司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

不動産取引の「商慣習と物件価値の透明化」

2012-06-27 21:00:08 | 不動産登記法その他
 WEDGE2012年7月号に,「商慣習と物件価値の透明化」(22頁以下)がある。

 「不動産仲介業者にとって理想的なのは・・・「両手取引」・・・,すなわち売主と買主を自らの手でマッチングし・・・計6%の手数料をもらうことだ・・・・(しかし)両方の仲介を兼ねると,基本的に高く売りたい売主と,安く買いたい買主との間で利益相反になってしまう・・・(手数料を得るために)買主にとっての値頃感を勘案し,売主には安い価格を提示して,成約に漕ぎつけようとする」

 さらに,最悪なのは,売主と買主の間に「中間買主」を仕立てて(しかも「第三者のための契約」に言寄せての中間省略登記を行い),サヤ抜きをすることである。

 もちろん,中古物件の「適正価格」は,わかりにくいが,消費者をないがしろにした「不適正な取引」が行われることがないように,不動産取引に関わる司法書士も,矜持を保つべきであろう。
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「新株予約権ハンドブック(第2版)」

2012-06-27 12:49:33 | 会社法(改正商法等)
太田洋/山本憲光/豊田祐子編集代表「新株予約権ハンドブック(第2版)」(商事法務)

http://bizlawbook.shojihomu.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?CID=&ISBN=4-7857-1991-3


 新株予約権に関する実務上難しい問題について,有益な示唆を与えてくれる書籍である。お薦め。

 なお,登記実務上の論点については,下記を併せてご利用ください。

内藤卓編著・尾方宏行著「商業登記全書/4 新株予約権,計算」(中央経済社)
2008年10月刊
https://shop2.genesis-ec.com/search/item.asp?shopcd=17262&item=978-4-502-96140-3
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破産者が知って債権者名簿に記載しなかった請求権

2012-06-27 08:40:00 | 消費者問題
大分地裁平成24年4月26日判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82384&hanreiKbn=04

 いわゆる旧日本育英会の奨学金につき,主たる債務者(子)の連帯保証人(母親)が破産手続をとった際に,当該連帯保証契約に基づく債権を債権者名簿に記載しなかったとして,保証債務の履行を請求され,当該請求が認容された事案。

「本件保証契約に基づく債権を債権者名簿に記載しなかったことについては,少なくとも過失があったものというべきであるから,本件保証契約に基づく債権は,旧法366条ノ12第5号本文にいう破産者が知って債権者名簿に記載しなかった請求権に該当し,控訴人は,本件免責許可決定が確定しても本件保証契約に基づく債権につき責任を免れない」
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