【撮影地】鹿児島県熊毛郡上屋久町白谷(屋久島自然休養林)(2009.11月撮影)
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「屋久島の厳しい自然」というフレーズをネットでよく見かけるのだが、ぼくはそうは思わない。
たしかに、屋久杉などの植物からして見れば、相次ぐ台風による被害や年間を通した降雨により地表の養分がすぐに流されるから、成長するには幾多の競争があり厳しい生存競争の世界かもしれない。また、木が生い茂り昼なお暗い森の中は、植物の育成環境として決して良いものとは言えないだろう。
しかし、そこに住む人々にとって、屋久島の自然の恵みは豊かな人生を送るにあたってかけがえのないものであるようだ。
「お金なんて全然使わないよ」
現地に在住する人たちは、口をそろえて言う。畑のポンカン、続いてタンカン、そしてジャガイモと、冬にかけての三大作物の収穫。
島特産のアサヒガニや地魚、カメノテ(地元の方は鬼のつめとも言うらしい)など海からの贈り物。
「何も贅沢しなければ幸福になれないと言うことはない」という武者小路実篤の言葉を、そのまま実践できるのが屋久島のライフスタイルのようだ。
このところ、急に冷え込んできた屋久島では、そろそろポンカンの収穫が始まっていた。それに向けて、映画「深呼吸の必要」のように、収穫のアルバイトの口もあるらしい。
太鼓岩から眺めた「ヤクスギの森」では、みどりの中にコハウチワカエデ等の赤や黄色の紅葉がきれいだった。
こうした落葉樹は、パイオニア植物(先駆植物)と言われている。
落葉樹の種は、暗い森の中で長い年月土の中で眠っていて、木が倒れ明るい陽の当たるようになるといち早く発芽して大きくなる。
ヤクスギの森で落葉樹がたくさん生えているような場所は、ヤクスギが何らかの原因で枯死した場所なのだ。
森の移り変わり。この先、屋久島はどんなダイナミックな変化を遂げていくのだろう。
いつまでも豊かな人生を送れる土地であり続けることを祈るばかりだ。
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