tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

民主主義の「トリセツ」 第4回

2022年07月20日 21時28分57秒 | 政治
民主主義の「トリセツ」という事で3回書いてきました。

民主主義というのは、基本的に多数決、より大勢の人が「良い」と考える事を実現させるのが良いという社会システムですから、皆が賛成して、世界でも民主主義の国は殆どになっているのでしょう。

しかし、リーダーの選び方を間違えますと、時に選ばれたリーダーが独裁者に変身し、形は民主主義でも実際は独裁制になってしまう事があります(例:今のロシア)。

そんなことが起きないようにという事で、リーダーを選ぶときはこんな事に気を付けたらという点を、民主主義の「トリセツ」として列挙しておいた方がいいという趣旨で、世界の歴史や現状を参考に上げて指摘してきたポイントが6つ、今回で8つになります。

あまりポイントを増やすと、「適切な人などいないよ」といった事になっても困りますので、この辺で仮止めにしようと思っています。

今回付け加える2点は、7と8です。

7、外交に比重を置きすぎる人には要注意
これは安倍さんなどにも多少見られる所ですが、内政が思うようにいかないと外交でよいニュースを作ろうとするリーダーがいます。
外交は内政のように厳しく問われませんから国際親善の良いニュースで当面成功裏に終わらせる事が出来ます。
最近のエルドアンさんはプーチンに働きかけ、ウクライナの小麦などの輸出を可能にしようとし、国際的な評価は大きいですが、今、内政は70%を越えるインフレで大変です。ウクライナの小麦で、国内のインフレを収まればいいのですが、現状では、国民は大変です。

8、次々と新しいテーマを掲げる人も要注意
これは問題が片付かないと、次の問題を提起して前の問題の責任の所在を曖昧にしてしまう効果があるようですから要注意です。

トランプさんのラストベルトの復活、イラン協定の離脱、北朝鮮との外交、中国との関税戦争、NATOの負担問題から、国会へ行こうまで、次々と新しいテーマを追い、そのたびに国民の熱狂を受けた様ですが、結果はトラブルメーカーにはなったけれども、トラブルシューターにはなり得なかったのではないでしょうか。

といったことで、今迄に上げた「民主主義のトリセツ」の8項目を下に纏めます。

1、 過去の経験から、リーダーの最長任期を決めたら、それを伸ばそうとする人をリーダーに選んではいけない。
2、 自分も嘘(Fake)言いながら、他人の言う事を嘘(Fake)だと言う人をリーダーに選んではいけない。
3、 情報を操作している人、あるいは、操作しようとしている人をリーダーに選んではいけない。
4、感情の起伏が激しく、舞い上がったり激怒したりする人をリーダーに選んではいけない。
5、強い被害者意識を持っていて、それへの共感を求める人をリーダーに選んではいけない。
6、選挙権を持つ人は、候補者の「信者」にならないように気を付けなければいけない。
7、外交に比重を置きすぎる人には要注意
8、次々と新しいテーマを掲げる人は要注意。

以上です

これは、私の知る、あるいは感じる範囲の「トリセツ」で、出来れば皆様にも是非「こうすれば民主主義は上手く使える」という「トリセツ」を考えて頂き、その中の珠玉を集めて、国連に提案したら、世界は少し良くなるかな、などと勝手に考えています。