モエン島のリゾート施設から足を踏み出せば、そこは舗装のない穴ぼこだらけの田舎道になる。その道の朝は、近くの学校へ通う子供たちや、コーヒーの入った紙コップを抱えた地元の人たちがのんびり歩いている。
道で出会う人ごとに「こんにちは」と笑顔であいさつされるのだが、実際には英語も日本語もほとんど通じない。
モーニングコーヒーを飲みたくてカフェの場所を聞く。道にいた人が指差して「カフェ」と教えてくれる。しかし、それらしき建物は見当たらない。
当惑していると、普通の家に見える入口を入っていけとのジェスチャー。
教えてくれてるのは背中にPOLICEと書かれた黄色いTシャツを着てるから、まぎれもなく地元の警察官で、毎朝、登校する子供たちを見守っているのだろう。
モエン島のカフェには看板がない。戸の開いた平屋の入り口を入っていくと、10畳ほどの何にもない空間があり、奥の窓側に炊事道具がつまれたテーブルがる。
10代の女性たちが話をしている。
テーブルの片隅にはネスカフェの瓶が並び、コーヒーを注文するとその若い女性がミルク入りのとびっきり甘いインスタントコーヒーを大きな紙のカップにたっぷりと淹れてくれる。
カフェの片隅に一畳ほどのマットが敷かれ、チャージなしで座って飲むことができるようだ。マットが敷かれた反対側には家族の写真が貼られていて、家族の食事はここでするのだろう。
・・・おっと、ここは土足じゃだめだった。
コーヒーを飲んでいたら、女性にパンケーキらしきものを勧められた。
平べったいピザのような硬い生地で甘い。フライパンにヤシ油をひいて焼いていると思われ、ひょっとしたらパンの木の実から作られるのかもしれない。
女性たちは恥ずかしがってレンズを向けると顔をそむけてしまう。それでも、片言で会話するときの笑顔は堪らなくステキだ。
物質的な満足など人の喜びのほんの一部なのだ。衣食が足りているものの言葉かもしれないが、ぼくをふだん覆っている虚ろさは、彼らには決してない。
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