぬれないようにビニールに厳重に包み、ザックの奥深くにしまったiPhone。山の稜線に出るたびに、呼び出しの電波を拾っていたようだった。
山から降り、帰りの車の助手席で、ザックからかすかに呼び出し音が聞こえた。車を止めて確認すると、ダイビング仲間たちが、ぼくの減圧症の発症を心配して、それこそ、30分おきに電話をくれていた。
人が生きていく上で大切な命綱は、知識や財産ではない。孤立しない人間関係を築く術を獲得しているかどうかだろう。人と紡ぎ合う手だてを失い、孤立したときに「仲間に入れて~」と、一言が気張らずにいえるかどうかだ。
書き出しとは完全に矛盾するのだが、電波が届くっていい。そして、心配してくれた仲間たちに感謝。
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