司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

労働基準法施行規則等の一部を改正する省令が本日公布

2020-03-31 21:23:32 | 労働問題
官報
https://kanpou.npb.go.jp/20200331/20200331t00041/20200331t000410001f.html

「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令」(令和2年厚生労働省令第76号)が本日公布されている。

cf. 「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」の答申
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10596.html

 改正労働基準法の施行(令和2年4月1日)に伴う省令の改正に関する「要綱」であるが,3月30日に諮問されて,即日答申。こんなことってあるんですね。

 改正労働基準法は,債権法の改正(令和2年4月1日施行)に合わせて,賃金請求権の消滅時効期間を延長する等の改正であるが,上記省令の改正は,記録の保存期間の延長に関するものである。

cf. 労働基準法の一部を改正する法律
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/201.html

○ 改正の概要
1.賃金請求権の消滅時効期間の延長等
・ 賃金請求権の消滅時効について、令和2年(2020年)4月施行の改正民法と同様に5年に延長
・ 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化
(※)退職手当(5年)、災害補償、年休等(2年)の請求権は、現行の消滅時効期間を維持

2.記録の保存期間等の延長
・ 賃金台帳等の記録の保存期間について、賃金請求権の消滅時効期間と同様に5年に延長
・ 割増賃金未払い等に係る付加金の請求期間について、賃金請求権の消滅時効期間と同様に5年に延長

3.施行期日、経過措置、検討規定
・ 施行期日:改正民法の施行の日(令和2年(2020年)4月1日)
・ 経過措置:賃金請求権の消滅時効、賃金台帳等の記録の保存期間、割増賃金未払い等に係る付加金の請求期間は、当分の間は3年。
     施行日以後に賃金支払日が到来する賃金請求権について、新たな消滅時効期間を適用
・ 検討規定:本改正法の施行5年経過後の状況を勘案して検討し、必要があるときは措置を講じる
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改正労働基準法が成立

2020-03-27 17:45:34 | 労働問題
時事通信記事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032700875&g=pol

 本日の参議院本会議で可決,成立した。

cf. 令和2年3月25日付け「労働基準法の一部を改正する法律案,参議院厚生労働委員会を通過」
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労働基準法の一部を改正する法律案,参議院厚生労働委員会を通過

2020-03-25 01:25:00 | 労働問題
令和2年2月22日付け「労働基準法の一部を改正する法律案」

 昨日(3月24日)の参議院厚生労働委員会を通過し,本日(?)の参議院本会議で可決,成立の見込みである。
※ 本日は,参議院本会議の定例日であるにもかかわらず,開催されないそうだ。

 債権法の改正(令和2年4月1日施行)に合わせて,賃金請求権の消滅時効期間を延長する等の改正であり,3月中の成立が目指されていた(「日切れ法案」というらしい。)もので,やれやれである。
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労働基準法の一部を改正する法律案

2020-02-22 13:48:37 | 労働問題
労働基準法の一部を改正する法律案
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/201.html

 通常国会に上程されている。施行期日は,令和2年4月1日である。


○ 改正の概要
1.賃金請求権の消滅時効期間の延長等
・ 賃金請求権の消滅時効について、令和2年(2020年)4月施行の改正民法と同様に5年に延長
・ 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化
(※)退職手当(5年)、災害補償、年休等(2年)の請求権は、現行の消滅時効期間を維持

2.記録の保存期間等の延長
・ 賃金台帳等の記録の保存期間について、賃金請求権の消滅時効期間と同様に5年に延長
・ 割増賃金未払い等に係る付加金の請求期間について、賃金請求権の消滅時効期間と同様に5年に延長

3.施行期日、経過措置、検討規定
・ 施行期日:改正民法の施行の日(令和2年(2020年)4月1日)
・ 経過措置:賃金請求権の消滅時効、賃金台帳等の記録の保存期間、割増賃金未払い等に係る付加金の請求期間は、当分の間は3年。
     施行日以後に賃金支払日が到来する賃金請求権について、新たな消滅時効期間を適用
・ 検討規定:本改正法の施行5年経過後の状況を勘案して検討し、必要があるときは措置を講じる
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未払賃金の消滅時効,「当分の間は3年」に

2019-12-25 02:48:09 | 労働問題
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASMDS4DSFMDSULFA00M.html?iref=comtop_list_biz_n01

 これまでは,民法では「1年」,労働基準法では「2年」であったが,債権法の改正により,民法では「5年」となることから,労働基準法の規律の在り方が議論されているものである。

 「原則5年とするが,当分の間は3年」という折衷案が提案されているようである。

「そもそも今回の民法一部改正法により短期消滅時効が廃止されたことが労基法上の消滅時効期間等の在り方を検討する契機であり、また、退職後に未払賃金を請求する労働者の権利保護の必要性等も総合的に勘案すると、

・ 賃金請求権の消滅時効期間は、民法一部改正法による使用人の給料を含めた短期消滅時効廃止後の契約上の債権の消滅時効期間とのバランスも踏まえ、5年とする

・ 起算点は、現行の労基法の解釈・運用を踏襲するため、客観的起算点を維持し、これを労基法上明記することとすべきである。

 ただし、賃金請求権について直ちに長期間の消滅時効期間を定めることは、労使の権利関係を不安定化するおそれがあり、紛争の早期解決・未然防止という賃金請求権の消滅時効が果たす役割への影響等も踏まえて慎重に検討する必要がある。このため、当分の間、現行の労基法第 109条に規定する記録の保存期間に合わせて3年間の消滅時効期間とすることで、企業の記録保存に係る負担を増加させることなく、未払賃金等に係る一定の労働者保護を図るべきである。そして、改正法施行後、労働者の権利保護の必要性を踏まえつつ、賃金請求権の消滅時効が果たす役割への影響等を検証し、6の検討規定も踏まえて必要な検討を行うべきである。
 また、退職手当の請求権の消滅時効期間については、現行の消滅時効期間(5年)を維持すべきである。」

cf. 厚生労働省労働政策審議会(労働条件分科会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei_126969.html

「労働者側は同じ5年に延ばすよう主張しているが、5年では企業の負担が増すと主張する使用者側に配慮した案になった。」(上掲朝日新聞記事)

「企業の負担が増す」というのは,おかしな話であろう。
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厚生労働省,セクハラ防止の指針案のパブコメ

2019-11-22 00:08:23 | 労働問題
事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針等の一部を改正する件(案)に係る御意見募集について by 厚生労働省
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190289&Mode=0

 意見募集は,令和元年12月20日(金)まで。
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厚生労働省,パワハラ防止の指針案のパブコメ

2019-11-22 00:06:47 | 労働問題
事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)に係る御意見募集について by 厚生労働省
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190288&Mode=0

 意見募集は,令和元年12月20日(金)まで。
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厚労省がパワハラ指針案

2019-11-21 16:34:19 | 労働問題
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASMCG6GNYMCGULFA047.html

「5月に成立した改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)は、パワハラを①優越的な関係を背景にした言動で、②業務上必要な範囲を超えたもので、③労働者の就業環境が害されることと定義した。」(上掲記事)

 非常にわかりにくいが,上記は,「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第24号)第3条による「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)の一部改正によるものである。

cf. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/198.html

 改正法の通達は,こちら。
https://sharosi.j-tatsujin.com/archives/8184
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「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案」

2018-12-10 10:43:28 | 労働問題
「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495180272&Mode=0

Ⅰ 改正の趣旨
○ 労働基準法(昭和22年法律第49号)第75条第1項においては、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合には、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならないこととされており、同条第2項においては、業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定めることとされているところ、このうち、業務上の疾病の範囲については、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「労基則」という。)別表第1の2において具体的に定められている。

○ 業務上の疾病の範囲については、新たな医学的知見の公表等の状況、労働災害の発生状況等を踏まえ、平成30年10月から、「労働基準法施行規則第35条専門検討会」において検討を行い、11月22日に「労働基準法施行規則第35条専門検討会報告書」がとりまとめられたことから、当該報告書を踏まえ、労基則別表第1の2について所要の改正を行う。

Ⅱ 改正の内容
 労基則別表第1の2の疾病に「オルト―トルイジンにさらされる業務による膀胱ぼうこうがん」を追加する。

 平成31年3月下旬頃に施行の予定。

cf. 化学工場で膀胱がん、20人に…労災認定議論へ(福井県福井市)
http://itetama.jp/blog-entry-695.html
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育休延長のために,保育所の落選希望が数多

2018-10-18 12:37:50 | 労働問題
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36618040Y8A011C1EA2000/

 そもそもの育児休暇制度の根幹を揺るがすような・・。

 本来は,「職場に復帰したい」→「そのためには,子を保育所に預けたい」→「しかし,空きがなく,落選」→「よって,やむなく育休を延長」,であるはずである。

「もともと預ける気がないのに入園が決まってしまうケースがあり」を是認するような姿勢は,いかがなものか。

 受け皿となる保育所をもっと整備すべきであろう。
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日本郵便「65歳定年訴訟」(最高裁判決)

2018-09-18 11:24:43 | 労働問題
最高裁平成30年9月14日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87983

【判示事項】
1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨を定める就業規則が労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例
2 郵政民営化法に基づき設立されて日本郵政公社の業務等を承継した株式会社がその設立時に定めた就業規則により日本郵政公社当時の労働条件を変更したものとはいえないとされた事例
3 期間雇用社員に係る有期労働契約が雇止めの時点において実質的に期間の定めのない労働契約と同視し得る状態にあったということはできないとされた事例

cf. 日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35384500U8A910C1CC1000/
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労働者に支払われる基本給や諸手当にあらかじめ含めることにより割増賃金を支払うという方法が労働基準法に違反するのか

2018-07-20 18:54:04 | 労働問題
最高裁平成30年7月19日第1小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87883

【判示事項】
基本給と区別して支払われる定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

「割増賃金の算定方法は,同条並びに政令及び厚生労働省令の関係規定(以下,これらの規定を「労働基準法37条等」という。)に具体的に定められているところ,同条は,労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまるものと解され,労働者に支払われる基本給や諸手当にあらかじめ含めることにより割増賃金を支払うという方法自体が直ちに同条に反するものではなく(前掲最高裁第二小法廷判決参照),使用者は,労働者に対し,雇用契約に基づき,時間外労働等に対する対価として定額の手当を支払うことにより,同条の割増賃金の全部又は一部を支払うことができる。」
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分煙対策を求めて解雇された労働者が解雇無効等を求めて労働審判の申立て

2018-05-19 08:17:39 | 労働問題
HUFFPOST
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180518-00010006-huffpost-soci

 職場のタバコの煙で喘息になったとして分煙対策を求めた女性が解雇され,勤め先の公益社団法人日本青年会議所を相手に,解雇無効と慰謝料,未払い賃金など約500万円を求める労働審判を東京地裁に申し立てたそうだ。

cf. 平成30年3月9日付け「受動喫煙対策を盛り込んだ「健康増進法改正案」を閣議決定」

毎日新聞記事
https://mainichi.jp/articles/20180309/k00/00e/010/238000c
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未払い賃金請求,時効巡り賛否

2018-05-06 00:32:11 | 労働問題
京都新聞記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180505-00000028-kyt-bus_all

「現行民法で債権の時効は原則10年だが、賃金は特例で1年に限定し、労基法は労働者保護のため2年と定める。昨年成立した改正民法(2020年4月施行)では特例を廃止し、「権利を知った時から5年」にすることが決まった。厚労省は民法と労基法のずれを是正するため、昨年12月、専門家の検討会を設置し、労基法の時効について議論を始めた。」(上掲記事)

 現行民法第174条第1項第2号の規定があるからこそ,労働基準法第115条があるわけであり,債権法の改正で当該規定(特例で1年)が削除されるからには,同列にすべきであろう。

cf. 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103
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賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会(第3回)

2018-04-18 16:11:29 | 労働問題
賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103

 第3回までの議事録等が公表されている。
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