司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

登記官の過誤による職権更正と登記事項証明書の記載事項

2010-08-18 21:04:06 | 会社法(改正商法等)
 「京都地方法務局長の在任中に何も事件がないのは珍しい」と言われるほど,京都本局ではいろいろと(?)事件が起こっているが,商業登記に関するものとしては,有名な「ワタベウェディング事件」がある。

cf. 京都新聞記事(平成14年2月5日)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2002feb/05/W20020205MWA2K1B0000017.html

 それまでは,登記官の過誤により誤った登記がされ,その職権更正の登記がされた場合であっても,その登記がそのまま登記事項証明書に記載されていた。しかし,ワタベウェディング社の猛抗議により,その後,このような場合には,商業登記に関する登記事項証明書に記載されなくなったという経緯がある。「商業登記法上・・・記録そのものの削除はできない」が,登記事項証明書の記載事項から外すことで対応が図られたものである。

 法令上の手当てとしては,平成14年商法改正(平成15年4月1日施行)に伴う商業登記規則の改正に際して,規則第111条第1項にかっこ書が追加された(ただし,この点は,緊急性に鑑みて,改正省令の公布の日である平成14年11月18日から施行)。現行規則第30条第1項かっこ書の規定がそれである。

商業登記規則
 (登記事項証明書の種類及び記載事項等)
第三十条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事項(第二号及び第三号の場合にあつては、法第百三十三条第二項の規定による登記の更正により抹消する記号を記録された登記事項及びその登記により抹消する記号を記録された登記事項を除く。)とする。
【以下略】

商業登記法
第百三十三条 登記官は、登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、登記をした者にその旨を通知しなければならない。ただし、その錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合においては、登記官は、遅滞なく、監督法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。


 条文をながめていて,ふと事件のことを思い出したので,書き留めておく。

 なお,不動産登記に関する登記事項証明書においては,上記のような場合にもそのまま記載される(不動産登記規則第196条第1項参照)。
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改正割賦販売法の影響で,銀行が提携教育ローンから撤退

2010-08-18 15:38:45 | 消費者問題
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100818-OYT1T00585.htm?from=main3

 改正割賦販売法の影響で,銀行が提携教育ローンから撤退しつつあるということである。

cf. 資金決済法・改正割賦販売法 研究ノート
http://ameblo.jp/mawoooo/entry-10319518008.html

 重い負担のほかに,「支払停止の抗弁」の問題もあるようだ。

cf. 品川のよっちゃんのほうむ話
http://eyochan-home.cocolog-nifty.com/blogdayo/2009/06/post-ac1d.html
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旧植民地における睡眠貯金

2010-08-18 14:54:36 | いろいろ
共同通信記事
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010081801000077.html

 旧植民地における郵便貯金で休眠状態となっている「睡眠貯金」ものが,約1900万口座,約43億円もあるそうだ。

 郵政民営化前に預けられた郵便貯金のうち,外地郵便貯金や軍事郵便貯金などの一定種類のものは,ゆうちょ銀行に承継されず,独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の管理下に置かれており,その権利消滅については,廃止された郵便貯金法の規定がなお適用され,最後の取扱い又は期間満了日の翌日から20年間取扱いがない場合に催告書を発送し,この催告書の発送の日から2か月間貯金の払戻しがない場合に権利消滅することになるが,「利用者への催告ができないため時効は停止している」らしい。

cf. 通常郵便貯金規定
http://www.yuchokampo.go.jp/yucho/pdf/yak/01002_2205.pdf

5 権利の消滅等
(1) この貯金について、10年間、払戻しがなく、かつ、通帳の再交付に係る請求その他当機構が別に定める取扱いがない場合は、当機構は、一部払戻しの取扱いをしない貯金(以下この条において「睡眠貯金」といいます。)として取り扱います。
(2) 睡眠貯金について、通帳の再交付に係る請求その他当機構が別に定める請求又は届出があった場合は、全部払戻しの請求があったものとみなして、当機構所定の方法により払い渡します。
(3) 睡眠貯金になった後10年間全部払戻し(前項により全部払戻しの請求とみなされるものを含みます。)がない場合には、当機構はその預金者に対し貯金の処分をすべき旨を催告し、その催告を発した日から2か月以内に預金者からの処分の請求がないときは、整備法附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第2条の規定による廃止前の郵便貯金法の規定に基づき、その貯金に関する預金者の権利は、消滅します。
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