日本鯨類研究協議会(JACRE)。2016年1月に発足した業界団体だ。
設立のきっかけは5年前、多くの水族館が加盟する公益社団法人「日本動物園水族館協会(JAZA)」が追い込み漁からのイルカを水族館に導入することを禁じたことだ。
JAZAもまた、追い込み漁を問題視した世界動物園水族館協会(WAZA、本部スイス)による追放処分の圧力から購入禁止を決めた。
日本は世界で一番の水族館大国と言われ、年間3000万人に迫る人々が水族館を訪れている。世界中の2割の水族館が日本にあり、約50館ほどの水族館がイルカを飼育している。そしてその多くが野生個体であり、水族館自体が行なう自家採取及び便乗採取、他施設との動物の交換、漁師及び業者からの動物の購入によって賄われている。
2005年以降、水族館に搬入されるイルカのほとんどは、和歌山県の太地が行なう追い込み猟で捕獲されたイルカたちだ。