会社法
(株券発行会社の株式の譲渡)
第128条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。
そもそも,株券発行会社が例外的な存在となっている現在,会社法第128条は存在意義を有しないのではないだろうか。
株券発行会社において,株式譲渡の譲受人は,株券を手中にしていれば,譲受人単独で譲渡承認請求をすることができ(会社法第137条第1項),また譲受人単独で株主名簿記載事項の書換えの請求をすることができます(第133条第1項)。しかし,譲渡人と共同で手続をするのであれば,いずれも株券の提示は要しない(第133条第2項,第137条第2項)。株券が現実に発行されていることの実益は,この単独請求の可否程度ではないかと。本来は,株主であることの証拠的機能を有したわけであるが,株券不発行会社においては,株主名簿記載事項証明書で代替されているわけであるし,株券に拘る意味もないかと。
株券発行会社であっても,現実に株券を発行している株式会社は少ないという事情に鑑みれば,端的に株券の授受がなくても株式の譲渡は有効である,という取扱いにするのが合理的であるように思われるのだが。
会社法第128条を前提にすると,現状追認として株券の授受がないケースを有効と取り扱おうとする場合に,「誰が利益を受けるか考慮せず,違法な行為を一律に有効と解するのはおかしい」(江頭憲治郎「株式会社法(第8版)」(有斐閣)234頁))という議論にならざるを得ないという問題もある。
(株券発行会社の株式の譲渡)
第128条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。
そもそも,株券発行会社が例外的な存在となっている現在,会社法第128条は存在意義を有しないのではないだろうか。
株券発行会社において,株式譲渡の譲受人は,株券を手中にしていれば,譲受人単独で譲渡承認請求をすることができ(会社法第137条第1項),また譲受人単独で株主名簿記載事項の書換えの請求をすることができます(第133条第1項)。しかし,譲渡人と共同で手続をするのであれば,いずれも株券の提示は要しない(第133条第2項,第137条第2項)。株券が現実に発行されていることの実益は,この単独請求の可否程度ではないかと。本来は,株主であることの証拠的機能を有したわけであるが,株券不発行会社においては,株主名簿記載事項証明書で代替されているわけであるし,株券に拘る意味もないかと。
株券発行会社であっても,現実に株券を発行している株式会社は少ないという事情に鑑みれば,端的に株券の授受がなくても株式の譲渡は有効である,という取扱いにするのが合理的であるように思われるのだが。
会社法第128条を前提にすると,現状追認として株券の授受がないケースを有効と取り扱おうとする場合に,「誰が利益を受けるか考慮せず,違法な行為を一律に有効と解するのはおかしい」(江頭憲治郎「株式会社法(第8版)」(有斐閣)234頁))という議論にならざるを得ないという問題もある。