以下は、登記研究の質疑応答の構成をとっているが、私見である。
【○○○○】成年被後見人が所有する居住用不動産について所有権移転登記を申請する場合における登記識別情報を提供の要否について
〔要旨〕成年被後見人が所有する居住用不動産について、成年後見人が家庭裁判所の許可を証する情報を添付して所有権移転登記を申請する場合は、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない。
問 成年後見人が、家庭裁判所の許可を得て、被後見人が所有する居住用不動産を売却し、所有権移転登記を申請する場合、家庭裁判所の許可を証する情報を添付するので、申請情報と併せて登記義務者の登記識別情報を提供することを要しないものと考えますが、いかがでしょうか。
答 ご意見のとおりと考えます。
問題意識としては、登記識別情報の失念の場合に、本人確認情報の提供を要するか否か、である。破産管財人に関する先例、相続財産管理人に関する質疑応答の趣旨からすると、本ケースでは、これらの場合と同様に、家庭裁判所の許可を証する情報を添付するので、登記義務者の申請意思は担保される。また、成年後見人が、目的たる不動産に関する登記識別情報を入手し難い点も同様である。したがって、所有権移転登記を申請する場合に、登記義務者の登記識別情報を提供することを要せず、すなわち、本人確認情報の提供を要しないものと考える。