中途解任した役員に支払う会社法第339条第2項に基づく損害賠償金に対する源泉徴収の要否について
http://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/gensen/121128/index.htm
「従業員の不当解雇が取り消された場合、通常は、解雇時に遡ってその身分が回復し解雇時に遡及して給与が支払われることになりますので、雇用者はその支払の際に所定の源泉徴収をする必要があります。
一方、株式会社の役員は、別紙2のとおり、会社法上株主総会の決議によっていつでも解任することができますので、たとえその解任に正当な理由があると認められず当社が本件損害賠償金を支払うことになったとしても、その解任自体は有効に成立しており、甲の取締役としての身分が遡って回復することにはならないと考えられます。
また、本件損害賠償金については、解任された日の翌月から任期満了時までの役員報酬の額を基に算定されていますが、甲は取締役を解任された後当社の取締役としての職務を行っていないことからすれば、本件損害賠償金に役員としての役務提供の対価たる役員報酬の性質は認められず、会社法の規定に基づき解任によって生じた逸失利益の賠償にすぎないと考えられます。
したがって、本件損害賠償金は、給与所得ではなく対価性のない一時の所得として一時所得に該当すると考えられますので、当社はその支払の際にこれを役員報酬(給与所得)として源泉徴収を行う必要はないと解されます」
http://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/gensen/121128/index.htm
「従業員の不当解雇が取り消された場合、通常は、解雇時に遡ってその身分が回復し解雇時に遡及して給与が支払われることになりますので、雇用者はその支払の際に所定の源泉徴収をする必要があります。
一方、株式会社の役員は、別紙2のとおり、会社法上株主総会の決議によっていつでも解任することができますので、たとえその解任に正当な理由があると認められず当社が本件損害賠償金を支払うことになったとしても、その解任自体は有効に成立しており、甲の取締役としての身分が遡って回復することにはならないと考えられます。
また、本件損害賠償金については、解任された日の翌月から任期満了時までの役員報酬の額を基に算定されていますが、甲は取締役を解任された後当社の取締役としての職務を行っていないことからすれば、本件損害賠償金に役員としての役務提供の対価たる役員報酬の性質は認められず、会社法の規定に基づき解任によって生じた逸失利益の賠償にすぎないと考えられます。
したがって、本件損害賠償金は、給与所得ではなく対価性のない一時の所得として一時所得に該当すると考えられますので、当社はその支払の際にこれを役員報酬(給与所得)として源泉徴収を行う必要はないと解されます」