岸田総理が「成長と分配の好循環」を主張され、このブログでも、分配と成長の関係は経済・経営において最も重要な問題ですから期待していると書いた記憶があります。
ただ、その後も岸田政権の「成長と分配」についての解り易い説明がないので、先ずは「賃上げ」を期待されて分配の問題から入っていこうという事ではないかと受け止めてています。
マスコミや、評論家の中には、企業が内部留保を増やしながら、賃上げ率の方はなかなか上がらないので、一部には官製春闘と歓迎する向きもあるようです、筋から言えば、これは労使の仕事でしょう。
分配の問題も、賃上げばかりに矮小化しないで、低成長の元凶である格差社会化を止めいかにして格差の少ない社会にしていくかといった本質的な問題に早く迫って欲しいものですが、本質問題にはなかなか行き着かない様です。
ところで、異次元金融緩和で為替レートがまともな水準に回復してから企業の業績は回復してきました。賃上げもいくらかずつは改善してきていますが、この辺りは、矢張りもう少し労使に本格的な研究と論争をお願いしたいように思うところです。
経済・経営の方は、この所、先ずコロナ、それに国際経済の変調が続いて波乱の様相になって来ています。嘗て、長期不況の中で企業はサバイバルのために自己資本比率の向上に必死の努力をしてきました。当時は守りの経営で、B/Sの圧縮中心でした。
為替レートが正常化してからは、収益向上の成果、円安差益もあって、2017~18年頃までは、何とか順調な成長でしたが、19年には不況感が出、20年からはコロナ不況という事でしょうか。
上場企業などの数字を見ていても19年あたりから自己資本比率が下がり気味のような感じがしていたのですが、法人企業統計をみましたら、下図の通りで、日本企業の自己資本比率の長期の上昇もここにきて多少の下げに転じるようです。
資料:財務省「法人企業統計年報」
長期不況期の改善はB/Sの圧縮努力が大きかったのですが、最近の低下は、収益の低下と言うよりは、B/Sを膨らませた結果と言うふうに見えます。
下の図は自己資本と総資本の伸びを見たものですが、この所の動きでは収益低下から自己資本の伸びは鈍り、一方、総資本は増えていく、つまり負債の増加による(B/Sの膨張による)自己資本の低下という実態が見えてきます。
自己資本、総資本の伸びの比較
資料:同上
円高不況の2012年度はB/S圧縮(総資本圧縮)ですが、しかしその後は金融はゆるゆる、2020年度は、政府は赤字財政での大盤振舞いという事で、借金は簡単にでき、金利は異常に低いから負担にはならない。という状況に中での自己資本比率の低下という姿です。
さし当たって日銀の政策変更はないようですが、企業は矢張り気を許すべきではないように思います。いつまでも ゼロ金利ではないでしょう。
国も借金だらけだから金利は挙げられないというものでもないようで、コロナ禍のなかですが、身を引き締めた経営がやはり望ましいように思います。
ただ、その後も岸田政権の「成長と分配」についての解り易い説明がないので、先ずは「賃上げ」を期待されて分配の問題から入っていこうという事ではないかと受け止めてています。
マスコミや、評論家の中には、企業が内部留保を増やしながら、賃上げ率の方はなかなか上がらないので、一部には官製春闘と歓迎する向きもあるようです、筋から言えば、これは労使の仕事でしょう。
分配の問題も、賃上げばかりに矮小化しないで、低成長の元凶である格差社会化を止めいかにして格差の少ない社会にしていくかといった本質的な問題に早く迫って欲しいものですが、本質問題にはなかなか行き着かない様です。
ところで、異次元金融緩和で為替レートがまともな水準に回復してから企業の業績は回復してきました。賃上げもいくらかずつは改善してきていますが、この辺りは、矢張りもう少し労使に本格的な研究と論争をお願いしたいように思うところです。
経済・経営の方は、この所、先ずコロナ、それに国際経済の変調が続いて波乱の様相になって来ています。嘗て、長期不況の中で企業はサバイバルのために自己資本比率の向上に必死の努力をしてきました。当時は守りの経営で、B/Sの圧縮中心でした。
為替レートが正常化してからは、収益向上の成果、円安差益もあって、2017~18年頃までは、何とか順調な成長でしたが、19年には不況感が出、20年からはコロナ不況という事でしょうか。
上場企業などの数字を見ていても19年あたりから自己資本比率が下がり気味のような感じがしていたのですが、法人企業統計をみましたら、下図の通りで、日本企業の自己資本比率の長期の上昇もここにきて多少の下げに転じるようです。
資料:財務省「法人企業統計年報」
長期不況期の改善はB/Sの圧縮努力が大きかったのですが、最近の低下は、収益の低下と言うよりは、B/Sを膨らませた結果と言うふうに見えます。
下の図は自己資本と総資本の伸びを見たものですが、この所の動きでは収益低下から自己資本の伸びは鈍り、一方、総資本は増えていく、つまり負債の増加による(B/Sの膨張による)自己資本の低下という実態が見えてきます。
自己資本、総資本の伸びの比較
資料:同上
円高不況の2012年度はB/S圧縮(総資本圧縮)ですが、しかしその後は金融はゆるゆる、2020年度は、政府は赤字財政での大盤振舞いという事で、借金は簡単にでき、金利は異常に低いから負担にはならない。という状況に中での自己資本比率の低下という姿です。
さし当たって日銀の政策変更はないようですが、企業は矢張り気を許すべきではないように思います。いつまでも ゼロ金利ではないでしょう。
国も借金だらけだから金利は挙げられないというものでもないようで、コロナ禍のなかですが、身を引き締めた経営がやはり望ましいように思います。